ホグワーツ魔法魔術学校特別体育教師“伏黒甚爾”   作:物体Zさん

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第十九話

 

 

 

 

 伏黒甚爾を追い、4人は闇の穴の中へと落ちた。

 

 姿形はそれぞれ異なる――ダンブルドアの姿をしたハリー、マクゴナガルの姿をしたハーマイオニー、フィルチの姿をしたネビル、そして本物のギルデロイ・ロックハート。

 

 暗い竪穴を滑り落ちる感覚は長く続いた。湿った風が頬を打ち、下へ進むにつれ冷たさが骨に染みるようになっていく。

 

 ドンッ。

 

 3人は地面に滑らかに着地した。訓練を積んだ身体の反応が、教師の姿であっても揺るがない。

 

 「っ……ふぅ……」

 ハーマイオニーが呼吸を整える。

 

 対して――

 

 「うわあああああっっ!!!」

 

 2番目に落ちていたロックハートは見事な尻餅をつき、情けない悲鳴を上げていた。

 

 「お、おおっ……御三方……すごいですねぇ!!!」

 

 尻をさすりながら立ち上がったロックハートの声は、変わらず場違いに明るい。

 

 「これは……骨?」

 

 ロックハートの声を無視し、ハーマイオニーが足元に視線を落とした。

 

 4人の立っている場所は、まるで地下のカタコンベのようだった。湿った空気とドブ臭い臭いが漂い、床一面に無数の小さな骨が散乱している。

 

 「……ネズミ、鳥……小動物の骨ばかりだな」

 ダンブルドアの姿のハリーが膝をつき、骨を手に取って検分する。

 

 「人間の骨は……ないね」

 

 ダンブルドアの顔でそんなことを言われると、妙に説得力があった。

 

 「先へ進みましょう」

 

 ハーマイオニーが短く言い、4人は無言で歩き出す。

 

 暗い下水道は蛇が這ったような痕跡があちこちに残っていた。地面の湿り気、壁を削るように続く跡、何十年も前から何かがここを通っていたことを物語っている。

 

 先へ進むにつれ、空間は次第に広くなり、鍾乳洞のような広間へと出た。

 

 「……うわ……」

 ハーマイオニーが息を呑む。

 

 そこには――巨大な蛇の抜け殻が横たわっていた。

 

 緑がかった鱗が鈍く光り、何十メートルもあるその巨体は、まさに“バジリスク”そのものの存在感だった。

 

 「やっぱり……バジリスクだったんだ」

 フィルチの姿のネビルがしゃがみ込み、抜け殻に触れた。手のひらから伝わるのは、冷たく乾いた感触。

 

 「すごい大きさね……こんなのが学校の中を這い回ってたなんて」

 マクゴナガル姿のハーマイオニーが眉を寄せる。

 

 「フシグロ先生……これと戦ってたのか」

 ハリーの声が静かに響く。

 

 その時だった。

 

 「ハハハッ!!!」

 

 静まり返った空間に、あまりにも場違いな笑い声が響いた。

 

 3人が一斉に振り向くと、そこには杖を掲げたギルデロイ・ロックハートが立っていた。

 

 「皆さん!!ここまでです!!!」

 

 「……は?」

 3人の声が完全に重なった。

 

 「な、なに言ってんのギルデロイ先生」

 ハーマイオニーが冷たい声で言う。

 

 「わかりませんか!?この状況は……まさに私が主役の舞台ですよ!!この地下の秘密、恐るべき怪物、震える生徒たち……ここで私が“勇敢に単独行動”して“化け物を退治”したことにすれば……!!!」

 

 ロックハートが白い歯をキラーンと光らせた。

 

 「……え、まさか」

 ネビルが顔を引きつらせる。

 

 「みなさんの記憶は……私が少し“調整”させていただきます!!!」

 

 ロックハートが杖を振り上げた。

 

 「記憶を……」

 ハーマイオニーが目を見開く。

 

