18歳の秋、高等教育も終わりに差し掛かり同級生たちが大学進学に向けて勉学に励む中、放課後担任に呼び出され個人面談を受けるものが一人
「で?まだお前の希望進路の話、聞けてないんだが、そろそろ決まったか?」
もう何度か繰り返したこのやりとり、返す答えは決まって…
「すいません、まだどうしようか悩んでて」
いつもと変わらない答えに困った様子で笑みを浮かべる
「またそれか、はっきりしないなお前は、お前の成績なら大学なんて選び放題だぞ?何か興味あることとかないのか?ほら、やりたいこととか、何でも良いぞ、言ってみろって」
もう時期が時期だ。進学するにしても、就職するにしてもそろそろ答えを出さなければ間に合わないぞ。それをこいつはわかっているのか?そんな不安が胸をよぎる
「うーん、親にも相談してみたんですけど、好きにしろって言われちゃって、でも俺、特にやりたいこともないし、興味も…」
このままじゃズルズル平行線を辿るだけだと見切りをつけたのか
「じゃあ、わかった。とりあえず先生の意見を聞いてくれないか?」
もうこの話は今回で終わりにしよう、俺の伝えたいことだけ伝えるからそしたらもう行っていいぞ。と教師、ではあるが自分も人間だ、もう付き合ってられん。と匙を投げた。
「まず、俺は大学に進学すべきだと思う。お前ほど出来が良ければどこでもやっていけるとは思うがな、今やりたいことがないなら、とりあえず大学行っとけ。問題の先延ばしにしかならないが、大学でやりたいことも見つかるかもしれんぞ?」
どうだ?と期待薄にも問いかけてみる
「はぁ」
と気のない返事に、もうわかった、そう言って
「まぁお前さんならどこでもやっていけるだろう。好きにしなさい。」
そしてまた進路も決まらないままいつも通り家へと足を向けた。
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「好きにしろ、か」
自分だってわかってる。周りの同級生が大学進学に向けて勉強してるんだ、自分も素直に大学に行けば良いんだって。そしてまた違うこともわかっている。大学に行ったってやりたいことなんか見つからないってことは。
12歳のとき、自分の見える景色は周りのみんなとは変わってしまっていた。小さいころ、俺は身体があまり強くなく純粋に強さに憧れを抱いていた。そんな折に家の近くに、なんでもたいそう有名な道場があるらしいと父から聞き、連れて行ってくれと願った。その道場がどんなものか小さくてイマイチよくわかってなかったけど、そこに行けば強くなれる気がした。その日から俺の生活は学校の帰りには道場に行くようになった。相性も良かったのかメキメキ上達していき成長していくにつれて、何故か周りの同世代の子供たちに比べて丈夫で身体能力も高くなっていった。12歳になってしばらくたったある日、師範に呼び出された。
「お呼びでしょうか師範」
良くわからないまま言われるがまま来たものの、改まった態度の師範に戸惑っていた。
「おう、来たか!まぁ座れや。」
師範はなんでもハンターという資格を持っているらしく、それはかなりすごいことらしいことは当時の自分でもわかっていた。明るく気さくな人だけど、いつも何故か師範に近づくとピリピリとした雰囲気を感じたり、思ってることを当てられたりちょっと怖かった。
「失礼します。それでどんな御用でしょうか」
そんな師範から呼び出されたもんだから、不安やら緊張やらでちょっと俺はどうしてよいものかわからなかった。
「ははは、そんな緊張しなくて良いってての、気楽にしろって。お前さ今年でいくつになった?」
「12になりました。」
「そーか、そーか、」
何を言いたいのか、やたらもったいぶってるな。もう焦れていた、というか既に帰りたい気持ちになっていた。
「それで、なんでしょう?」
急かすなって、そう言って師範はニヤニヤして俺を見ていた。
「お前ももうこの道場来て長いだろ、同年代じゃあ敵なしだしな、年上相手にも十分戦える」
「まあそうですね」
「お前そろそろ次の段階に進みたいと思わないか」
それは魅力的な提案だった。近頃は同年代じゃ相手にならずもの足らなかったのだ。
「是非!俺もっと強くなりたいです。」
この頃はまだ道場に入りたての頃の強さへの憧れをが残っていた。だからこそもっともっと強くなりたい。そう思った。
「くくく、そーかそーか、強くなりたいか。まぁ俺もお前はならそう言うだろとは思っていたんだがな。素養もあるし鍛えごたえのありそうなやつだと思ってたんだ」
そう言って貰ってなんだか嬉しかった。
「いくつか守って貰うことが、あるが、まぁ大したことでもない。お前なら大丈夫だろう。今日から特別メニューだ、励めよ」
「押忍!」
そして特別メニューが始まり、俺は念能力に目覚めた。
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