インフェクター   作:あーさんです。

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二話目です


依頼その2.体力づくり

知里戸『……んんっ…?』

 

 

蜂起に担がれていた知里戸が目を覚ます。目の前には事務所があった。しかしそれはお世辞にも綺麗とは言えないくらいにはボロボロな建物がそこにはあった。

 

 

蜂起『お、目が覚めたか。丁度着く所だぞ』

 

 

掃毒『ありがとうございます……』

 

 

蜂起『お礼なんて要らないって。さ、ここが事務所だよ!』

 

入り口の近くにはボロボロな看板が立っていた。そこには【DRA傘下、清掃屋庄司】と書かれている。かなり立派?な感じの会社らしい。知里戸は蜂起から降り、事務所へ入ってみる。

 

 

蜂起『さ、入って入って!』

 

 

知里戸『失礼しま~す…』

 

 

???『お、お客さんかな?いらっしゃい!』

 

 

そこには自分と同じくらいの若い青年が機械の整備をしていた。また、中は意外と綺麗で机とソファー、そして付かないテレビと壊れたラジオ、そしてずっと12時を指し示す時計が置いてあるだけだった。

 

 

蜂起『自己紹介が遅れたね、アタシは蜂起 風子(ほうき ふうこ)掃毒と同じ感染者さ。そしてコイツは…』

 

 

???『風琴 富貴雄(ふうきん ふきお)ッス!この人は…新入りッスか?よろしくお願いしますッス!』

 

 

知里戸『よろしくお願いします…』

 

 

彼は風琴 富貴雄、清掃屋のエンジニア担当だ。挨拶を終えた知里戸は近くにあった椅子に腰かける。

 

 

掃毒『いきなりなんだが今から業務について説明する』

 

 

知里戸『よろしくお願いします…』

 

 

掃毒『まずここは清掃屋だ。家の清掃だとかビルの清掃をする。だが、それは表向きの話だ。裏じゃ清掃屋は隠語となってる…』

 

 

知里戸『まぁ、こんな世の中じゃそうでしょうね』

 

 

掃毒は大きく頷き、考える素振りをした後、また話を続ける掃毒。その顔は少し真面目で真剣そうだった。

 

 

掃毒『そこでだ。りっちゃんには表の方のオーナーを任せたい…とは言っても全く来ないが…テキトーに接客しといてくれ』

 

 

知里戸『え?…私がですか?…』

 

 

蜂起『生憎人手不足なんだ。許してやってくれ…』

 

 

風琴『そこはどうにもならないッスからね…』

 

 

ハハ…と苦笑いしながらも仕事を引き受ける覚悟を決める知里戸。とはいっても表の方の依頼は中々来ないだろう…何故ならここは地球全てが汚れているのだから…

 

 

掃毒『じゃ、裏の事務所に案内してやる。着いてきな…』

 

 

知里戸『裏の事務所って…?』

 

 

急に掃毒が立ち上がったと思ったら、動かなくなった時計へと向かい、時計の長針を弄り始めた。知里戸はもしや……?と思ったが案の定その通りだった。

 

 

掃毒『ふっきー、りっちゃんの生体認証追加しておいてくれ』

 

 

風琴『了解ッス!』

 

 

蜂起『ここが、裏の事務所、清掃屋庄司だよ』

 

 

知里戸『わぁ……』

 

 

中はボロボロだった建物とは一変してハイテクな施設が沢山ある。ちゃんと付く大型モニター、時代遅れのラジオは無く、デジタル時計が今の時間を表示している。そして清掃屋メンバーが皆椅子に座ると掃毒がとても真面目な顔で話を進める。

 

 

掃毒『それじゃあ、新編成になって初めてのミーティングを、始める』

 

 

知、蜂、風『よろしくお願いします』

 

 

掃毒『今回の依頼は不良集団の撃退だ、本拠地はここからさほど遠くはない。ただし気を付けないといけない事がが一つだけある』

 

 

蜂起『というと?普通の不良退治とは違うわけ?』

 

 

蜂起の率直な疑問を聞いた面々は確かにと思ったのか掃毒を見つめる中、掃毒は淡々と話を進める。

 

 

掃毒『…組織の名前はシーサイド・スクワッド、メンバーのほとんどが海関係の感染者ってことだ…』

 

 

蜂起『そりゃまた特殊な組織ね…』

 

 

風琴『何が来るかわからないってことッスね…』

 

 

掃毒『決行は二週間後だ。それまでにりっちゃんを徹底的に鍛え上げる。それなり覚悟しといた方が良い』

 

 

知里戸『え、えぇ!?!?』

 

 

掃毒『基礎体力担当が俺、戦闘担当を二人に頼みたい、それで良いか?』

 

 

蜂、風『了解!』

 

 

そこから地獄のトレーニングが始まったのである。

 

 

掃毒『まずりっちゃんにはこのサンドバッグをひたすら打ち込んで貰う。軽くパンチしてみてくれ』 

 

 

知里戸『…はい』

 

 

知里戸は軽くパンチする…が、痛いすごく痛い、中に石でも入ってるのかと言うくらい痛かった。

 

 

知里戸『い゛っ゛っ』

 

 

掃毒『二週間後までにこのサンドバッグをボロボロにしてくれよ…じゃ、筋トレしてくるわ』

 

