美人女神に転生してしまった俺。いや・・・私は、今日も追放ショタを愛でまくる。   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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人間界に、再降臨

創造神様の異空間転移魔法によって、人間界の極東国・・・ヴァルガンに再転送された私達は遥か上空を落下していた。まるで、スカイダイビングのようだな・・・。

 

 

そんな見当外れな事を考えている私は、私の胸の中で必死にしがみ付いてくるルルに無事かどうかを尋ねる。

 

 

「ルル、大丈夫かい!?」

 

 

「は・・・!はい・・・!!で、でも神様の御洋服の御陰かは分かりませんが、風が気持ち良いです・・・!!」

 

 

「それは何よりだ!!そろそろ地面に付くぞ!!私が下になるから、しっかり捕まっているんだよ!!」

 

 

「わ、分かりました!!」

 

 

そして、地面の衝撃に備えながら私はルルを抱きしめる。・・・というか、どうして地上に直接転移させてくださらなかったのですか創造神様・・・。そう考えていると、私の背中に衝撃が走るが痛みは感じないし骨折した様子もない。神の身体はやはり良いな・・・。

 

 

そう私が考えていると、私の胸に何やら違和感を感じてしまう。その正体はと言うと、落下の衝撃で体勢が変になってしまったルルが、私の豊満な胸に手を添えてしまっていた。

 

 

胸を揉まれる事に抵抗感は感じないが・・・。まさか、ラッキースケベを自分が味わう事になると思っていなかった私は逆に落ち着いてしまう。そんな私とは対照的に、ルルは私の胸を触った事に対して頬を染めていた。

 

 

「わ・・・っ!ご、ごめんなさい・・・。」

 

 

「あぁ、気にしなくて構わないよ。それに、私の胸が良い衝撃緩和材に成ったようだね。」

 

 

そう私が微笑むと、ルルは分かりやすいように顔を茹蛸のように赤く染めてしまう。そんな彼の反応は見ていて楽しいが、このまま時間を浪費させてしまうのは勿体無いので、私は立ち上げるとルルに手を差し伸べる。

 

 

「立てるかい?」

 

 

「は、はい!・・・わっ、御洋服が汚れてません・・・。」

 

 

「ハハッ、仮にも神の衣服だからね。そこらの魔道着と一緒にしてはいけないよ。」

 

 

そう言うと、私はルルの手を取って歩こうとするが身長差の影響もあって手が繋ぎにくいので抱っこして歩く事にする。そんな私の対応に、ルルは少しだけしょぼくれている様だ。

 

 

「子供扱いは嫌かな?」

 

 

「嫌じゃないです・・・けど、折角神様達に僕の意思を伝えたのに・・・。このままじゃ、何も変わらないままです・・・。」

 

 

「ハハッ、マルチウィザードに成ったからといって気を張る必要は無いよ。ありのままの、君でいれば良い。それに、子供は大人に甘えるものさ。とは言っても、私の年齢は大人というより老婆の様なものだがね。」

 

 

「そ、そんな事無いです・・・!ひ、ヒサメさんは・・・、綺麗な御姉さんです。」

 

 

「ありがとう、ルルは優しいね。それにしても・・・齢10歳にして、この様な殺し文句を使うとは。将来はプレイボーイになってしまうのかな?」

 

 

そんな私の言葉に、ルルは可愛らしく首を傾げてしまう。どうやら、プレイボーイの意味が良く分かっていないようだ。そんな彼は可愛らしい声で、私に質問を投げかけてくる。

 

 

「ヒサメさん、"ぷれいぼーい"って何ですか?マルチウィザードより凄い、魔法の事ですか?」

 

 

「え・・・?あ、あ~。いや、何でもないよ。」

 

 

どうやら私は、この子の純粋さを侮っていた様だ。まぁ、10歳程度だとこんなものか?だが、セルジオのパーティにいた頃は奴の趣味嗜好の所為で女性に囲われていたかもしれないが・・・。そのときは、何も感じなかったのだろうか?

 

 

そう考えながらも、私は彼を抱きかかえたまま歩き始める。そんな私に、ルルはギュッとしがみ付いてくる。そうこうしていると、私達の目の前に大きな門が現れた。どうやら、極東の国・・・。ヴァルガン国の城下町に着いたようだね。御丁寧に、門番までしっかりと配置されているじゃないか。

 

 

私がそう考えていると、門番が武器を構えながら私達に問うてくる。

 

 

「そこの貴様等!止まれ、何者だ!!」

 

 

「私達か?ふむ・・・。取り敢えず、怪しい者ではないとだけ伝えておこうかな。」

 

 

「そう言われると、ますます怪しい者にしか見えんぞ!!」

 

 

さて、どうしたものかな・・・?嘘を吐いて乗り越えようにも、女神という種族である以上は嘘を吐く事は決して出来ない。とはいえ、此処で立ち往生するのもな・・・。

 

 

私がそう考えていると突然、周囲の地面が盛り上がり始めた。そして、そこから数匹の魔族が現れる。この姿からして・・・。オークといった奴か?そんな奴等は、巨大な棍棒を振り回しながら突進してくる。

 

 

「お、オークが出たぞ!!」

 

 

「騎士団を数名呼び寄せろ!!上級魔族が出たと伝えろ!!そこの御前達!入国許可証不所持の件には、今は目を瞑ってやる!!早く、城壁の中に入るんだ!!」

 

 

なるほど・・・。どうやら規律を重視する事無く、その場その場で柔軟に対応できる人材がこの国の城下町の門番の特徴か・・・。どうやら、人の悪い奴等ではなさそうだ。

 

 

そう判断した私は、ルルを彼等に預けるとオークの方へと進んでいく。門兵達はそんな私を止めようとするが、私は構う事無く進み続ける。

 

