もしも、老デウスがオルステッドと戦っていたら   作:あえch

1 / 5
原作の日記編とは内容が異なります。



https://syosetu.org/?mode=write_novel_submit_view&nid=367765

詳しくは、こちらの一部24話からの日記編を読むことを強くお勧めいたしますが、辛い作品ですので、そこは理解して読んでいただけると幸いです。


ぶつかり合うのは、執念と執念

ロキシーが死んだ 俺の目の前で首を括って死んだ。

シルフィが死んだ 幸せそうに、微笑んだまま死んだ。

パウロが死んだ  拷問されて、爪を剥がされて死んだ。

ノルンが死んだ  毒に侵されて死んだ。

 

エリスが死んだ  俺の子供を宿して死んだ。

 

 

 

 

ララを殺した 気持ち悪かった。

 

 

 

 

 

自分が、気持ち悪かった。

 

 

 

 

俺が殺した。

 

 

俺が家族を殺した。

 

 

 

俺が、俺が………

 

 

 

「それは違うよ」

 

俺の耳が揺れた。

 

「君は悪くないさ」

 

白く光る者が居た。

 

「君の大切なものが無くなったのは、決して君のせいなんかじゃない」

 

俺じゃない?殺したのは俺じゃない?

 

じゃあ、誰だ。俺の全てを奪ったのは誰だ?

 

「アイツだよ、全部アイツのせい」

 

神が口を開く。

 

「君の全てを奪ったのはさ」

 

俺の友人は、俺を優しい目で見つめてくれる。

あぁ、やっぱり好きだ。俺はコイツのためなら何だって賭けられる。

俺には、もうコイツしか居ない。

 

「龍神オルステッド。君に殺される最強だよ」

 

世界で一番の友達。

彼の言葉と同時。刹那、俺の瞳に光が宿った。

 

 

もう、俺は今朝の朝食すら思い出すことが出来ない。

魔物を食ったか、その辺の草を食ったか。

カエルを食ったか虫を食ったか。

 

もう、それすら思い出せない。

 

でも、でもこれだけは思い出せる。

 

ロキシーの死体の冷たさ。

シルフィの最後の微笑み。

パウロの良かったという言葉。

ノルンのごめんなさいという謝罪。

 

そして、エリスの血で潤った砂漠。

 

これだけは忘れない。

そして、俺の決意は揺るがない。

 

『最強を殺す』

 

俺の全てをぶつける。

ヒトガミ、俺の友人のために。

 

 

俺の最後。

そう、それこそが、俺の人生最後の願い事だ。

 

 

─────────────────────────

 

 

千。いや、万に一つの勝ち筋。

言葉通り、一万回に一回の勝利。

彼は掴もうとする。ルーデウス・グレイラットは達成しようと踠く。

 

「俺が、最強だ」

 

この言葉と同時、我々は思い知ることになる。

 

人族最強VS世界最強。

 

交差する最強。

その結末を、私たちは目の当たりにすることとなる。

 

 

─────────────────────────

 

 

─オルステッド視点─

 

遠くで爆音がした。

何かが光って、地形が変わった。

 

「なんだ?」

 

遠い。とてつもなく遠い。

それなのに、爆風が俺の服を揺らした。

 

とてつもない威力。

それによって地形が変わる。

 

「誰かが神級魔術を使ったか」

 

俺は歩き出した、異変に向かって。

半分以上が壊された島、俺は移動する。

 

複数人による命を賭けた神級魔術、間違いなくそれほどの威力だった。

 

そう、そのはずだった。

 

「なんだ、貴様は」

 

崩れた地形には男が座っていた。

少し大きな岩に腰掛けている男がいた。

 

その男の髭は伸び切っていて、目は虚ろ。

白髪も多くあり、肌には少しシワがあった。

 

衰えている一人の男。

しかし、俺の疑問はそんなものではない。

もっと、もっと重大な異変。

 

「何故、一人しか居ない」

 

俺は男に問いた。

神級魔術は一人では使えない。

俺の疑問。パチパチと燃え続けるのは森林。もう、原型など残っていない白い灰。

 

地獄の業火に焼かれて。

白い灰が辺りを舞う。

俺は、そんな地獄の中で男を見つめる。

 

『たった一人』そんな孤独という名の地獄。

俺が知っている、誰にも頼れないという地獄。

 

いや、俺のことなどはどうでもいい。

大切なのは、何故、奴が一人なのかということ。

ただの疑問。

しかし、男は笑った。

 

「はは、ははは。やっと、やっと会えたな」

 

男は立ち上がり、ガラガラと剣を引きずった。

奴の手には二本の剣。

鳳雅龍剣と王竜剣カジャクトが握られていた。

 

「俺の問いに何故笑う?」

 

「はは、ははは!笑いが止まらねぇよ、止まらねぇからだよ!」

 

笑い続ける男。

奴は、言葉を続ける。

 

「一人、俺が一人なのがそんなにおかしいか?お前の言う異変ってやつか?ただ隕石を落としただけなのに、何がそんなにおかしいんだ?」

 

ケタケタと笑う男。

しかし、奴の目は光らない。

奴の目は、まるで笑っていない。

 

「なぁ、オルステッド。最高だよなぁ……ヒトガミってさ、本当にさ」

 

刹那、俺の瞳孔が開く。

 

「ヒトガミ、今貴様ヒトガミと言ったのか!?」

 

「あぁ、言ったよ」

 

「これほどの威力の魔術……なるほど、ヒトガミの使徒ならば納得出来る」

 

俺が放つ言葉。

刹那、奴がスンと冷静になる。

 

「使徒、使徒?何言ってんだ?俺とアイツは友達だよ」

 

「友達?何を言っている、奴は友人など作らん。人は道具。ただ利用するだけだ」

 

「うるせぇ、うるせぇよ。ヒトガミは俺の友人だっつってんだろ!」

 

激昂する男。

奴はガリガリと頭を掻きむしる。

遠目でも、ポロポロと白髪が落ちるのが分かった。

 

「あ?まぁ、いいか。殺しちまえばいいんだ。そうか、そうだ。家族の元に送ってやればいいんだ」

 

再度へへへと笑う男。

奴は顔を上げた。

俺に視線を向けるために、奴は瞳を光らせる。

 

「さぁ、始めようぜオルステッド。俺が、ルーデウス・グレイラットが、お前を殺してやる」

 

「……会話は成り立たんか」

 

光る神刀と汚れた魔導鎧。

オルステッドVSルーデウス。

 

世界最強と人族最強の一戦。

 

二人の男による多大な執念が、物語を動かし始める。




二話の投稿は『もしも、エリスがルーデウスと別れなかったら』の制作が完了してからになると思います。
良ければ気長に待っていただけると幸いです。

老デウスVSオルステッドについて。

  • 面白い
  • つまらない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。