 「そう、記憶を消してしまえばいいんですよ!! “ギルデロイ・ロックハート、単身で秘密の部屋に乗り込み、恐ろしい怪物を退治!英雄として世界に讃えられる”!!ああっ、美しい筋書きだと思いませんかぁ!?」

 

 「おい……マジで言ってんのか」

 ネビルが拳を握った。

 

 「先生、やめて」

 ハリーが一歩前に出る。

 

 「おお……ダンブルドア先生、そんな目で見ないでくださいな……さぁ、動かないでくださいね〜……!」

 

 杖先から淡い光が走る。

 

 ロックハートは本気だった。

 

 ここに来て――最大の敵は、怪物でも継承者でもなく――まさかの“ギルデロイ・ロックハート”だった。

 

 「オブリ――」

 

 ギルデロイ・ロックハートの杖先が淡く光り始めた。

 

 ――その瞬間、3人は迷いなく動いた。

 

 「おい、ふざけんなっ!!」

 

 フィルチの姿のネビルが、地面に散らばる骨の間から手頃な大きさの石を掴み取る。

 

 ギルデロイの呪文が完成する前に、ネビルの肩がしなり、勢いよく石が投げ放たれた。

 

 「なっ――!?」

 

 鈍い音と共に、石がロックハートの額にクリーンヒットする。

 

 「グボォッ!」

 

 変な声を上げてよろめくロックハート。

 

 その直後、マクゴナガルの姿のハーマイオニーが俊敏に杖を抜いた。

 

 「プロテゴ!」

 

 光の膜が弾けるように前方に展開され、ロックハートが中途半端に発動しかけた呪文を遮断するようにぶつかる。

 

 「ぐえっ……!!」

 

 ロックハートが一歩、二歩と後ずさる。

 

 「エクスペリアームス!」

 

 続いてダンブルドアの姿のハリーが杖を抜き放ち、杖先から赤い閃光が飛ぶ。

 

 「ギャブ〜!」

 

 情けない叫び声を上げ、ロックハートの手から杖が吹き飛んだ。杖は回転しながら石畳を転がり、カランと虚しい音を立てて止まる。

 

 「先生……俺たちを裏切る気だったのか」

 ネビルが吐き捨てるように言った。

 

 「う、裏切るなんて人聞きの悪い!私はただ……少し記憶を“整理”して差し上げようと……」

 ロックハートは額を押さえながら後ずさった。

 

 「英雄になりたいからでしょ」

 ハーマイオニーの声は鋭かった。

 

 「ち、違いますよ!?私ほどの英雄には、それだけの責任があるんです!つまりこれは……演出ですっ!!!」

 

 「……演出で人の記憶を消す気かよ」

 ネビルが歩み寄る。

 

 フィルチの姿のままでも、ネビルの筋肉の圧は隠せなかった。ぐっとロックハートを睨みつけるその様子は、まるで獲物を狩る猛獣のようだ。

 

 「さすがに黙って見てられないな」

 ハリーが冷たい声で言った。

 

 「う、うわぁぁっ!?ちょっと落ち着きなさいみんな!私は悪くない!私はただ……っ」

 

 「ただ何?」

 

 ハーマイオニーが一歩踏み込むと、ロックハートの背中が洞窟の壁にぶつかった。

 

 その拍子に、天井の一部から鍾乳石の破片がボトリと落ちる。洞窟の空気は湿って重く、張り詰めた緊張が空気をさらに冷たくしていた。

 

 「……っ、わかったよ……」

 ロックハートが両手を上げた。

 

 「わかったよ、みんな冷静になろうじゃないか。こんな所で争ってどうするんだ。私たちは仲間だろう?教師陣(仮)の協力プレイじゃないか!」

 

 「協力プレイって言い方やめてくれないかな」

 ハーマイオニーの声がひどく冷たい。

 

 「ていうか先生、今“教師陣(仮)”って言いました?」

 ハリーが眉をひそめる。

 

 「気のせい!気のせいですとも!!!」

 

