フレイヤ・ファミリアの苦労人転生者   作:鬼塚虎吉

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遅れてしまって申し訳ありません。

新年明けましておめでとうございます、本年度も「フレイヤ・ファミリアの苦労人転生者」をよろしくお願い致します。

アンケートは締め切るのが早すぎると思い、勝手ながら投票可能に戻しました。

締め切り時間は明日の正午頃にします、本当に申し訳ありません。


蒼月女神の派閥(アルテミス・ファミリア)との冒険

日々の書類地獄を終わらせて俺は気分転換に受けた遠方でというか世界の果て近くの街まで護衛系冒険者依頼(クエスト)を終えてオラリオに帰還しているのだが⋯その途中ある一団に取り囲まれた。

 

「貴様、此処で何をしている?」

 

「えっ、オラリオに帰るためだけど」

 

弓を引きながら蒼髪の女神がそう聞いてくるので正直に答える。

 

「嘘はついていない。済まなかった、ここいらで不審な動きをしている者たちがいると聞いたので警戒していたところにお前が現れたのでこのような形を取らせてもらった」

 

そう言って蒼髪の女神が合図を送り眷族達に構えを解かせる。

 

「あぁ、大丈夫ですよ。慣れてます」

 

「弓矢で狙われることに慣れているというのはどういうことだ?」

 

「俺の所属している派閥が【フレイヤ・ファミリア】なんで」

 

「なるほど、君はフレイヤの眷族(こども)だったのか。しかし、あそこの眷族(こども)がフレイヤの元を離れるなんて珍しいな」

 

「まぁ、俺が此処にいるのは冒険者依頼(クエスト)の帰りだったんで」

 

「なるほど、そういうことか」

 

俺が説明すると、女神は納得したように頷く。

 

()()()()()()!!」

 

すると、女神の眷族の一人が女神の名を呼びながら駆け寄ってくる。

 

「レトゥーサ、どうした?」

 

「ランテからの報告です、ここから西三キルロに怪しい黒装束の集団がいるとのことです」

 

「「!!」」

 

黒装束の集団、間違いなく闇派閥(イヴィルス)だろう。

 

「解った、妙な真似をされる前に今すぐ抑えに行くぞ」

 

「はい!!」

 

「神アルテミス、俺も微力ながら助力させていただきたい」

 

「あぁ、構わない。フレイヤの眷族協力感謝する、えっと⋯」

 

「俺は藤堂・ケンマといいます」

 

「私はアルテミス、【アルテミス・ファミリア】の主神をしている」

 

知ってますとは言えないので「以後お見知り置きを」とだけ言っておいた。

 

そうして、俺と【アルテミス・ファミリア】は闇派閥(イヴィルス)の制圧をするため共闘するのだった。

 

 

「何故、ここに忌々しいオラリオの冒険者が⋯!!」

 

「たまたま」

 

最後の闇派閥(イヴィルス)を捕らえると、俺達は意識のある連中に尋問をする。

 

「答えろ、この地で何をしようとしている」

 

神アルテミスが闇派閥(イヴィルス)の一人に問いかける。

 

「答えるつもりは⋯(ボキッ)ぎゃあああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

答える気のない闇派閥(イヴィルス)に対して俺はその小指を折ると、みっともない悲鳴を上げる。

 

「何をっ!?」

 

突然のことに神アルテミスとその眷族が驚きの表情をする。

 

「こういう奴には手っ取り早く吐かせるには痛みが有効なので」

 

「しかし、むやみに傷つけることは⋯」

 

「こいつらのせいで平和に生きる人々が悲しみ、怒り、絶望している。それを容認すると?」

 

「そうは言っていないが、この者達にも家族というものが⋯」

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

「!?」

 

俺の言葉に神アルテミスは目を見開くほど驚きの表情を浮かべる。

 

「家族を喪ったからこそ世界がどうなろうと構わないなんて考える人間だっている。己の快楽のために殺戮を行う者もいる。絶望の底に突き落とされた人間だっている。邪神という存在はそういった欲望や弱った心の隙をついてくる。その結果、それを周囲にばら撒き嘲笑う。それが俺のエゴだったとしてもそんな事許せるはずもない、胸糞悪い」

 

「ケンマ⋯」

 

そうして、俺達は闇派閥(イヴィルス)の口を割らせてることに成功し情報を聞きだした。

 

その内容はある遺跡に封印されている古代のモンスターの復活であった。

 

しかも、その復活させるための作業はすでに済んでおりもう間もなく封印が解けるとのことだった。

 

事態は緊急を要する、故に俺達はその大樹海の遺跡「エルソスの遺跡」に向かうのだった。

 

その途中、俺はある考えが過った。

 

これってもしかして、ダンまちの映画で出てくるアンタレスじゃね?、と。

 

それに関しての答えはYESだった。

 

つまり、現段階でアンタレスが目覚めると完全に終わることになる。

 

つまりはここで討伐するしか無いということだ。

 