 

掃毒は近くにあった同じサンドバッグでトレーニングを始める。一発一発が重く、ドォンッ!と言う音が響く。知里戸はこれを真似るように打ち込み続ける。

 

 

知里戸『こんな感じかな……ッ!』

 

 

二時間くらい必死に打ち込み、戦闘訓練の時間になり、少し休憩していると、二人が知里戸の所へと向かう。

 

 

蜂起『知里戸~時間だぞ~?』

 

 

風琴『知里戸さん始めるッスよ!』

 

 

知里戸『はーい……』

 

 

三人は外に出てどうやって訓練をしようか話し合う、何も知らない知里戸にはハンデを着けてやった方が良いのか、何もハンデ無しでやるべきか話し合ったところ、結果は…

 

 

風琴『じゃあ、能力の使用は禁止って事で、始めるッスよ!』

 

 

蜂起『掛かってきな!!』

 

 

知里戸『いやいやいや!二人同時ですか!』

 

 

困惑する知里戸に対して風琴が話を進める。どうやらバトルロワイアル形式なようだ。一通りの話が終わった上で、再び幕開けする。

 

 

風琴『じゃあ、改めて…やるッスよ!掛かってこいッス!』

 

 

蜂起『掛かってきなァ!!!』

 

 

知里戸『は、はい!』

 

 

手始めに風琴の方に走り抜け、仕掛ける知里戸。しかしそれを風琴はゼロ距離なのに軽々と避ける。エンジニア担当とは言えど相当な実力者なようだ。

 

 

風琴『よっ!はっ!とっ!まだまだッスよ!』

 

 

知里戸『えっ?…えっ?なんで……ぐっっ!』

 

 

風琴にカウンターを決められて吹き飛ばされてしまう。次は無謀にも蜂起の方に向かうが、やはり返り討ちに逢う。

 

 

蜂起『遅いッ!』

 

 

知里戸『ぐえぇ!い゛って゛ぇ゛ぇ!』

 

 

対応出来ずにそのまま吹き飛ばされてしまい、地面を転がり回る。呆気ないなぁ…と言うような顔で見つめていると、風琴が割り込んでくる。

 

 

風琴『ダメじゃないですか…こんな派手にやっちゃって…少しは手加減したらどうッスか?』

 

 

蜂起『本気でやらねぇと身に付か無いんじゃないか?本番だったら死んでるぞ…』

 

 

風琴『物事には順序ってもんがあるッスよ。それを理解してください』

 

 

少しバチバチとしたムードの中、先に口を開いたのは意外にも風琴であった。

 

 

風琴『そんなんだから実年齢より上って見られるんッスよ』

 

 

蜂起『あ゛ぁ゛!?今なんつった?』

 

 

風琴『難聴ッスか?』

 

 

蜂起『捻り潰してやる…!』

 

 

怒り狂った蜂起が能力を使い風琴の方へと駆け抜け、そのまま殴り飛ばす。風琴はそのまま抵抗せず吹き飛ばされてしまいい、地面を転がる。

 

 

知里戸『大丈夫ですか!?』

 

 

風琴『……』

 

 

蜂起『もう終わりかい?呆気ないわね……』

 

 

すると、風琴の体に変化が起きる。体が水のように溶け始め、地面に染み込んだのだ。染み込み終わった地面から風琴の声が聞こえる。

 

 

風琴『ダメじゃないッスか……隙を与えるのはダメッスよ』

 

 

蜂起『何処行きやがった!出てこい!』

 

 

風琴『こっちッスよ!』

 

 

蜂起『ここかっ!』

 

 

突然地面から飛び出して、蹴ってきた風琴に対し素早く反応する蜂起の拳と風琴の蹴りが激しくせめぎ合う。

 

 

風琴『流石に無理ッスよね…ッ!』

 

 

蜂起『流石だと褒めても構わねぇけど?』

 

 

風琴『こりゃどうもッス!』

 

 

そこから畳み掛けるように蹴りを入れる風琴とそれをなんとか受け止める蜂起、そこから先に動いたのはまたしても風琴だった。一方知里戸はこの光景を見つめるしか無かった。

 

 

風琴『これでケリを着けるッス!所謂必殺技って奴ッスよ!』

 

 

蜂起『させるかッ!』

 

 

高く飛び上がろうとする風琴を殴り飛ばそうとした蜂起だったが、ふわりと避けられてしまう。

 

 

風琴『今から貴方に見せるのは圧縮された水の怖さッス!受け止めるッスよ!』

 

 

風琴が手で銃の形を作ると回りに水の粒出現し、手の前に集まると、ビームのように射出され、蜂起の方へと向かう。

 

 

蜂起『遅いッ!』

 

 

風琴『あちゃー、避けられちゃったッスね…』

 

 

蜂起『でも…今のは、悪くなかった!』

 

 

風琴『ありがとうッス!』

 

 

とりあえず落ち着いた状況になり、知里戸が口を開く。

 

 

知里戸『二人共…怪我はありませんか?』

 

 

蜂起『そうだった。いたんだった…』

 

 

風琴『……まぁ、いつもこんな感じなんで慣れッスね…』

 

 

知里戸『えぇ……』

 

 

知里戸の体力づくりはまだまだ始まったばかりなのであった…




戦闘描写って…難しいね。
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