 ロックハートはわざとらしく大きな笑顔を浮かべたが、額に青あざがくっきりと浮かび上がっていた。

 

 「……こいつ置いていく?」

 ネビルがぼそっと呟く。

 

 「それは……ダメよ。戦力にはならないかもしれないけど、置いてったら後で面倒になる可能性がある」

 ハーマイオニーが現実的に判断する。

 

 「そうだよな……そういうとこ賢いんだよな」

 ネビルが渋々と言った。

 

 「えぇ〜!?!? そんな顔しないでくださいよぉ!? 私、ちゃんとみんなの後ろをついていきますから!」

 

 「むしろお前が一番危険なんだよ」

 ハリーがぼそっと呟く。

 

 ロックハートはその言葉の意味を理解していないのか、乾いた笑いを浮かべるだけだった。

 

 「よし、先を急ごう」

 ハーマイオニーが小さく息を吐き、再び洞窟の奥へと歩き出す。

 

 その背中を追い、ネビルとハリーも進んでいった。

 

 「お、おいてかないでくださいよぉ〜!!!」

 

 ロックハートが慌てて転びそうになりながらついてくる。

 

 4人の足音が洞窟にこだまし、静寂の中に消えていった。

 

 ――しかし、この奥で彼らを待ち受けているのは、継承者とバジリスクだけではない。

 

 穴の先に潜んでいるのは、伏黒甚爾。

 

 今や“ロン・ウィーズリー”の意識を完全に押し込めた、純粋な“兵器”と化した怪物であることを、3人はまだ知らなかった。

 

 4人は暗い洞窟をさらに進んでいった。湿った鍾乳石の群れは次第に減り、壁も床も、まるで何者かの手によって整えられたような、滑らかな石造りの通路へと変わっていく。

 

 空気の匂いも変わった。ドブのような湿気と腐臭に混じって、古びた石の匂いが濃くなっていく。長い年月を経た遺跡のような空間――“秘密の部屋”の中枢に、確実に近づいている証だった。

 

 「……ねぇ、音がする」

 

 マクゴナガル姿のハーマイオニーが足を止め、耳を澄ませた。遠くのほうから、何かが破壊されるような重い音と、何かがぶつかり合うような衝撃音が断続的に響いてくる。

 

 「戦ってる……?」

 

 ダンブルドア姿のハリーが小さく呟いた。

 

 通路を進んでいくと、やがて突き当たりに辿り着く。

 

 そこには――本来なら頑丈な扉があったであろう場所が、大きく抉られるように吹き飛ばされていた。

 

 「うわ……」

 フィルチ姿のネビルが目を見開く。

 

 石壁は粉々に砕け、破片が辺り一面に散らばっている。扉そのものは跡形もない。横には蛇の意匠が彫られた巨大な丸扉が残っていたが、中心部は歪み、破壊の衝撃によって半ば陥没している。

 

 「ロ……フシグロ先生が無理やり突破したみたいだな」

 

 ネビルが声を低くして言う。

 

 「多分……これ、本来はパーセルタングで開く仕組みだよ」

 ハーマイオニーが蛇の意匠を見上げながら言った。

 

 「でもパワーで……こじ開けた」

 ハリーの声が震えていた。

 

 「すげぇ……」

 ネビルがぽつりと呟く。

 

 「いやいやいやいや!!普通の人間はこんなの開けられないですよ!?!?」

 

 ギルデロイ・ロックハートが青ざめた顔で叫ぶ。だが、誰もツッコミを返さなかった。

 

 なぜなら――この先にいる“誰か”の存在を全員が感じ取っていたからだ。

 

 4人は慎重に崩れた扉の跡を越え、中へと足を踏み入れた。

 

 そこは巨大な空間だった。両側の壁には蛇を模した石像が幾重にも並び、その数は数十体に及ぶ。空気は異様に冷たく、通路よりもさらに重たい瘴気が漂っていた。

 

 足元に響く靴音が、やけに大きく反響する。

 

 「……ここが……秘密の部屋……」

 ハーマイオニーが喉を震わせながら言った。

 

