ようやく…投稿を再開できる
目を開けると、カーテンから光が差し込むのが見えた。なかなか身体を動かす気になれない、相当私は深く眠っていたのだろう。
それでも身体を起こし、ベッドから両の脚で立ち上がる。カーテンを開けば、眩い光がやってくる。
月があれば太陽もあり、夜があれば朝もある、キヴォトスでも変わらないようだ。
寝巻きとして着ていた適当な服から着替える。そうだな……今日は旅シリーズ──旅の服、旅の腕帯、旅のブーツにでもするか。
メリナとミリセント、そしてミリセントの姉妹たちが着ていた服装と同じものだ。運命に向き合うために旅に出る娘たちの装束なんだとか。
旅に出るための装束なのに、旅の終わり──すなわち「聖樹の支え、エブレフェール」で手に入るとは面白い。
“女のように見える男”──こう表すると聖樹のミケラ、あるいは聖女トリーナのようだ──である私が今更女装など気にしない。
さて、着替えも終わったことだしこの世界についての情報を整理しよう。
ここは学園都市キヴォトス、数千の学園が連邦を形成する超巨大学園都市。その中の三大学園の一つ、トリニティ総合学園。学校は国家に等しい権力を持っている。
キヴォトス人はそう簡単には死なない、落葉旋風脚を食らった上で凍傷しても尚不良たちは気絶で済んでいたのだから。
銃といった武器が一般的に流通しており、生徒たちはそれを携帯している。故にその武器を平然と日常で持ち出す。
「影送り」で送った影に不良たちは発砲していたのだから。あれに当たっていたのが私じゃなくてよかった。
不良たちがトリニティ生を脅し上げていた所を察するに、狭間の地の連中とそこまで変わらない倫理観をお持ちのキヴォトス人もいるようだ。カッコウ騎士かよ。
殺人、あるいはその意志を持って攻撃することはタブー。まあ、私は殺したいから殺すなどという修羅ではないので従うことにしよう。
ネフェリとゴストークがキヴォトスに来ている。おそらくケネスさんもいるはずだし、きっと他の人もやって来ているのだろう。
この私アステリアは「ティーパーティー」の生徒会長のひとり、聖園ミカに拾われた。この恩は必ず返そう。
恩を仇でしか返せなくなる前に。
情報整理が終わった。それはいいのだが、何をしようか。ミカちゃんが起きるまで待つことにしよう。彼女と話をしておかなければ今日一日が始まらない。
ふと部屋の壁を垣間見る。そこには銃を立て掛けるのであろう棚があった。丁度いい、そこの棚に私が使わない武器を飾るとしよう。
この部屋に滞在する機会は必然と多くなるはずだから。ミカちゃんの屋敷は実質私の拠点なのだ。
で、私が使わない武器がどこにあるのかというと──────。
「そういえば円卓に飾っていたのか」
となると、一度円卓に戻って武器を回収しなければならない。幸い
円卓の間にやってきた。今目の前には大祝福がある。それはいいのだが、焼けて壊れていくはずの円卓が元通りになっている。
壊れかけのマリカに完全律の修復ルーンを使用したからだろうか? だとすれば、あの人は。
左翼側の廊下へ歩みを進める。そこには混種の鍛冶師と褪せ人の調霊師がいた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、ぐずっ……」
「ああ、悪かった、儂があんたを忘れて。しかし、困ったな。落ち着く素振りが見えん……」
鍛冶師ヒューグ、円卓に縛られた混種の虜囚。「あんたは、儂の王だ」と言ってくれた人。
調霊師ローデリカ、かつてリムグレイブで心折れた妙齢の女性、しかし立ち直り調霊術を心得た人。
エルデの王となり、我らを呪う女王マリカをヒューグさんの武器で殺すことを私に願った人。
その二人がいたのだが、ローデリカがヒューグさんに泣き付いたまま離れる気配が見えない。助けた方がいいのだろうか……?
