それから、作者の受験事情によって来年の2月くらいまで投稿頻度が落ちます。大変申し訳ございません。
まあ、エタることはないのでご安心ください。
それでは、本編をどうぞ。
レストランに着いた。とても繁盛しているようだが、幸い空席がまばらにある。そのおかげで私たちは即座に席へ着くことができた。
さて、何を食べようか。異邦の飯をよく分からぬまま選んで失敗することだけは避けたい。そうだ、ミカちゃんにオススメを聞いてみるか。
「何を食べればいいだろうか」
「うーんとね、このお店はパスタが美味しいから……私と同じものにしよっか?」
私は同意した。きっとその方がいいだろう。頼んだものがアタリだと良いのだが。
しばらくして、料理がやってきた。その内訳は、エビのサラダ、コーンクリームスープ、魚介とベーコンのトマトソースパスタ。すなわちフルコースである。こう見えて、私は魚介が大好きなので非常に楽しみである。では、頂くとしよう。
「いただきます」
いただきます、何かの呪文だろうか。おそらく食事前に言う呪文なのだろうが、残念なことに私は既に食べ始めてしまったのでタイミングがない。真似するのは今度にしよう。
サラダの具材たるエビを口に含む。よく噛み締めると、エビのプリプリとした食感が伝わってくる。このエビは、しかし確かに丁度いい茹で加減であり、程よい塩加減でもある。ならず者のあいつが茹でてくれたエビ────実際はザリガニなのだが──── といい勝負をするだろう。
エビに次ぐ野菜はシャキシャキとした食感がする。それらは瑞々しく新鮮であった。調味料が織りなす調和により、穏やかな酸味と塩味となっているようだ。食感が癖になり、フォークの動きが止まらない。どんどん食べ進めていく。
一皿食べ終えて、一言。
「美味しい」
「でしょー? この店にしておいて良かった!」
次はコーンクリームスープ。スプーンで一口掬い、口に含む。温かい。このスープ本来の温かさに加えて、きっと作り手の想いが込められているのだろう。身体だけでなく心も温まる、そんな気がする。トウモロコシのまろやかで甘い味も下に伝わっていく。
ここからメインディッシュに入る。唐辛子と塩、胡椒の香り、主菜とは堪らぬ香りで誘うものだ。パスタをフォークに絡めて口に入れる。麺のモチモチとした食感がたまらない。具材の貝もまた絶妙な味付けである。ベーコンと合わせてパスタを食らう。ベーコンの噛みごたえがアクセントをもたらす。食べ進めると、唐辛子の辛さが後で伝わってくる。刺激的にやってくれるじゃあないか。美味い。おお、素晴らしいかなキヴォトスの料理よ! 世に美食のあらんことを!
突如、目に異物が入ったような感覚。いや、違う。涙だ。思わず涙が込み上げてくる。唐辛子の辛さにやられたのではない、むしろキヴォトスのフルコースにやられたのだ。人の想いが込められた料理を口にするのは本当に久しぶりだった。ああ、まだ年は取りたくないのに……。霞む視界の中、神妙な顔つきのミカちゃんが見えた。彼女は何も言わず、ただ静かにスープを飲むのをやめて、私が落ち着くのを待っているようだった。
朧げな視界のままフルコースを完食し、そのまま私たちは帰路に就いていた。外は更に暗く、街灯や家の灯りは輝いている。そっと見上げた空、そこには星々と共に巨大な光輪があった。一見変わった空だが、帰宅した後にじっくり眺めるとしよう。キヴォトス人たちに浮かんでいる光輪と何か関連があるかもしれない。
「これでやっと案内できるね! ほら! 早く〜!」
私は屋敷を巡ることになった。ミカちゃんに引きずられながら。ウキウキ話しながら部屋を案内する彼女はとても楽しそうだった。だが、私の方は闇霊に「侵入」されないか少し身構えていた。火山館の二階で責問官ギーザという者に侵入されたことが実際にあったのだ。結局、この用心は不要だったのだが。
一通り歩き回って、ミカちゃんはとある部屋の前で立ち止まる。
「じゃーん! ここがアステリアさんの部屋だよ!」
客間とのことだが、扉を開けば。そうとは思えない華やかさ、輝くような装飾。それは一国の王女にこそ相応しいだろう。身分が高い頃の私も、このような部屋で過ごしていたのだろうか。
「どう? 結構綺麗にしたんだよ?」
「いいじゃあないか。私もこんな部屋で暮らした気がする」
「うっそだ〜」
なんだその反応は。私が元上流という話はしたはずだが。
「あれ、何か黄色いのが光ってる」
黄色く光る何か、それは「祝福」であった。「祝福」とは、簡易拠点の役割を持つモノであり、黄金の光跡で導きを指し示すモノでもあるのだが……いや待て、
「貴公! 瞳は褪せてないだろうな!?」
「わわっ!? ちょっと落ち着いてっ!」
ミカちゃんの目を覗き込むように見る。彼女の黄金の瞳は、褪せていない。よかった……と言うべきなのか。祝福に目覚めるということは「呪い」にも近いことと見做されており、望まずしてそれぞれの居場所から追い出された者たちも多い。また、一度外界で死を迎えた後、祝福がもたらされたこと復活を遂げたという事例もある。実際私は祝福によって何度も復活している。そして、キヴォトスにも導きがある。つまり、この私、あるいはミカちゃんが為すべきことがあるらしい。だが、大いなる意志は何を望んでいるのか。いずれにせよ、私も無為ではいられない。