 「おい、前っ……!!!」

 ネビルの叫びに、3人は一斉に顔を上げる。

 

 ――見えた。

 

 通路の先、巨大な石像群の中心で、二つの影がぶつかり合っていた。

 

 「戦ってる……!!!」

 

 ネビルの声が震える。

 

 そこにいたのは、ジニー・ウィーズリーの魂を糧とし実体化した若き日のトム・リドル。そして――ロン・ウィーズリーの身体を乗っ取った伏黒甚爾。

 

 リドルは杖を掲げ、呪文を連打している。杖先から放たれる光の矢は速く、鋭く、蛇のように絡みつくような軌道を描きながら伏黒甚爾へと襲いかかる。

 

 対して伏黒甚爾は、まるで“その速度を視認できている”かのように一歩一歩を確実に踏み込み、時にかわし、時に拳で叩き落とした。

 

 「ありえない……」

 ハリーが呟く。

 

 「魔法を……素手で……!!?」

 ハーマイオニーの声が裏返った。

 

 伏黒甚爾の拳が、飛来する呪文の光弾を叩き割った。弾けた魔力が火花のように飛び散る。ロックハートが小さく悲鳴を上げてしゃがみこむ。

 

 「やっぱり……フシグロ先生、完全に……ロンは……」

 ネビルの手が強く握られる。

 

 「……たぶん、今、先生の中に閉じ込められてる」

 ハーマイオニーの声が低く響いた。

 

 伏黒甚爾は、リドルの呪文の雨を軽やかに踏み抜いて突っ込むと、石床をえぐるような踏み込みから一気に距離を詰めた。

 

 「なっ――!?」

 

 リドルの表情に、初めて驚愕が走る。

 

 その瞬間、伏黒甚爾の拳がリドルの防御の直前で止まり――その拳圧だけで、リドルの身体が後方に吹き飛んだ。

 

 「グ……ッ!!!」

 

 リドルの身体が石像の一体に激突し、砂埃が舞い上がる。

 

 「フシグロ先生……」

 ハリーが小さく呟いた。

 

 「俺たちも行かなきゃ」

 ネビルが一歩踏み出した。

 

 「……うん!」

 ハーマイオニーが頷く。

 

 ロックハートは青ざめたまま、呆然と戦いの光景を見ていた。

 

 目の前の光景は“物語”ではなかった。本物の怪物と、化け物じみた人間の戦いが始まっている――そう、全員が理解した瞬間だった。

 

 

 

 

 時は少し遡る。

 

 ロン・ウィーズリーの身体を乗っ取った伏黒甚爾――いや、もはやそこにロンの面影はなかった。

 

 姿形、声、纏う空気、立ち姿……そのすべてが完全に伏黒甚爾その人だった。制服姿だが。

 

 足音一つ立てず、洗面台の縦穴へと飛び込むと、地上から何十メートルもある深さを落下しながらも、一切の衝撃なく音もなく着地した。その姿は人間というより、闇に溶ける獣のようだ。

 

 無言のまま、一歩、また一歩と踏み出すたび、周囲の空気が軋んだ。

 

 暗く湿った下水の道を進み、たどり着いたのは巨大な蛇の意匠が刻まれた丸扉――スリザリンの継承者しか開けられない、秘密の部屋の正門。

 

 「……フン」

 

 伏黒甚爾は軽く息を吐き、両手でその扉の縁を掴んだ。

 

 石の継ぎ目が悲鳴を上げ、厚さ数十センチの扉がきしみを上げながら壁ごと浮き上がる。

 

 次の瞬間――

 

 バキィィィィッ!!

