【番外編】幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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前回投稿した番外編の後日談です。
え、あれ以外に書くことあるのかって?




※本編より少しR方向に踏み込んた描写をしているので、苦手な方はブラバ推奨です。

永住ルート条件:ヒスイに飛ばされること



そういうことです。
ではほんへ↓






永住ルート:ヒスイ編 後日談

「……もう1年近く経つのか」

 

 もう外は真っ暗闇な時間。俺は部屋で一人で寝転び、元の時代のことを思い返していた。

 

 別にこの時代に不満があるわけじゃない。仲の良い友人も出来たし、手持ちの皆も元気に過ごしてるし、俺だって毎日楽しく過ごせている。

 

 でも、こうやって一人になると、ついつい元の時代のことを思い出してしまう。

 

「ヒカリ……責任感じたりしてないかな」

 

 思い違いでなければ、ヒカリとは気の置けない間柄だったと思う。

 

 俺をこの時代に飛ばしたのはヒカリではないけど、ディアルガとパルキアに会わせてくれたのはヒカリだし、そこに責任を感じているかもしれない。

 

 そもそも、どうして過去には飛ばせるのに元の時代には戻せないんだろうか。そしてあの青ざめた顔はなんだったんだマジで。

 

 ……それに、ヒカリだけじゃない。他にもたくさん、旅で巡り会えた人達や、家族、それに……ラズ。

 

「……皆、元気にやってるといいな」

 

 そろそろ俺もこの時代に骨を埋めることになるのを覚悟するべきなのかな……なんて思いながら、寝るときに備えて早目に布団を敷いていたときだった。

 

「シバリさん、いますかー?」

「……ショウ?」

 

 家の外から、玄関を叩く音と共にショウの声が聞こえてきた。

 

 敷いた布団はそのままに、とりあえず玄関に向かうと、俺は扉を開けた。

 

「おまたせ。何かあったか?」

「えへ、遊びに来ちゃいました」

 

 笑顔でそう言ったショウの後ろには、カイの姿も見える。そういや今日は二人でお泊り会するとか言ってたっけ……?

 

「……じゃ、とりあえず上がるか? 何もないけど」

シマボシ隊長への密告案件(クラフトの証跡)はありそうですよね」

「なんてこと言うんだ」

 

 あるわけないだろ(あるに決まってるだろ)

 

「……ところで、何でさっきからカイは固まってるんだ?」

「へ? ……あ、そっか。カイさん、シバリさんの部屋着見るの始めてだもんね」

「へ?」

 

 部屋着? 上にTシャツ着て、下に短パン履いてるだけだけど……。

 

「……変かな、これ。なら別の服装に──うぉっ!?」

 

 言いかけて、急に動き出したカイに思い切り肩を掴まれた。

 

「そのままでいいから」

「え?」

()()()()()()()()()

「……お、おう……」

 

 強い目線でそんな風に言われた俺は、ただ頷くことしかできなかった。

 

 

──────────────────────

 

 

「ところでシバリ。最近シンジュ団に来る頻度減ってない?」

「へ?」

 

 部屋の中で二人と話していると、唐突にカイが不満気な表情で問い掛けてきた。

 

「そうか?」

「そうだよ! 前はたくさん来てくれてたのに!」

 

 前って言われると……俺がこっちに来たばっかりの頃かな。

 

 確かにあのときは、シンジュ団を訪ねる回数は多かったかもしれない。

 

「何というか、あの頃はカイのことを放っておけなくてさ……。色々あっただろ?」

「それは、まぁ……」

 

 はっきり行って、俺とカイの出会いはあんまり良いものじゃなかった。

 

 警戒されまくってたのか、最初の方はすぐに話を切り上げて立ち去ってしまうし、まともに会話することすら難しかった。

 

 子供ながら長という立場になったこともあって、色々難しいことがあるんだろう。むしろ、何ともなさそうにしているセキの方がおかしいと思う。

 

 だからこそ、カイが重荷に感じていることを少しでも取り除けたらと思って、あの頃は出来るだけシンジュ団に様子を見に行くようにしてたんだ。

 

「えっ、てことは何? わたしが大丈夫そうになったから、来る頻度減らしたってこと……?」

「え、うん」

「嘘……」

「カイさん落ち着いてください。シバリさんこういうとこあるので」

「どういうとこだよ」

 

 少なくとも良い意味で言われてないのはわかる。カイも『それもそうだね……』じゃないんだよ。

 

「……ふふ。いっそ、ここで餌をもらうことにしましょうか」

「え?」

「私達はお腹の空いたお魚さんなんですよ。シバリさん」

「えっと……つまり?」

「『今日は三人で一緒に寝ましょう』……と、いうことです」

「は?」

 

 言いながら、ショウは俺を後ろから羽交い締めにして布団の方へと引き摺り始めた。

 

「いや待て待て待て待て待て! 何言ってんの!? 何言ってんの!?」

「ふへへ……。ほら、カイさんも一緒に寝ましょう!」

「何言ってんの!?」

 

 ほら、カイもびっくりして固まってるじゃん。

 

 でも今の状況を少しずつ飲み込めてきたのか、徐々に顔が赤くなっていった。

 

 よし、カイが正気を取り戻せば、きっとこの状況もどうにかなるはずだ。

 

 なんせショウのことが大好きなカイのことだ。『異性と一緒に寝るなんて破廉恥だよショウさん!!』って言いながら、俺をビンタして止めてくれるに違いない。俺がビンタされちゃうのかよ。

 

「……ショウさん」

 

 うおおおお!! 言え! 言ってやれカイ!