「あの、ヒューグさん」
「……ああ、あんたか。丁度いい、この娘を離してくれないか。こうなることも分かっていたつもりだが、あんまり長く近くにいるのも困る」
「分かりました。ローデリカ、おいローデリカ、聞こえているか?」
もしかしてヒューグさんは、私のことを思い出してくれたのだろうか。それよりも先にローデリカを対処することにした。
「え……? ああっ、褪せ人様!? なんてお恥ずかしいことを!!」
「気にするな、と言うべきか……。まあその、なんだ。少し落ち着きたまえ」
ローデリカが正気に戻った……でいいのだろうか? すぐにヒューグさんから離れてくれた。彼も同時に武器を打つのを再開。そこはいつも通りか。
「えっと、褪せ人様、調霊ですか?」
「いや、すぐそこの寝室に用があってね。そのついでに貴公たちと話をしようかと」
「ああ、なるほど。それで、話とは?」
「私がエルデの王になったことと、女王マリカを殺すことは叶わなかったが、その代わりマリカから人のごとき心を無くすことに成功したこと」
「すなわち、マリカがヒューグさんを約束で縛るような、神が横暴なことをするのは無くなったということだ」
金仮面卿が見出したルーンで私はエルデンリングを修復した。これによって人のごとき、心持つ神という律の瑕疵は取り除かれたのだ。
マリカは元々心優しい少女だったという。だが、彼女が心持つ神と成ったが故に、陰謀の夜という大事件が発生し*1、エルデンリングが砕かれた。
律を司る神が私情で動いたから、衆生が割りを食いまくっている羽目になったんだぞ。
「うおおおおおおお!! エルデンリング壊れろ!!」というマリカと「うおおおおおお!! エルデンリング直れ!!」というラダゴンがせめぎ合っているのだ、これはダメだろ。
そして私は、神などではなく、人々のための王になりたい。ミケラの所業を間近で見たというのもある。
それよりも、アンスバッハさん、あの人が遺した約束だから。あの人の分まで、私は頑張るんだ。
「なるほど……ありがとうございます。私の願いを聞き入れてくださったのですね。無理強いをしてしまったのではと心配でしたが……私の杞憂だったようです」
「頼まれたことはちゃんとこなすさ。それと、ヒューグさんは……私たちを思い出してくれたのか……?」
そう尋ねると、ローデリカは微笑んで答えてくれた。
「ええ、ちゃんと記憶を取り戻してくださりました。もちろん貴方のことも覚えていますよ」
「そうか、それは……本当に良かった。何か私について言っていたか?」
「そうですね、貴方が交わした約束について語っていました。それと、貴方のことは変わらず自分の王と仰っていました。貴方こそがヒューグ様の王に相応しい……私もそう思います」
「そう言われると、なんだか恥ずかしいな」
ローデリカに話したいことは全部話したので、一旦彼女に別れの言葉を告げる。
「今まで世話になった。これからも贔屓にするからよろしく頼む。またな」
「フフッ、またいらしてくださいね」
ローデリカと別れ、ヒューグさんの所へ向かう。近付くたびに、武器を打つ音が大きくなって聞こえてくる。
「……あんたか、さっきは世話になったな。それに、あの娘を気にかけてやってくれたようで何よりだ。さあ、武器ならさっさと出せ。打ってやる」
「どうも。そうだな……この軽大剣を頼みます」
針の騎士、レダの得物たる軽大剣と喪色の鍛石9つを取り出す。レダの遺品ではあるが、技量と信仰が知力と比べて高くないのもあって強化を後回しにしていた。
「……ヒューグさん、私は、神を二度も殺してきましたよ。もちろん、貴方の武器でね」
「……そうか。女王マリカとの誓約は果たされたのか。……よかった、あんたの武器を打てて。あのお方もきっと喜ばれる」
「私も……今の貴方に伝えられてよかったです。貴方との約束でしたから」
エルデンリングそのものと言って過言ではないエルデの獣、約束を以て再誕した将軍ラダーン及び神として帰還したミケラ。その両名を私が殺した。
エルデの獣で用いたのがアステールの薄羽、ミケラとラダーンで用いたのが名刀月隠。両方で用いたのが慈悲の短剣と色々。
それが謂れのない無銘の剣であっても、名高い伝説の武具であっても、鍛冶師ヒューグの執念を打ち込まれたそれは、神殺しを成す禁忌の武器へ至ったという証左なのだ。
「そうだ、あんたはこれからどうするつもりなんだ。エルデの王になったんだろう」
「そうですね、何の因果か狭間の外に瞬間移動してしまいましてね。そこでも戦いが起こるようなので、しばらくは狭間と外とを行き来するつもりです」
「なら、これからもあんたの武器を打たせてくれ。儂は鍛冶師だからな。……よし、終わったぞ」
「どうも。いいですよ、見慣れない武器があったらお土産に持って来ますからね」
「ああ、任せてくれ。……またな」
「また来ます」
レダの剣+9を受け取り、ヒューグさんとも別れ、向かいの寝室──かつて死衾の乙女、フィアが居た部屋、それを後に私が拝借したもの──へ向かう。
暖炉の中で轟々と燃える炎、雑に整えられたベッド、曇った化粧台。
そんな部屋にあったのは、巨人砕き、遺跡の大剣、剣継ぎの大剣、王家のグレートソード、フレイヤの大剣、緑青の大盾、指紋石の盾、と筋力不足で扱えない武器たちと大盾二つ。
それらに加えて、ヴァレーの花束、マレー家の執行剣、屍山血河、猛毒の調香瓶、黒曜のラーミナ、母の杖、と神秘不足で扱えない武器たちと杖。
あと黄金樹の聖印という信仰不足で扱えない聖印。これら全てをまとめてキヴォトスに持っていく。
筋力不足で扱えないものは重力魔術を駆使してなんとかポケットに入れた。褪せ人のポケットはなんでも入るのだ、いいね?
全て持ったことを確認し、キヴォトスへ
そういえばローデリカとヒューグさんに偽名を紹介してなかった。……また今度にしよう。
…誰か、俺の原作を知らないか… 水たまりに、落としちまったみたいなんだ で、原作って知ってます?
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ブルアカもエルデンも知っている
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ブルアカのみ知っている
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エルデンのみ知っている
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ブルアカもエルデンも知らない