「ケンマ、お前はオラリオに戻って応援を⋯」

 

「いえ、それだと手遅れになる」

 

「!?」

 

「現状、古代のモンスターの力が未知数なので此処で戦力の低下は避けるべきだ。それに【ステイタス】的にも俺はいたほうが良い」

 

俺のステイタスはLv.4で、基本アビリティも限界突破している為現状の戦力としては申し分ない。

 

【アルテミス・ファミリア】も団長のレトゥーサもLv.3で他数名がLv.2、後はLv.1だ。

 

ここで俺が抜けた場合、敗北が確定する。

 

「もし、抜けるとしたら神アルテミスとLv.1の中でも敏捷(あし)の早い眷族の方が良い」

 

「!!」

 

「何故、ケンマはそこまでするんだ?私は君の主神でもないのだぞ」

 

「神を取り込まれたりしたら下界なんて一瞬で吹き飛びますからね、それを避けるためなのと⋯巫山戯た邪神(クソ野郎)に吠え面を書かせるためですかね」

 

「ふっ、面白いことを言うな」

 

「でも、その邪神(かみ)の悔しがる顔想像するだけで笑えてきませんか?」

 

「そうだな、たしかに面白い!!」

 

そうして、俺達はエルソスの遺跡に突入するのだった。

 

中に入ると、そこには既に肉で覆われていた。

 

「なにこれ⋯」

 

「気持ち悪い⋯」

 

【アルテミス・ファミリア】の面々も嫌悪感を示す。

 

「行くぞ」

 

その言葉とともに俺達はこの遺跡の攻略を始める。

 

「フンッ!!」

 

両手剣で迫ってくる小型の蠍モンスターを両断しながら進んでいく。

 

「わぁ、どんどんモンスターが倒されていってる⋯」

 

「これが【フレイヤ・ファミリア】の強靭なる勇士(エインヘリャル)⋯」

 

「感心している場合か!!私達も行くぞ!!」

 

そうして、俺達はどんどん進んでいき本丸にへとたどり着く。

 

「あれがアンタレス⋯」

 

俺達の視線の先には漆黒の蠍型モンスター「アンタレス」の姿があった。

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

アンタレスの上げる叫声に耳を塞ぎたくなるも、俺は両手剣に覇王色の覇気と流桜を纏わせて斬撃を飛ばすと、アンタレスが左のハサミで防御するとヒビが入る程度だった。

 

その一撃をきっかけに【アルテミス・ファミリア】も攻勢に出る。

 

しかし、アンタレスの甲殻は異常なまでに固く俺の攻撃もあまり通っていなかった。

 

このままではジリ貧、そう考えているとアンタレスがなんと神アルテミスを狙い始めた。

 

映画と同様に捕食して力を得るつもりだと判断した俺は神アルテミスを抱えてアンタレスを躱す。

 

「チッ、このままだと本当に全滅するかもな」

 

「ならば、ケンマ⋯」

 

「俺は逃げませんよ。だって、ここで逃げたらフレイヤの顔に泥を塗る結果になる」

 

「しかし⋯」

 

「だから、ここからは本気でやる」

 

神アルテミスを避難させてからその言葉とともに俺は詠唱を始める。

 

「【異界の勇士の武装を此処に】【神遊戯(シャングリラ・フロンティア)】」

 

異空間から取り出したのは⋯甦機装(リ・レガシーウェポン):ビィラック煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)

 

「目には目を、歯に歯を⋯蠍には蠍をってな」

 

そう言いながら走り出しながら煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)に覇王色の覇気と流桜と嵐と雷の死ぬ気の炎を纏わせる。

 

そして、あとは単純明快に殴り続ける。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

 

そこにおれは日頃の精神的負荷疲労(ストレス)を与えてくる問題児共への怒りをぶつける。

 

オッタルテメェは学がないとか理由つけては書類整理から逃げんじゃねぇよ!!フレイヤの護衛は持ち回りでいいだろうが、そんなんだからいつもアレンたちからの顰蹙を買ってんだよ!!口で勝てないからってすぐ拳で解決するんじゃねぇ!!

 

アレンてめぇは誰彼構わず噛みつくんじゃねぇよ、対応する身にもなりやがれ!!テメェも副団長の座にいるなら書類仕事くらいしろ!!戦車だからとか言ってねぇで派閥内の問題をなんとかしろ!!なんでそんなに短絡的なんだよ、もう少しは考えて行動しろよ!!(アーニャ)が大切ならもっとやり方があっただろ、精神的劇毒(トラウマ)を植え付けてんじゃねぇ、可哀想だろ!!

 

ヘディンお前はもう少し合理的に行動しろよ、書類仕事を俺だけに押し付けんな!!俺が倒れた場合どうするつもりだ、鬼畜妖精!!眼鏡クイッとかしてないでマジで書類仕事しろ!!軍師気取りの陰険鬼畜妖精!!事態を把握してないのに迅速な行動なんて無理だろうが馬鹿め!!

