僕のヒーローアカデミア 電脳獣プライガVSフェイザー 作:サツキタロオ
ヒロアカです。
最近見始めたので書きたいなと。
とある空港。
賑わうロビーの中を、二人の男女と――機械的な尻尾を揺らす一人。
三人はそれぞれトランクを手に、ゆっくりと通路を歩いていた。
「いいんですか、鬼火姐さん。わざわざ休暇を貰っちゃって。」
『気にするな。せっかくの休暇だ、たまには羽を伸ばそう。』
「わ、わかりました。それにしても……」
赤髪の少女、オルペウス・マグヌッソンはスマホを取り出す。
画面には、遠吠えを上げる狼のような光のデータが映っていた。
「連れてきても良かったのでありますか? 勝手に持ち出したら怒られるんじゃ……」
「まあ、この地球に来るのにも一苦労あったし、いいだろ。プロキシにも許可は貰った。」
茶髪の少年、イェンツィー・タオも自分のスマホを覗く。
そこには翼を広げ、咆哮する鷹のようなデータが浮かんでいた。
そんな二人が談笑しながら空港を歩いていると――
ふと、背後に“何か”が触れた感覚が走った。
「……?」
振り向いても、そこには誰もいない。
二人は首をかしげながらも、そのまま出口へと向かおうとする。
――だが。
「うっ……!?」
突如、オルペウスが胸を押さえ、苦しみ出した。
「オルペウス、どうし――ッ!?」
続いてタオも胸を押さえ、膝をつく。
『オルペウス!タオ!どうした!?何が起きてる!?』
鬼火が駆け寄るも、その瞬間――
二人の身体からまばゆい光が溢れ出した。
光は空港全体を飲み込み、次の瞬間――
轟音と共に、巨大な爆発が空間を引き裂いた。
………………
爆発の余波が収まる頃、
煙の向こうから数人の影がゆっくりと空港内へ歩みを進めてきた。
「ヴィランだーッ!」
誰かの叫びを皮切りに、一般客たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
黒ずくめのヴィランたちは、二体の脳無を従えて構内を物色していた。
「しかし、なんで爆発なんか起きたんだ?……ま、いい。さっさと回収してズラかるぞ。ヒーローが来る前にな。」
リーダー格の男がそう言い放ち、仲間に合図を送ったその時――。
「グルルルルルッ……」
低く、獣のような唸り声が響いた。
誰もいないはずの通路から、空気が震える。
「な、なんだ……?」
男が声を上げた瞬間、
巨体の脳無が――一撃で地面に叩き伏せられた。
「っ!? て、てめぇ誰だ!!」
視線の先に立っていたのは――
狼のようなアーマーを纏った影。
赤く光の無い双眸を揺らめかせ、低く唸るオルペウスだった。
彼女の体は狼のアーマーを纏ったような姿に変貌していた。
『オルペウス! 聞こえるか!? しっかりしろ!』
鬼火が叫ぶも、その声は届かない。
返るのは、さらに深く、獰猛な唸り声だけ。
「ガアァァァッ!!」
オルペウスは跳躍と同時に脳無へ肉薄し、
その鋭い爪で腹を貫き、心臓を一撃で穿ち抜いた。
「あの脳無を、一瞬で……!」
ヴィランたちが後ずさる中、突風が吹き抜ける。
――風の中から現れたのは、
全身に鷹のアーマーを纏ったタオ。
その双眸もまた、赤く光を失っていた。
タオは無言で翼を広げると、
跳び上がった脳無を強烈な蹴りで打ち上げ、
次の瞬間、急降下しながら翼でその巨体を真っ二つに切り裂いた。
血飛沫と金属片が飛び散り、床がきしむ。
「な……バ、バケモノかよ……!」
ヴィランたちは戦慄し、誰一人動けなかった。
その直後、空港の外からサイレンの音が響いた。
青と赤の光が入り乱れ、複数のパトカーが到着する。
「そこのヴィラン! 動くな、止まりなさい!」
「ちっ、まずい! サツだ、逃げろ!」
ヴィランたちは慌てて走り出し、警官たちが一斉に追跡に移る。
怒号と足音が交錯する中、オルペウスとタオは静かにその場を離れた。
彼らの姿は煙の向こうに消え、やがて誰の目にも見えなくなった。
「……いったい、なんだったんだ、あの化け物は……」
誰かが呟く。
焦げた床と、倒れた脳無の残骸だけが、現場に静かに残されていた。
――そして翌日。
テレビの画面には、ニュース番組のテロップが流れていた。
『次のニュースです。
昨日、静岡空港にて発生した爆発事件。
現場ではヴィランの集団と、正体不明の二名が交戦しているのが目撃されました。』
映像には、遠くから撮影された空港の監視カメラ映像。
狼と鷹を思わせるシルエットが一瞬だけ映り、
アナウンサーの声が重なる。
『専門家によりますと、二名の装甲は“個性による変化”の範疇を超えている可能性があるとのことです。
ヒーロー公安委員会は現在、詳細を調査中です――』
画面の片隅には、
“謎の装甲生命体、出現か?”というテロップが浮かんでいた。
プライガ フェイザーの元ネタはエグゼ6のアイツら。