 

「門兵達よ。騎士団とやらの、応援を要請する必要はない。オークの群れは、私が何とかしよう。その代わり・・・この子を一時の間、預かっていてくれ。」

 

 

「な、何を言ってるんだ!!上級魔族など、王家直属の騎士団で何とかなるレベルなんだぞ!!一介の旅人に何とか出来るものでは・・・!!」

 

 

「レベル3、水函圧(すいかんあつ)。」

 

 

私がそう唱えると、巨大な水球がオークを閉じ込めてしまう。そのまま翳した手を握り締めると、水圧の影響でオークは圧死してしまった。そんな一瞬の出来事に、門兵達は呆けてしまったようだ。

 

 

「・・・レ、レベル3の魔法を・・・?しかも、あんな巨大な水球をどこから・・・。」

 

 

「私の名は、ヒサメ・アリステラ。水魔法を得意とする者だ、自慢には成ってしまうがレベル5の魔法も使う事が出来る。これでも、怪しい者と言えるのかな?」

 

 

「レ、レベル5の魔法だと・・・!!ま、まさか貴方様は、五大属性し・・・。」

 

 

門兵の一人が、私の正体を察してしまったのか『五大属性神』と呟きそうになってしまう。しかし、今の状況で私の素性がバレてしまうと、私は兎も角ルルに危険が及んでしまうかもしれない。そう考えた私は、門兵達に少し交渉術を掛ける事にする。

 

 

「それ以上は言わないでほしい。・・・頼む。」

 

 

「・・・っ!!わ、分かりました!!」

 

 

そのとき、門の向こう側から白馬に乗った騎士団らしき人々が走り寄って来る。そんな彼等は、水圧でグシャグシャに成ったオークを見ると眉を顰めてしまった。

 

 

「応援に来たぞ!・・・どういう事だ?全て終わっている?」

 

 

「き、騎士団長様!!このオーク共の件ですが、こちらの方々が対処してくださいました!!」

 

 

「何・・・!?見たところ、一介の旅人のようだが・・・?貴様等、私の事を揶揄っているのか?」

 

 

「揶揄ってなどはいません!そもそも、ただの門兵がこの数のオークを瞬殺する事など不可能です!!ならば、こちらの方々が対処してくださったと判断するのが道理なのではないでしょうか!?」

 

 

その門兵達の言葉に、騎士団の団長と呼ばれた男は私達の方をジロリと見遣る。そんな彼の眼差しに恐れ戦いたのか、ルルの私の服を握る力が強く成る。

 

 

「貴様・・・。その身から溢れる魔力、一介の旅人では無いな。」

 

 

「流石は、一国の騎士団長様だ。相手の実力を、瞬時に見抜く能力も一級品という訳か。」

 

 

「フン・・・。その様な力が無くては、この国の騎士団長など務まらんからな。その身から溢れんばかりの魔力・・・、水や氷魔法を扱う者は数多く見てきたつもりだが、貴様ほどの実力者はそうは居ない・・・。ならば、無作為に敵対するよりも、受け入れてやる方が国に対する被害も減るというものだ。」

 

 

「そうか・・・。」

 

 

「こうなってしまった以上、貴様ほどの実力者に此処で立ち去られてもこちら側が困るというものだ。特例措置として、我が国の入国を認めよう。そこの童と共に入ると良い。」

 

 

その言葉と共に、私達は騎士団達に付いていくことにする。そんな私の腕の中で、ルルは緊張しているのか少しだけ震えている様だ。そんな彼に私が頭を撫でてやると、騎士団長様が私に話し掛けてくる。

 

 

「大人しい子だな。貴様の家族か?」

 

 

その言葉に私は少し考え込んでしまう。私とルルの関係性・・・?私達は、どう見られているのだろうか?家族・・・にしては、他人行儀感が凄い。恋人・・・でもないな。歳の差が有り過ぎるし、種族自体も違う・・・。悩みに悩んだ私は、何とか模範解答を見つけ出す。

 

 

「私の弟子だ。盗賊に襲われていたところを、助け出してな。成り行きで、弟子として面倒を見る事になった。まだ戦闘経験は無いが、いずれは人類を救う希望の光となるだろう。」

 

 

「随分と高く買っている様だな。セカンドウィザードか?」

 

 

「セカンドウィザードでは無いよ・・・。だが、この子はセカンドウィザード以上の存在へと成り得る子だ。」

 

 

一応、嘘は吐いていない。ルルの魔力特性はマルチウィザードだから、セカンドウィザード以上の存在になることは確かだ。それに、盗賊に襲われていたのも嘘では無いからな。

 

 

そうこう話していると、役所の様な所へと辿り着いた。そこで、私達は団長様の計らいにより身分証明書の様な物を作ってもらう。・・・というか、創造神様が身分証明書を作ってくれていればよかったのではないか?

 

 

そう思いながら、私達が身分証を受け取った事を確認すると団長様は人の好い笑顔で色々と教えてくれる。どうやら、町で上手くやっていくならギルドに登録しておくことが懸命のようだ。

 

 

「それじゃあ、ギルド登録するときは私が渡した身分証を提示すれば良い。私はこのまま、王城に向かい今回の件を報告する。・・・もしかすると、王家から貴様等に向けて御達しが来るかもしれんが悪いようにはせんだろう。我が国の王は、寛大であるからな。」

 

 

そう言うと、騎士団長様は馬に乗って立ち去っていってしまう。そんな彼の後姿を見ながら、私はルルに話し掛ける事にする。

 

 

「さてと、ルル・・・。早速、パーティ申請をしに行こうか。」

 

 

「は、はい!!」

 

 

そう緊張した様に頷くルルを見た私は、彼と共に冒険者達が集まるギルド集会場へと赴く事にするのだった。

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