ボーボボ転生   作:ヘビとマングース

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水族館編
5:水族館へ行こう!


「着いたぞ! 水族館だ!」

「早っ⁉」

 

 早速バッド水族館に移動した俺たちは、想像以上に大きい門を見上げていた。

 水族館って聞いてたから建物なのかと思ってたけど違う。

 どうやら遊園地みたいな大型のテーマパークだ。

 

 門の向こう側には広場があって、多くの客が訪れているのが見える。なんというか世紀末っぽい世界観には似合わないくらい平和な光景。

 一応マルハーゲ帝国が世界中でめちゃくちゃ幅を利かせてると思うんだけど、初期に登場した毛狩り隊とかも結構気が抜けてるから、あんまり殺伐した雰囲気にならないのかもしれない。

 

 門の周辺にはスキンヘッドで揃いのユニフォームを着た男たちが呼び込みをしている。

 この世界に来たばかりでも見覚えしかない。

 

「いらっしゃい、いらっしゃ~い! バッド水族館へようこそ~!」

「可愛くて楽しい水族館だよー!」

「毛狩り隊が客引きしてる~⁉」

 

 は、速い……!

 俺が状況を理解してからツッコむより先にビュティがツッコんでいた。

 流石は元祖ツッコミ役。反応速度が段違いで、簡潔かつ大胆、リアクションもいい。正直まだ自分がツッコミになったなんて思っちゃいないけど、彼女のことは尊敬せずにはいられない。

 

 予想通りボーボボと敵対している毛狩り隊の隊員たちだ。

 彼らは特に武器などは持っていないが多分素手で戦えるはず。

 俺たちの間で全員じゃないが緊張が走る。

 

「おっしゃる通り我々は毛狩り隊だ」

「チケットはお持ちですか?」

「普通に接客始めちゃった⁉」

 

「チケットなんて持っていない」

「あっ、お前はボーボボ! ボボボーボ・ボーボボだな!」

「よくもまあ正面からのこのこと現れられたもんだ!」

 

 毛狩り隊員たちはボーボボを見るとすぐに目の色を変えた。

 そりゃあそうだろう。ボーボボを倒すように言われてるはずだから見逃すわけがない。

 

「違います。俺の名はボボボーボボ・ボーボボボ。ボーボボじゃありません」

「なんだ、違うのか」

「そんな格好して紛らわしいよ君ィ。せめて黄色いアフロはやめてほしいな」

「はい! すいまっせん!」

「ええっ⁉ そうはならないだろ! 気付きなよ!」

 

 は、速くて俺がツッコむ隙がない……。

 いや俺がツッコむと攻撃になってしまうからむしろいいんだけど。戦闘できないはずのビュティの背中が今だけは大きく見えた。

 

「チケットがないならあそこの窓口で買ってね」

「会員になってくれると割引もあるからね」

「ありがとうございます。行ってきます、と見せかけてどりゃああああああっ‼

「「ぎゃあああああああああっ⁉」」

「わあああああっ⁉ 何やってんの⁉」

 

 ボーボボが突然鼻毛で隊員たちをしばき倒した。

 俺も驚いたがビュティ先輩も開いた口が塞がらなかったようだ……。

 

「毛狩り隊の連中に払う金なんて一銭もありはしねぇ! このまま突っ込んでぶっ潰してやる!」

「ボーボボ……」

 

「大人4枚とところてん1枚」

「あれぇ⁉ 買ってる⁉」

 

「あとよくわからない変なやつが1匹いるんですが」

「わ~い水族館だぁ! 僕ねぇ、ラーメンの修行するんだー!」

「あーあれね。ところてんと一緒にペット料金でいいですよ」

 

 どんどん話が進んでいってしまう……。息つく暇もないな。

 このペースについていって的確にツッコめるビュティ、すごいな。いやヘッポコ丸もツッコめるから十分すぎるくらいすごいんだけど。やっぱりレベルの差を感じる。

 

 そもそも息をするようにハジケ続けるボーボボたちがとてつもない。

 アニメがPTAや親に嫌われたのも納得するほど常時クレイジーだ。

 

「チケットを買ったぞ! 転がり入れ!」

「転がり⁉」

 

 ううむ、ツッコミをビュティに任せきりになっている……!

 いや、取って代わろうなんて思ってないし、俺だと攻撃になるからこれが普通なんだけど。

 ここまでツッコミ続けてる姿を見ると心配になってくるな。

 

「オラオラオラァ~! 行けェ~!」

「ほんとに転がり入ってった⁉」

「「「ぐばぁ⁉」」」

 

 あ、久々にツッコんだら当たってしまった。

 やっぱり基本黙ってた方がいいな……。

 

 

 

 

 中に入るとあまりの広さに驚いた。

 下手な遊園地より全然広そうだ。色んなサイズの建物があちこちにあって、色んな種類の水族館がたくさんある感じらしい。

 

 広場には大きなモニュメントがあり、かなり豪華。

 ハレルヤランドの実物もこんな感じだったのかなぁ。どうせならそっちも見てみたかった。

 

「わ~すごい! 川があるよ!」

「本当だ。あちこちに、しかも透明な足場で落ちないようになってるのか」

 