「瞳は褪せてないようでよかった、私のようにね」
「えっと……あれは大丈夫なものなの?」
「むしろ有益なものだ。触れてみるといい」
その通りにミカちゃんが祝福に手をかざすと、緋雫の聖杯瓶が四本現れた。
「あっ、テラスで飲んだやつ! うーん、『導きのはじまり』『湖を臨む断崖』『灰の王都、ローデイル』……なんかいっぱい思い浮かぶ」
「おぉ、もしかしたら狭間の地に行けるかもしれないな」
「本当!? いつか一緒に行こうよ!」
「そうだな。さて……後は何をしようか」
「確かに、今日のやること全部やったもんね、お風呂入る?」
「あっ、その前に夜空をちゃんと見ておきたい。テラスにもう一度行きたい」
「おっけー。私は先にお風呂沸かしてくるね。先に見ておいで」
夜のテラスへやって来た。辺りはすっかり暗くなっている。よし、今回はしっかりと夜空を目に焼き付けておこう。改めて見ると、相変わらず星が綺麗だ。月はどうだろう。狭間の地で見たそれと比べると小さく見受けられた。しかし、やはりあの光輪は一体何なのか……。
しばらく眺めているとミカちゃんもやって来た。風呂の準備を終えたらしい。
「どう? キヴォトスの夜空は」
「相変わらず星々が綺麗だ。だが、あの光の輪は初めて見たな」
「ふーん。そういえばね、実は私も魔法っぽいことができるんだよね。この宇宙は私の声に答えてくれるんだよ」
「ほう?」
「こっちにおいで」
ミカちゃんがそういうと、空の向こうで流れ星が輝いた。
「あっ、流れ星! 貴公! 見たまえ!」
しかし、違和感。あの流れ星をよく見ると、心なしかこちらへ近づいているような気がする。いや、確かに近づいている。あれに当たるとまずい。
「なあ、一旦逃げないか?」
「大丈夫!」
そう言う間に流れ星は迫ってくる。最初に見た時よりは大分小さくなっているが。この大きさなら耐えられるか。そして──────。
「よっと」
それはミカちゃんの手に掴まれた。マジか。まあ、あの大きさなら掴めるか……いや、素手で掴んでいいものなのか? あり得そうであり得ない、そんな感覚。
「はいこれ、プレゼント」
「……どうも」
マジか。小隕石を貰ってしまったよ。どれどれ……。
『彼方からの小隕石』
聖園ミカが降らした小隕石
重力の魔術を強化する*1
幼き日、ミカは遥か夜空に呼びかけた
その呼び声は、しかし確かな返事として星を伴ったという
それは彼女だけの特別な力となった
なるほど、重力魔術の威力が1.3倍になるタリスマンか。これは使える。魔術「アステール・メテオ」を詠唱する際に持っておくとしよう。
いやはや、まさかミカちゃんが星を呼べるとは。キヴォトス人全員が呼べるとは言うまいな?
「素晴らしいものを見せて貰った。お礼として見せてあげよう、魔術の極致を」
「んー?」
魔力纏いの割れ雫と青色の秘雫を配合した霊薬を飲み、空に向けて杖を構えて詠唱する。
「彗星アズール」
輝石の故郷とされる、遥かな星空。その奔流たる、極太の蒼い彗星を放つ。数十秒して、彗星は止んだ。
「さっきのすっごく綺麗だったよ! 私も頑張ればアレ使えるようになる!?」
「そうだ。そういえば、重力魔術の中に隕石を呼ぶものがあったな。ミカちゃんは星を探求する輝石魔術と重力魔術をやってみるといいのかも」
「あっ、確かに! じゃあそれにする!」
「分かった。明日に準備しておこう」
彗星アズールを目の当たりにしたミカちゃんはとても満足していた。あのお礼がお気に召したようで何よりだ。
「戻る?」
「ああ、風呂に入ってから自室で寝ようと思う」
テラスから戻り、浴室へ向かった。見慣れぬ器具ばかりのそれではあったが、何事もなく風呂から上がり、着替えた後に自室のベットへ飛び込んだ。やっと一日が終わった。白い翼の少女に、戦士との再会に、戦闘に、弟子を持つ。そして何より、あの子が祝福に見えた。この世界は、私が戦い抜いた狭間の地よりも、遥かに奇妙で、そして温かい。泥のように、は言い過ぎだが、いつもよりも深い眠りに就いた。明日はどうなるのだろう。
7話分書いてやっと作中での1日が終わるってマジ?話が…違うっすよ…
…誰か、俺の原作を知らないか… 水たまりに、落としちまったみたいなんだ で、原作って知ってます?
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ブルアカもエルデンも知っている
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ブルアカのみ知っている
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エルデンのみ知っている
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ブルアカもエルデンも知らない