 

ヘグニお前はもう少し人と関わりを持て⋯いや、仲間内だけでいいから素面で会話が成立するくらいには成長しろ。入団当初から変わってないぞ!!いい加減に成長してくれ!!子供に指摘されたからって町中で泣くな、落ち込むな!!あと、書類整理も手伝えって、本当に終わんねぇんだよ!!

 

アルフリッグ達もアレンと一緒で揉めるな!!お前らもいつもやりすぎるんだよ!!問題を起こすだけ起こして後のことはこっちに丸投げすんな!!なんで解決する側の俺がそんな苦労をせにゃならんのだ!!

 

他の連中もそうだ、ダンジョンに行けば問題を起こし都市の中を歩けば問題を起こし、都市の外にでても問題を起こす!!何なの、お前ら全員が問題大量製造機なのか!?

 

最後にフレイヤ、一番の問題児はお前だ!!先日の他派閥の眷族魅了引き抜き事件から始まり、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の条件でまた別の案件が発生したり、オラリオ散策により【ロキ・ファミリア】との抗争に発展仕掛けたことに対する禁忌(テヘペロ)で誤魔化そうとしたりと挙げればきりがないので割愛するが⋯もっと落ち着きを持ちやがれぇええええええええええええええええッ!!!

 

「アルテミス様、すごい顔して殴ってますね」

 

「よほど怒りに燃えているようだな、闇派閥(イヴィルス)の所業に掃討の怒りを持っているようだ」

 

ものすごい勘違いが発生しているが⋯怒りに満ちていることだけはあっている。

 

しかし、その怒りが自身の主神と仲間に対するものであることを【アルテミス・ファミリア】は知らないほうが良い。そこを突くと、闇の深淵のような色をした目になったケンマを見ることになるからである。

 

ゴリ押し戦法ではあったがその結果、アンタレスが防御に使っていた左のハサミを破壊した。

 

大損傷を負ったアンタレスが叫声とともに暴れまわり、【アルテミス・ファミリア】の半数が負傷してしまう。

 

かろうじて死者は出なかったが、それも時間の問題だと判断した俺は魔法を発動する。

 

「【銀月(ぎん)の耀き それは女神の抱擁】【女神の寵愛受けし勇士は死なず猛り続ける】【死を恐れぬ勇士は女神の敵を粉砕する】【全ては至上の女神の為】【駆け抜けよ、女神の神意を乗せて】【ループ・エインヘリャル】」

 

回復魔法を受けた【アルテミス・ファミリア】の面々は傷が完全に癒え戦線に復帰する。

 

その間も俺は攻撃を手を緩めずに攻め立てていき、残っていた右のハサミも破壊する。

 

「【発射せよ(Firing-up)】」

 

その声とともに左の晶弾(クリスタル・バレット)がアンタレスの真下の地面に突き刺さる。

 

「外した!?」

 

そう言ってくる【アルテミス・ファミリア】団長のレトゥーサ。

 

俺はそれを無視してアンタレスの真下に入り込み、叫ぶ。

 

「【成長せよ(Growing-up)】!!」

 

音声認証にて特殊周波の振動を受けた晶弾(クリスタル・バレット)が三メドルの水晶柱へと成長し真上にいたアンタレスの身体をカチ上げる。

 

その結果、アンタレスの身体は宙に浮き動きが制限される。

 

俺は五秒間しか保たない水晶柱を駆け上り跳躍、アンタレスの腹にまでたどり着く。

 

「じゃあな、アンタレス。【超過機構(イグシード)】:超排撃(リジェクト)!!」

 

その言葉とともに俺渾身の一撃を叩き込んだ。

 

その瞬間、アンタレスの甲殻がひび割れ内部を破壊する。

 

そして、アンタレスはその一撃を持って灰と魔石と漆黒の蠍針(ドロップアイテム)を残して消えた。

 

これにて、アンタレスの討伐は達成されたのだった。

 

 

 

 

 

「ふぅ、一時はどうなることかと思ったがなんとかなったな」

 

「あぁ、ケンマ君がいてくれたおかげだ。感謝する」

 

「いや、これに関しては【アルテミス・ファミリア】がいてくれたからこそですよ。俺だけだったら闇派閥(イヴィルス)のことを見逃してたかもしれませんし」

 

「そうだろうか⋯?」

 

「えぇ、そうですよ」

 

そんな会話をした後、【アルテミス・ファミリア】と別れた俺はオラリオへと帰還したのだった。

 

ちなみに、アンタレスの漆黒の巨蠍針(ドロップアイテム)は討伐者である俺が貰い受ける事になった。

 

 

オラリオに帰ってきてまず身を清めてからフレイヤのところに行って【ステイタス】の更新をしてもらった。

 

「ケンマ、あなた予想外の冒険をしたようだけど⋯器の昇華(ランクアップ)する?」

 

「いや、保留で」

 

フレイヤの言葉に俺はそう言うのだった。

 

そして、俺はまた書類地獄に戻っていくのだった。

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