バレンタイン、それはある一部の者が笑い大多数が涙を流すそんな
【フレイヤ・ファミリア】ではかつてないほどの激しく苛烈な洗礼が繰り広げられていた。
理由は、フレイヤの手作りチョコを手に入れらんが為に。
「・・・いや、フレイヤに欲しいって言えば良いだけの話だろ」
俺はそんな洗礼の光景を見ながらチョコ作りに専念している。
「ねぇ、ケンマこんな感じで良いかしら?」
「あぁ、そのまま湯煎して溶かしてあとは苺とバナナにかけて冷やし固めたら完成だ」
「もっと手の込んだ物が作りたかったわ」
「いや、俺も菓子作りはあんまりしないから凝ったのは作れねぇよ」
「なら、職人に習えば良いじゃない」
そんなことを言い出したのでこう言っておく。
「その職人に申し訳ないだろ、菓子作り教えたのに食中毒起こされるのは」
「辛辣すぎないかしら?」
「今までのことから妥当な意見だ」
更にこうも言っておく。
「ベルの奴は甘いものは得意じゃないからこう言ったものの方が良いぞ」
「そうなの?」
「あぁ、
「ふふっ、良い情報をありがとう」
「余計な事するなよ、それはそれで完成してるんだからな」
釘を刺しておく。
「だめ?」
「いいわけないだろ」
さて、俺の方も作業に取りかかる。
ナッツ類を荒く細かくして
「さて、行くか」
それらを袋詰めにして原野を駆け抜け俺は嫁の元に出かけるのだった。
【ガネーシャ・ファミリア】
「う~ん、もう一ひねり欲しいなぁ」
そう言っているのはケンマの嫁の一人である、アーディ。
目の前にはアーディの作ったガトーショコラがありそして、その周りに倒れるガネーシャ・ファミリアの団員と主神ガネーシャと姉であり団長のシャクティ。
「アーディ、もう良いんじゃないか。ソレはもう十分に美味い」
「ダメ、ケンマって凄い料理上手いんだよ。だから、そのケンマを満足させるものを作らないと」
「しかし、そのままだと泥沼にハマるぞ。俺がガネーうっぷっ!!」
度重なる試食に限界を迎えるガネーシャとシャクティ。
恋する乙女は素晴らしい。
【アストレア・ファミリア】
『ず~~~~~~~~~~んっ!!』
落ち込んでいるのはケンマの嫁であるノイン、リャーナ、マリュー、イスカ、セルティ、ネーゼ、アスタ。
何故、落ち込んでいるのかというと彼女達は菓子作りどころか料理が出来ない。
そのため、ケンマに手作りを渡せないと落ち込んでいるのだ。
「情けないわね、これしきのことで」
そう言ってくるのは団長のアリーゼ、言わずもがな食べる専門である。
「チョコを渡すのに気落ちすることなどあるのですか」
次にそう言ってくるのはリュー、ポンコツエルフ以下略。
「それならば買って済ませれば良いだろうに」
そう言ってくるのは副団長である輝夜、この中で料理の出来る一人。
「そういうのは一朝一夕じゃ無理だからなぁ」
追い打ちを重ねてくるのがライラ、輝夜同様に料理が出来る。
恋する乙女は前途多難である。
【ディオニュソス・ファミリア】
「こんなものか」「凄いです、フィルヴィスさん!!」
その目の前にはベリーソースのチョコケーキがあった、ホールで三つ。
団長のフィルヴィスは親友となった【ロキ・ファミリア】の団員レフィーヤと共にチョコ作りをしていた。
その向こうで物々しいものを作っているアマゾネスが居たが割愛する。
「ケンマは喜んでくれるだろうか?」
「もちろんですよ、喜ばなかったら私がアルクス・レイします!!」
「それは【フレイヤ・ファミリア】との全面抗争になってしまうから止めてくれ。」
暴走しそうになっている
恋する乙女は眩しい。
【ウラノス・ファミリア】
「遂に完成したわ!!」
