感想、評価。くださるとモチベーションぶち上がりぃの
喜びーのできるのでお願いしたします。(感想こじきェ...)
尚、作者たるヴァターシことサットンさんは、花の男子高校生なので
亀さん更新かもしれませんが許してつかぁさい。
衛兵たちが引き上げていった後、狐の獣人は意識を失って倒れた青年を必死に背負い、
教会に向かっていた。
彼の剣は重すぎて持ち上げられなかったため、衛兵隊に預けた。
彼らなら信頼できるという判断を下したのだろう。
往来の人々が狐の獣人のその形相や、背負われている青年の様態を見て、
ただ事ではないと距離を取っている。
下卑た衆目の目にさらされることには慣れている狐の獣人だったが
未知の化け物を視るような目で、この青年を見るのが、なんとなく狐の獣人には
許し難いことだった。
すると、騒ぎを聞きつけたのか、教会のシスターが通りに出てきた。
「シスターさんかい!!。どうかっ...どうか彼を助けてくれないか?」
柄にもなくポロポロと泣きながら、狐の獣人はシスターに助けを乞う。
シスターも、彼女らを視界に入れた瞬間顔色を変えて教会へと誘導した。
「治療自体は承ります。しかし...原因もこちらで探るとなると...その...」
それもそうだ。まだまだ教会の権威も強く、医療技術の流出を恐れる教会は
各教会で受けられる治療の値段を釣り上げている。
いくら自由都市といえども逃れられず、検査もとなると
非常に高価になる。シスターはそれを危惧したのだ。
しかし、狐の獣人の決意は固かった。
「私は、彼に返しきれない恩がある。お礼も言えずにサヨナラなんて...嫌なんだ。どんな値段でも支払ってみせる。これでも商人。良い品を見つけて幾らでも売り捌いてみせよう。」
「...かしこまりました。奥で治療しますね。何か、身元を保証できるものはありませんか?」
「これを。ギルド証だ。十分な身元提示になるはず」
「はい、商人ギルドのアリエル・ロータス様ですね。治療を受ける方のお名前は?」
ここまでは順調だったが、狐の獣人ことアリエルは見落としていた。彼の名前がわからない。
「すまない...出会ったばかりで名前を知らないんだ。」
これにはシスターも驚きを隠せない。
今時、名を知らぬ他人のためになんの躊躇いも無く命をかけられる男がいることも、
そんな男の恩に報いる為に、破産すら厭わない女がいたことに。
治療及び検査は丸1日続いた。
シスターが治癒の間*1から出てきて、一息した後...アリエルにサムズアップする。
アリエルは一気に脱力する。
なにせ殆ど眠っていないのだ。隈も酷い。服も元々あってないような服装ではあったが
着替えもせずに居たため、やや臭う。女性にあるまじき状況だが
シスターはその憔悴に理解を示し、何も指摘しなかった。
シスターに指示された部屋へと、アリエルは足を進める。扉を開けると
青年は穏やかに眠っていた。
あんな激闘の後なのだから無理もない。
アリエルはベット横の椅子に座る。
「私は、君になんて謝ればいいのかな」
ふと、溢れてきた..脆い本音。
何時も溌剌な彼女の心の奥底に沈んでいる、弱い場所。
彼女は"前世"をほとんど記憶していない。思い出したくもない。
が、寒くて、寂しくて、不安で。地獄から逃げるように死んだことは憶えている。
「私は...優しくされるのには、慣れていないんだ...。ほら、怪しい風貌だろう?」
眠っている青年に漏らす、脆い自分の、本音。
「なんで、助けてくれたんだい?。なんで...飛び出していっちゃうんだい...私は、君の名前も知らないというのに。赤の他人だというのに。」
さめざめと、アリエルは泣き出した。
「(どうする...気配で起きたとは言えない空気だぞ...!!)」
青年が、気まずそうに寝たふりをするのにも気付かないほど。
やがて落ち着いたのか、アリエルは船を漕ぎ始めた。
そのまま布団に頭を落とし、寝息を立て始める。
「(寝たのか。あーもう、風邪を引くだろう。どうにか動き出せねぇかな。手を握られたままじゃ何もできないぞ)」
無音で藻掻く青年だったが、諦めた。
このモフモフモチモチした手を握り続けながら寝るしか無いようだ。
観念して、そのまま意識を手放す青年。やがて、規則的な寝息を立て始める。
そうしていると、空気の揺れに、アリエルのひげが反応した。
すっと目が覚めたアリエルは、寝惚け眼で青年を見つめる。
寒さに身震いした彼女の目には、ふと、魅力的な温みのある場所を発見する。
獣人。その中でも獣の様相を色濃く残す者の共通の本能。
暖かくて、ちょっと暗い場所が好き。が、発動されたのだ。
普段は逞しい心が精神的に弱っていたのもあり、吸い寄せられていく。
「べつにいっか...人間は
シュルシュルと片手で器用に服を脱ぎ(臭い自覚はあったようだ。)ベットへ潜り込む。
大柄な彼ですら収まるベットは心地良く、広々で小柄なアリエルにはなかなか得難い心地だった。
ぴとりと、青年の胸板に頬を当てる。
大きく、穏やかな心音が耳に心地良い。それに、いい匂いがして暖かい。
疲れきっていたアリエルは、両手で青年の手を握りながら
眠った。
翌朝、発見したシスターに大目玉を食らうのだが。
そんなこと彼女は知らない話だった。
「なんで、俺の懐に入り込んでたんだ?シスターがブチギレてたぞ。」
「いやぁ、君の布団が暖かそうで...つい。」
またもや青年は少し破顔した。
もはや、表情以外は早くもアリエルの行動に動じなくなってきているのだが
本人の自覚はないのだろう。
「それはともかく、俺を担ぎ込んでくれたんだろう?。感謝する。」
「ああ、私だって人だぞう?。恩は返すのさ。キツネの恩返しってところだ。」
青年は心から面白そうにはにかむ。
「名前を聞いていなかったな。俺はレイヴァー。アンタは?商人さん。」
アリエルは、メモ帳を取り出し青年こと、レイヴァーの名前をしっかりと記した。
ぱたんと小気味よい音とともにメモを閉じ、名乗り返す。
「私は、アリエル。しがない放浪の商人さ。よろしく頼むよ、レイヴァー君。」
穏やかな時間を過ごせた二人だが、後に剣を取りに慌てて衛兵詰所を探したのは
言うまでもなかった。
ープチコラムー
獣人のなかでも、
獣人とはその殆どが人間要素のほうが強いハーフビースタだが、2年に5人ほどのペースで
ピュアビースタが産まれる。系譜となる獣由来の身体能力や暗視。本能が発現する。
尚、近年の人間にはとある旅人が残した書物のせいで大人気である。
モフモフとモチモチの両立が可愛いのだとか。
冒険者ギルド併設の酒場で働けば看板娘になれるだろう。
真のあとがき
はい、1話後編
遅れてすみません。ヴァターシ高校生なのゆるちてくれぃ。
とりあえずは1話完了。無い文才押し入れに探しに入って時間食いましたね。
リアルがわりかし忙しく、亀さん更新なのは変わらずになってしまいますが
楽しんでいただけたら幸いです。