まだ若いと思ってたんだけどなぁ
窓から差す朝日に照らされ、目が覚める
ソファで寝ていたはずなのにベットで寝ていた。
何故だろうか……よく覚えていない、ふと隣を見てみると
ぐっすりと寝ているイオリが居た
「…エ?」
理解ができない…俺がここに居るのも、イオリが隣に居るのも、両方とも
どうにか起こさずに離れられないだろうか、そっとベットから出ようとしたが、抱きつかれていたのでどうする事もできない
顔が近い…こうやって見てみると、やはり綺麗だな…サラサラな白い髪も綺麗で……
そっと髪の毛に触れる、義体だから感触は分からないが、指の間をするりと通り抜ける髪を見て、あの子の髪を思い出す
あの子もこんな風にサラサラで…綺麗で……あ
「ユウリ……なにしてるんだ?」
イオリが目を覚ましてしまった、俺の手を掴んで髪の毛を離させる
「お、おはようございます……」
「おはよ」
気まずい…特に言及されない方が逆に気まずいよ
宝石のように赤い瞳がこちらを見つめる、キッとこちらを睨んでくる表情が恐ろしくも、面白くもある
「…なにも変なことしてないよな?」
「変な事って?」
「そ、それは…!」
コロコロと変わるその表情がとてつもなく面白い、いつまでもからかっていたいが、時間もある
今日からは3年生は引退し、2年生が業務を引き継ぐのだ
1年生も進級し、また忙しくなる時期となる
「さてと、用意しようぜ?」
「……わかった」
ベッドから降りて着替えを始める
「ユウリ、ハンガーから制服とって」
「へいよ、はいこれ」
「ありがと」
自分も制服を着終えて、昼食の用意をしてから休憩する
「イオリー準備できたか?」
「もうちょっと待っててー」
なら、1本吸ってくか、キッチンへ行き換気扇を回し、煙草に火をつける
肺に廻ってくる紫煙の感覚が、とても心地よく、気分が上がる
「準備終わったぞー」
「んー」
灰皿にタバコを押付け火を消す
バイクの鍵を掴んで玄関へ進む
「行くか」
「ああ」
いつも通りバイクに乗り、風を切る感覚を楽しむ
冷えきった風は痛いと感じる程に身を刺し続ける
学園に着くとバイクを停め、下駄箱へ歩く、今日はいつも以上に騒がしい、話している内容は今までの思い出話ばかりだった
ああ、そうか…3年生はもう卒業する時期なのか……委員長には迷惑ばかりかけていたな
「朝からまた会議かよ…」
「仕方ないだろ?今日から3年生は引退なんだから」
「仕事が増えそうだなぁ……」
今の仕事でさえ忙しいってのに、人数が減るのかよ……めんどくせぇなぁ、なんて考えながら廊下を歩く
執務室の扉を開け、中に入る
「皆集まったね?じゃあ最後の会議を始めるよー」
会議の内容は委員長からの引き継ぎのやり方や何処まで資料が完成しているかなど、端的な業務報告だった
「最後に、新しい委員長と行政官を紹介するね」
「新しい委員長は、ヒナちゃん!」
「そして、新しい行政官は、アコちゃん!」
「2人とも頑張ってね!!」
執務室内が拍手と楽しげな雰囲気に包まれる
まぁ予想通りだな
さて、今のうちにおいとまするとしようか
廊下に出て、教室へ歩く
パーティは嫌いだ、軍隊に入っていたとき、政治家共のパーティを見て吐き気がしたからだ
気づけば早歩きになっていた
いち早くあの場所から離れたかったのだろう、イオリ存在に気づかなかった
「ユウリ!」
「うぉっ!?」
「急に居なくなってどうしたんだ?」
「なんでもない」
冷たくあしらった
「そ、そうか」
イオリはユウリのいつもとは違う反応に驚いていた
暖かいお湯は腰の痛みを軽減する