 

 丸扉は音を立てて壁から引き剥がされ、地面に叩きつけられた。蛇の装飾が砕け、床に激しく転がる。

 

 「鍵が必要とか……面倒くせぇ」

 

 その声は低く、冷たく、伏黒甚爾そのものだった。

 

 そのまま音もなく、扉の向こうへと足を進める。

 

 奥に広がるのはサラザール・スリザリンが遺した“秘密の部屋”。

 

 湿った空気、壁際に並ぶ蛇の石像群、どこまでも冷たい静寂。天井は高く、最奥の壁にはサラザール・スリザリンの巨大な顔像が彫られている。

 

 その中央に――ジニー・ウィーズリーが横たわっていた。

 

 伏黒甚爾はまるで獲物を狙う獣のように、無音でその傍に歩み寄る。

 

 「……ジニー」

 

 掠れるような声が空気を震わせた。それはかつてのロンの意識の名残か、伏黒甚爾自身の声か、もはや誰にも分からない。

 

 「まさか……なぜ此処に……!?」

 

 低く響く声が石の広間を満たした。

 

 顔像の影から一人の少年が現れる。

 

 整った顔立ち、冷たい瞳。――若き日のトム・マールヴォロ・リドル。

 

 黒いローブを揺らしながら、ジニーの倒れる姿に一瞥をくれたのち、リドルは伏黒甚爾を見据えた。

 

 「……ん……?君は伏黒甚爾?いや違うな」

 

 リドルの声には一切の迷いがなかった。

 

 「気づくのが早ぇな」

 

 伏黒甚爾は肩を軽く回し、首を鳴らした。その所作一つで、全身から重い圧が放たれる。

 

 「……この魔力の空っぽな感覚……なのにこの圧倒的な“力”……」

 

 リドルが目を細めた。

 

 「“伏黒甚爾”」

 

 「そうだよ。ガキの身体は勝手に乗っ取らせてもらった」

 

 リドルの口元にゆっくりと笑みが浮かぶ。

 

 「厄介な男だ。まさかこんな形でまた出会うとはね」

 

 「お前の顔を見た瞬間にムカついた。やるぞ」

 

 短く吐き捨てると、伏黒甚爾は地を踏み抜いた。

 

 バギィィンッ!!

 

 石床が砕け、空気が爆ぜる。

 

 「はや……ッ!?」

 

 リドルが反応するよりも早く、伏黒甚爾は目の前にいた。拳が一直線に走る。リドルはとっさに影の魔力で防御を張ったが――

 

 ドゴォォォォッ!!!

 

 拳圧が石像を砕き、リドルの身体が吹き飛ぶ。

 

 「ぐっ……ぅ……!」

 

 リドルは空中で体勢を立て直し、杖を抜いて構える。

 

 「……なるほど、これが“天与呪縛”か」

 

 「魔法の力じゃねぇ、俺の身体が強いだけだ」

 

 伏黒甚爾は口角を吊り上げた。完全に“いつもの彼”の顔だった。

 

 リドルの杖先から暗い閃光が幾筋も迸る。蛇のように絡みつく呪文が、地面をえぐる勢いで襲いかかる。

 

 だが――伏黒甚爾はそれを視た。聴いた。嗅いだ。

 

 回避ではない。叩き落とす。

 

 ドパッ、ドシュッ!!

 

 拳と掌が閃光を打ち払い、砕け散った魔力が光の粒となって飛び散る。

 

 リドルの目が一瞬揺らいだ。

 

 「化け物め……」

 

 「ハッそれはお前もだろ」

 

 再び伏黒甚爾が踏み込む。石床が割れ、風圧が蛇像を倒す。

 

 「面白い……!」

 

 リドルの顔に狂気が浮かぶ。

 

 「君を殺して、その身体を研究したいものだ」

 

 「やれるもんならやってみろ」

 

 拳と杖がぶつかり合い、衝撃波が広間全体を揺らした。

 

 サラザール・スリザリンの像が震え、天井の石がパラパラと落ちる。

 

 そして――この戦いの音が、数分後に穴を通って上層の4人へ届くことになる。

 

 秘密の部屋の主と、天与の暴君。

 

 闇と闇が交わる音が、地下深くで響き渡っていた。




甚爾(ロン)の強さを際立たせるためにトムには原作、映画よりも少し強くなってもらいました。
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