もしも、老デウスがオルステッドと戦っていたら   作:あえch

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老デウスVSオルステッド
最強VS最強


老デウスVSオルステッド その1

「俺は、最強だ」

 

頭をガリガリと掻いて、白髪をポロポロと落とす。

 

「俺は最強なんだ。だから、オルステッド。最強は、お前じゃねぇ」

 

血生臭い魔導鎧。

それを着て、俺は小さく、小さく呟く。

 

「さぁ、始めようぜ」

 

俺の言葉と同時、襲い掛かるのは圧倒的な圧『龍聖闘気』

それを受けて、俺は笑う。

 

「俺がお前を超える物語……」

 

「……」

 

「ヒトガミに送る、最後にして最高の恩返しをな」

 

人族最強VS世界最強。

この称号と覚悟は、戦うには十分過ぎる理由と資格であった。

 

 

─────────────────────────

 

 

「死神、北神、剣神。七大列強が続々とやられていた」

 

俺に向かって、龍神が呟く。

 

「返り血に染まる血生臭い鎧……そうか、殺したのは貴様か」

 

「まぁ、全員殺したわけじゃねぇけどな。まぁ、合ってるよ。殺したのは俺だ。何か悪いか?」

 

「……いや、何もない。そうか。二つの国を潰し、七大列強下位を全て殺した者。まるでラプラス。イカれた所業だな」

 

言葉を交わす俺たち。

どうやら、全て見透かされているようだ。

 

(とはいえ、俺も分かってんだよ)

 

奴が水神流の構えを取る。

奴がさりげなく待ちの体制に入っているのを、俺は見逃さない。

 

「……」

 

「……」

 

構えだけで分かる。レイダ・リィアよりも百倍強い水神流。

闘気は練り上げられ、格上なことは容易に想像出来る。

 

強くなったからこそ、ヒトガミのおかげで辿り着けた神の領域。

ここが、こここそが、剣神が分からねぇといった最上級の領域。

 

でも、まぁ、思ったほどじゃない。

 

「オルステッド。まずは、挨拶しておくよ」

 

右手を向ける。

そこから魔力を込め、発射するのに要した時間は0.01秒。

 

ズガガガガガ!

 

刹那、オルステッドが目を見開いた。

水神流の構えを取っていたオルステッドが動き始める。

爆音と共に龍神に降り注ぐのは、恐ろしいほどの岩の雨。

 

ガン!

 

「……0.1秒に100、いや、150か」

 

ガン!ガン!

 

神級クラスの技。ストーンキャノン。

それが、雨よりも速い速度で襲いかかる。

 

「一発一発。その全てが神級の威力。なるほど。これだけで殺せるな」

 

ガン!ガン!ガン!

 

甲高い金属音。

同時、オルステッドが俺に放つ言葉。

絶望の、短い言葉。

 

「俺以外であれば、だがな」

 

刹那、オルステッドが前に動き出した。

ストーンキャノンを強引に捌き、俺へと歩みを進めてくる。

 

一歩、二歩、三歩。

 

ゆっくりと近付く歩みは、俺の岩を捌き切る爆音よりも恐ろしい。

 

ザッ。

 

止まる歩み。

近付いた距離は、この言葉が証明する。

 

「ルーデウス・グレイラット。貴様のストーンキャノンでは、俺は殺せんぞ」

 

神刀を握り締め、オルステッドが俺の眼前で歩みを止める。

先ほどの圧が、今度は俺の目の前で爆発する。

輝くのは神刀。距離は、数メートルにも満たぬ接近戦。

 

距離を詰められた俺。

目に映るのは、俺を睨み付けるオルステッドの姿。

睨まれる俺。闘気を、殺気をぶつけられる俺。

 

そんな圧を受けた俺が取る行動は、一つ。

 

「はっ。普通なら、ビビるんだろうな」

 

俺が握るのは、王竜剣カジャクト。

込めた想いは『復讐』

 

「でもな、悪いな、オルステッド。生憎、俺は……」

 

誰にも聞こえないほど小さな声。

向ける相手は『龍神』

 

「ぶっ壊れちまってんだよ」

 

さぁて、見えるぜ。お前の顔が。

この距離なら、しっかりとな。

 

神刀を振りかぶるオルステッド。

俺は、ストーンキャノンを撃っていた右腕を地面へと向ける。

オルステッドの足元へと、最速で。

 

「泥沼」

 

刹那、オルステッドが目を見開いた。

奴はその速度に驚き、一瞬身体に力が込もる。

しかし、奴もまた最強。

剣を振るために踏み込んだ右足を瞬時にずらし、俺の泥沼を避ける。

 

「恐ろしいほどの生成速度。なるほどな。土魔術、その一点であれば、俺すらも超えるか」

 

「……」

 

「だが、甘いな」

 

まるで落雷。

光を超えるような速度で、オルステッドが剣を振るう。

不発に終わった泥沼……いいや、違う。当たらなかったのは、決して不発などではない。

 

「これだけ崩して50通りか……まぁ、上出来だな」

 

ボヤける予見眼。

未来を見据える眼は、オルステッドの動きすらも補足する。

 

ガン!!!

 

鳴ったのは、甲高い金属音。

カジャクトと神刀が、光る銀線と共にぶつかり合う。

 

「……これを、防ぐか」

 

予見眼は、決して万能ではない。

速い動き、それこそオルステッドの動きならば、500は遥かに超えるボヤけた未来が見える。

しかし、泥沼を避けさせる。この動きだけで、この500は簡単に減らせる。

 

「防ぐ?笑わせんな。ストーンキャノン。そんなもん、挨拶代わりって言っただろうが」

 

「……俺に水神流を強制させ、光の太刀を撃たせぬための技というわけか」

 

「正解だよ。じゃあ、それが分かってんなら、これも分かってんだろうなぁ?」

 

ここからだ。

ストーンキャノンで牽制し、泥沼で動きを制限し、予見眼で補足して、予測と勘で受ける。

カジャクトの能力上昇で、お前と撃ち合う。

 

さぁて、始めようぜ。

俺の気持ちは、何も変わらねぇ。

 

「お前の目の前に居るのは、最強を殺す人間」

 

ぶつかり合うカジャクトと神刀。

映るのは、俺の白髪と殺気。

 

「たった一人の、ヒトガミの友人だってなぁ!」

 

ロキシー、シルフィ、パウロ、ノルン。

そして、エリス。

今、コイツの生首を送ってやる。

龍神の血で、宴をさせてやる。

 

「……確かに、貴様は強い」

 

最上級の俺の欲『龍神殺し』

しかし、それを以てしても、最強は強い。

 

「だが、それだけだ」

 

ヒトガミの恩返し。

命を賭けた俺は、奴を前に目を見開く。

 

「強いだけ。それでは、俺には勝てん」

 

神刀を握る接近戦。

無傷の男のボルテージが、上がろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

老デウスVSオルステッドについて。

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