 ビュティとヘッポコ丸はシンプルに楽しそうだ。

 二人が言う通り、通路みたいに川が作られているみたいで、落ちないように透明のガラスか何かがはめ込まれ、真上に立って見ることができるようになっていた。

 他にも遠目で見ただけで池とか、ふれあい水槽とか、でかめの湖っぽいものまである。

 

「あ、魚だ! 可愛い~」

「結構色んなサイズがいるな」

 

 あの二人を見てると普通にデートしてるみたいに見えるんだけどな。

 ちょっと視線を動かすと……。

 

「シャーっ! 結果出すぞ~!」

「今日は海鮮丼じゃ~!」

「餌は撒きすぎても意味ないよー。ちゃんとポイント決めて」

「釣ろうとするなよ⁉」

「「「ぎゃあっ⁉」」」

 

 ボーボボ・首領パッチ・天の助の三人が、ちょっと目を離した隙に釣り人みたいになっている。

 正直じっと見つめてたって一回瞬きするだけで全く違う光景になっていたりするのだ。さっきまでなかったはずの物を持ってたり、服を着替えてたり、そもそも顔が違ったり……。

 ギャグ漫画時空、恐るべし。本当に一瞬も気を抜けない。

 

「遊んでる場合じゃないぞお前たち!」

「いや一番遊んでるのは……」

「ここは毛狩り隊の基地なんだ! 警戒しないと奴らの思惑通りになってしまう!」

 

 突然ボーボボが気迫を感じる顔で言い出した。さっきまで自分がはしゃいでたのに。

 

「その前にこっちから攻め込んでやるんだ! あれを見ろ!」

 

 そう言ってボーボボが小さな建物を指差した。

 見てみると看板には「金魚館」って書いてある。

 

「一番面白そうなところに強い奴がいるはずだ……!」

「なにその考察⁉ しかもアレ⁉ 言っちゃ悪いけどもっと面白そうなところいっぱいあるよ!」

「ごほっ⁉ ぐふっ⁉ ぐばぁ⁉」

 

 思わずツッコんでしまったけど黙っていられなかった……。

 金魚館。多分、色んな種類の金魚が飼育されていて、この感じを見るときっとわくわくするような内容になってるのかもしれないけど、正直水族館で最初に見るところなのかって言われると。

 いや金魚に罪はない。でも水族館といえばイルカショーとかそういうのじゃないか?

 

「敵は金魚館にあり~‼」

「攻め落とせ~!」

「金魚がなんぼのもんじゃーい!」

「あっ! 勝手に!」

 

 ボーボボたちはハイテンションで金魚館に入っていってしまった。

 ただ毛狩り隊がこの水族館自体を支配してそうなのは確かで、外見はあれでも、実は中には強敵が待っているのかもしれない。

 

 ツッコミトリガーとやらで俺も一応戦えるみたいだ。でも俺はケンカさえしたことがなく、戦闘に関する自信はない。

 怖いかって言われると今のところそんなこともないんだがそれ以上に、俺が戦闘に加わってしまうと味方、つまりボーボボたちばっかり攻撃してしまう恐れがある。

 

 色んな敵が出てくるこの『ボボボーボ・ボーボボ』の世界だが、実は敵はシリアスが多い。

 ハジケてるのは主に味方サイドなので、俺の存在は味方特攻とも言っていいのだ。

 

 ひとまず邪魔しないように俺はついていかなかった。

 近くにはビュティとヘッポコ丸もいるし、一旦様子を見よう。

 俺のツッコミであまりダメージがなさそうとはいえこれまでほぼ確定で当たってるからな。

 

「津山さん、慣れてきたね」

「あぁ、うん……それがいいのか悪いのか」

「だ、大丈夫だよ、きっと」

 

 ビュティは俺を仲間と認めてくれているみたいで笑顔で言ってくる。

 一方でヘッポコ丸は俺の微妙な心境をわかってくれているのか、気まずそうに励ましてくれた。

 この二人とだけ一緒にいる時は落ち着くんだけどな。

 

「「「ぐわぁああああああああっ⁉」」」

「きゃあああああああっ⁉」

「ええええっ⁉ 何事⁉」

「敵襲か! 中に誰かいたんだ!」

 

 のんきに喋ってたら金魚館から大量の水が出てきてボーボボたちが流れてきた!

 ヘッポコ丸が言う通り、見てなかったけど中で何かがあったのかもしれない!

 ただ……何もなかった可能性もなくはないけど!

 

「ちくしょう! あのヤロー!」

「舐めてくれるぜ!」

「負けられねぇなァ!」

 

「あ、ボーボボ!」

「また行った! 俺たちも行こう!」

 

 あんまりいい予感はしないけど、俺たちも今回は金魚館へ入る。

 飛び込んでみるとそこには大きな水槽がいくつも並んでいて、ありとあらゆる金魚がいた。

 

 ボーボボたちは水槽の中にいた。

 金魚の格好をして。

 餌を前にパクパクしている。

 

わけわから~ん⁉

 

 ビュティがツッコんでくれた。あーよかった。

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