フレイヤ・ファミリアの苦労人転生者   作:鬼塚虎吉

8 / 56
異端児

異端児(ゼノス)、それは通常のモンスター達と異なり、高い知性や心といった理知を備えているのが最大の特徴で、人間の言葉を理解し話す者もいる。また、容貌が元の種と大きく異なる者もおり、特に性別が女性(メス)となるモンスターの場合は、並の人間よりも美しい外見をしているケースも少なくないらしい。

 

「ケンマっち、今日はどうしたんだ?」

 

「あぁ、この前第一級冒険者になったんでな闘技場(コロシアム)で経験値稼ぎをしていたんだ」

 

俺に話しかけてくるのは蜥蜴人(リザードマン)異端児(ゼノス)・リド。

 

闘技場(コロシアム)で正気かよ、あそこは同族が問答無用で殺しに来るんだぜ⁉」

 

「そうまでしないと第一級冒険者ともなればそう簡単にはアビリティが上がらないんだよ」

 

「ならば、そのまま戦っていればよかろう」

 

俺とリドの会話に入ってきたのは石竜(ガーゴイル)のグロス、こいつは過去の影響から人間嫌いの気が強い。

 

「おい、グロス」

 

「いいんだよ、グロスはこういう奴だって俺は割り切ってるし。それにウチの派閥(ファミリア)にはグロスより酷い奴らしかいないから気にしてない」

 

「それはそれでどうなんだよ…」

 

グロスを諫めようとするリドを俺は止めると同時にそう説明すると呆れられた。

 

「お前らに土産だ」

 

俺はそう言って魔石の入った背嚢の中身を広げるのだった。

 

「魔石がこんなにたくさん…、本当によろしいのですか?」

 

「あぁ、一週間の間に何十回か挑む予定でいるからここを拠点代わりにさせてもらう駄賃みたいなものだ」

 

「まぁ、そういう事でしたら…」

 

次に話しかけてくるのは歌人鳥(セイレーン)のレイ。

 

リド、グロス、レイは冒険者で言うところのLv.5に匹敵する潜在能力(ポテンシャル)を持っている故に異端児側の主力人員である。

 

「それで最近変わったことはないか?」

 

「あぁ、狩人(ハンター)の動きが緩くなって最近は落ち着いてはいるが油断は出来ねぇからな」

 

「そうか、気をつけろよ」

 

「おう!!」

 

俺とリドは近況について話し合っていると黒衣の人物が姿を見せる。

 

「君も来ていたのか、藤堂・ケンマ」

 

「あぁ、久しぶりだなフェルズ」

 

「あぁ、そうだな」

 

黒衣の人物の名は愚者(フェルズ)、八百年生きる賢者である管理機関の主神(ウラノス)の私兵である。

 

「まずは第一級冒険者に至ったことを祝わせてくれ、おめでとう」

 

「ありがとう、フェルズ」

 

「それでなんだが、、君が前に言っていた【ソーマ・ファミリア】の件だが…」

 

「それについては【ガネーシャ・ファミリア】の強制捜査が必要だと言っただろ。【ソーマ・ファミリア】団長のザニス・ルストラは派閥そのものを私物化していることは話したよな。それは神ソーマが派閥運営に全くの無関心であることが原因だ。更に上納金上位者のみの神酒を飲ませるという仕組み(システム)を組み込んでいてそのせいで【ソーマ・ファミリア】の団員達が問題行動をしているんだよ、管理機関(ギルド)での換金で揉めているのもそれが原因だ」

 

「しかし、神酒のためにそこまでする根拠が見えない」

 

「神酒にはある種の依存性がある、それを利用して派閥内私物化した上で支配し抜けようとする者には多額の脱退金を要求する始末だ」

 

「まさか、そこまでの事になっていようとは…」

 

「更に言えば、ザニスの奴闇派閥(イヴィルス)とも繋がっているようで、それ関連の大小さまざまな悪事にも加担しているようだ」

 

「なんだと⁉」

 

俺の言葉にフェルズは激しく動揺する。

 

「その関係でリド達異端児(ゼノス)の事も知っているようだ」

 

「なんだと⁉」

 

その言葉にグロスが反応する。

 

「貴様、それを知っておきながらなぜ黙っていた!!」

 

グロスの怒声に人間嫌いの異端児(ゼノス)達も殺気立つ。

 

「これに関しては不確定要素が大きかったから話せなかった、情報が不十分な状態でお前らを不安にさせるわけにはいかなかったんだよ」

 

「グロス、落ち着け。ケンマっちの言う事にだって一理ある。まだ決定的じゃない情報でみんなを振り回すのは俺っちもダメだってわかる、お前だってそうだろ」

 

「うぐぅ…」

 

リドの説得に一応グロス達も留飲を下げてくれた。

 

「では、直ちに【ガネーシャ・ファミリア】【アストレア・ファミリア】に強制捜査の沙汰を…」

 

「いや、もう少しザニスを追い詰める一手が欲しいからそれを手に入れるまで待ってくれ」

 

「解った、よろしく頼む」

 

「あぁ」

 

そうして、フェルズとの話し合いを終えた俺は再び闘技場に修行に出るのだった。

 

 

 

 

「そういえばベルってもうオラリオに来てるんだっけ?」

 

確か、フレイヤがシャルザードから帰ってきた頃には【ヘスティア・ファミリア】の団員になっていたはずだから。

 

うん、そうだ。

 

もう原作始まってるな、いや【ロキ・ファミリア】が遠征からまだ帰ってきてないから始まってないか…。

 

う~ん、そうなってくると原作の始まりの場面を見たいと思うのは熱狂者(ファン)故なのだろうが…。

 

さて、どうした物だろうと考えながら俺はスパルトイを蹴り砕く。

 

それに修行始めたばっかりだからこれだけは完遂してから始まってほしいと願うのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。