 

「もちろん川の字で寝るんだよね?」

 

 カイさん???????

 

 

───────────────────────

 

 

 えっとさ。

 

 この際三人で寝るのは良い。川の字で寝るのも良い。ここまでは諦めるよ俺。

 

 でもさ……。

 

「なんで真ん中俺なの?」

「それだとどっちか片方しかシバリの隣にならないじゃない」

「いや、それで良くないか? 俺は端っこで十分──」

「シバリさんは私とカイさんを仲違いさせる気なんですか?」

「どういうこと!?」

 

 なんで俺が端っこだと二人が仲違いするんだよ。理屈が通らないだろうが。

 

 もういいや、この状況も諦めよう。スパッと寝ればすぐ明日が来るし、一晩くらい気にしなくていいや……。

 

 そう思いながら目を閉じると、横から服を優しく引っ張られる感覚があった。

 

「……?」

 

 目だけそちらに向けてみると、カイがにへらと笑った。

 

「どうした?」

「えへ……ちょっとお話したいなぁって……」

「……まあ、いいけど」

 

 カイと会話するために、寝返りを打って彼女の方向を向くことにした。

 

「もう眠いから、ちょっとだけな」

「先に寝たら何するかわからないよ?」

「普通に寝かせてくれよ……」

 

 俺の言葉に小さくクスクスと笑うカイを見て、俺も自然と口元が緩んだ、その時だった。

 

「ひょおっ!?」

「!?」

 

 突然背筋を指でツーっとなぞられ、意図せず変な声が出てしまった。

 

 カイもびっくりしてビクッてしてた。ごめんね。

 

「……えっと、ショウ?」

「……私もシバリさんとお話したいです……」

「んなこと言われても……」

 

 とはいえまだカイと喋り始めたばっかりだし……。流石にすぐショウと話し始めたら可哀想だよな……。

 

「あ、それなら三人で話──」

「「ダメ」」

「なんでよ」

 

 どうやら二人での会話以外認めてくれないらしい。なんでだよ。

 

 ……仕方ない。

 

「ショウ、ちょっとだけ待っててくれ。カイと少し話したら、次はショウとも話すからさ」

「……むぅ」

 

 よし、一旦これで大丈夫なはずだ。ショウに少し我慢させてしまうが、これなら両方と話が出来──。

 

「ひぅ!?」

 

 シャツの中に手が潜り込んできた。やったのは言うまでもなくショウだ。

 

 いくら話してもらいたいからって、そこまでするか普通!?

 

「ちょ、ショウ!? 流石にそれは──!」

 

 言いながらショウの手を止めようとすると、正面から俺の両手が掴まれた。

 

「……カイ?」

「ダメだよシバリ。今お話してるのはわたしでしょ?」

 

 言いながら、カイは自分の手を俺の手に絡ませて、両方の手が彼女と恋人繋ぎをしているような状態になった。

 

 そんなことをされて一瞬思考が止まっている間に、ショウの手が段々と胸元の方へと上がってきていた。

 

「〜〜ッ!! ショ、ショウ! そこ触るの、やめっ……!」

()()ってどこですかね? えへ、ちゃんとわかるように言ってもらわないと……」

「絶、対っ、わかって……っ!」

 

 ショウはさっきから同じところしか触ってこない。なんでそこばっかり……!

 

「あは……ショウさんに触られる度に私の手をギュッって握ってくるの、可愛い……」

「っぐ……っ」

 

 見たこともない表情でそんなこと言ったカイは、俺の手を握る力を弱めた。

 

「気が変わっちゃった。この手を振りほどいて、ショウさんを止めても良いよ?」

「……へ?」

「でもそんなことしたら、わたしの手、寂しくなっちゃって……」

 

 カイは視線をチラリと下の方に向けて、再び俺の目に視線を戻した。

 

「わたしも()()()、触っちゃうかも……」

「……〜〜ッ!!」

 

 言葉の意図を察して、自分でもわかるくらい顔が赤くなってしまい、思わず目を背けた。

 

 そんな俺を、カイはただただじぃっと見つめていた。

 

 結局、何も出来ずにされるがままになってしまった俺は、そのまま下の方に手を向かわせたショウに対して何もすることが出来ず──

 

 ──魚に餌をやらないとどうなるのか、俺は朝まで身体に教え込まれたのだった。




・シバリ
いつもの

・ショウ
今日食べるつもりで来てた
アルセウスにお願いしたことで、ずっと一緒にいれることが確約されている

ちなみに主犯

・カイ
餌を貰えなさすぎて割とあっさりショウの案に賛成した
つまりシバリが悪い
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