「えぇ、ディナお姉様遂に完成したわ!!」
そう言いながら自分達の作ったチョコを見て喜ぶ。
そのチョコは白と黒のチョコで作られたディース姉妹の彫刻だった。
「旦那様、喜んでくれるわ」
「えぇ、もちろんよ」
恋する乙女は狂おしい。
【カーリー・ファミリア】
ケンマの嫁であるバーチェは黙々と作業をしている、
【カーリー・ファミリア】は姉のアルガナを含め自身を倒した【ロキ・ファミリア】の男に入れあげている。
しかし、バーチェを下したケンマは【フレイヤ・ファミリア】なので競合する事も無い。
なので、静かに丁寧に作業を仕上げていく。
「出来た」
それは歪ながらに想いの詰まったフォダンショコラ。
それをケンマが食べるのを想像して顔を赤くさせる。
恋する乙女は一直線。
【アルテミス・ファミリア】
ケンマの嫁であり派閥の主神であるアルテミスは悩んでいた。
なにせ、初めての恋をして実った相手であるケンマにどういったチョコを渡せば良いのかと悩んでしまう。
眷族に相談いや、今まで恋愛アンチだった自分ではどの口がと言う反応をされてしまうだろうと思ったアルテミスはある神に聞きに行った。
「それで私に聞きに来たの?」
「あぁ、フレイヤはケンマ主神だから何がいいのかを把握しているのではないかと思ってな」
自身も
「そうね、ケンマはしょっぱいものが好きね」
「しょっぱいもの・・・塩か。他には?」
「甘いものもよく食べているわね」
「好き嫌いがないのだな」
「そうね。でも、ケンマって嫁が多いからチョコは飽きてしまうかも知れないわね」
「なにっ!?」
「貴方に良いことを教えてあげるわ、アルテミスチョコにも苦いものがあるらしいわ」
「チョコなのにか!?」
その情報にアルテミスは驚愕する。
「チョコなのによ、ソレを使ってみるのも良いかも」
「感謝するぞ、フレイヤ!!」
こうして、アルテミスが選択したのはホットミルクにビターチョコを溶かしたホットチョコミルクである。
恋は神すら変える。
【豊穣の女主人】
「「よし、できた!!」」
ミアに休暇を貰ってケンマの嫁であるルノアとクロエはチョコ作りをしていた。
かつて賞金稼ぎと殺し屋として生きていた自分を救ってくれたケンマに恋慕の念を抱いていた二人が実らせた想い。
そんな思いを込めて作った。
それで完成したのがシンプルなチョコケーキ(ルノア)とティラミス(クロエ)。
「よし、これで大丈夫だ」
「いやぁ、一時はどうなるかと思ったにゃ」
そう、二人は当日になって初めてバレンタインに気付き、慌ててミアに休日を言いに行った。
なんとか無理を聞いて貰い、手作りチョコを作ることに成功するのだった。
「{喜んでくれたら良いなぁ}」
「{喜んでくれるとうれしいにゃあ}」
恋は人を変える
【
ケンマの嫁であるラーニェは瓶詰めにした
そこへフィアが現れる。
「あれ、ラーニェそれは
「あっ、あぁ」
ラーニェの煮え切らない反応にフィアが何かを察知する。
「ケンマさん、喜んでくれると良いですね」
「フィア、なぜあの人間のことを言い出すんだ!?」
「だって、今地上ではバレンタインというものがあるらしいですよ。女性が好きな男性にチョコという甘いお菓子を渡す
「ほ、ほう。だが、私には関係ないな」
フィアの言葉に興味が沸くも、自身を律して首を横に振る。
「え~っ、そうですか? ケンマさんもラーニェのチョコ食べたいんじゃないですかね?」
「もう、あの人間の話はするな!!」
そう言ってラーニェは離れていく。
「{なぜ、あの人間の名前を聞くだけで胸がこうも暑くなる!?}」
怪物だって恋がしたい。
この後、地上と地下でケンマはバレンタインを過ごすのだった。