【前回、異様な声が頭に流れ込んできて苦しんでいた影又…しかし今は…】
「…いや〜…めっちゃ元気だ!」
【何故かすこぶる調子が良かった!】
「ほ、本当に大丈夫なのかよ影又…」
「正直あの時はやばかったけど、今は全然!それどころか…うおりゃっ!!」
【両足に力を込めて飛び上がる、すると…】
「よっ…じゃじゃーん!」
「なっ!?」「ええっ?」
【なんと家の天井近くまで飛び上がり、置いてあった使い古されたグラスをとって来た】
「どうだよ、すごくないか?何が何だかよくわからないけど、身体能力がすごくなっちゃってさ!」
「お前…どうなってんだよ一体……ん?」
「なっ…なぁっ……!?」
【全員がその変貌ぶりに驚いていた…が、グスタフは特に驚いた表情を見せている】
「グスタフ……ふっ、わかるぜその気持ち…あいつといえば俺たちにかかりきりだったのに、こんなことになるとはな…だけどやっぱり、こう言うのを受けれて進んでいくってのが俺たちの…」
「違う!我がそんな母性溢れるノスタルジーに浸るか!!」
「えっ…もしかして俺だけ…?」
「そ、そんなことより影又!お前その手に持ってる奴!どこで見つけた!?」
「これですか?別に上の方に放置されてたやつを取ってきただけですけど…」
「…あら?そういえば…この家ってそんな禍々しいグラスあったかしら?」
「え?禍々しいって…これはただのグラスで…」
【持っていたグラスに目を向けてくるりと回転させると……目があった】
「…………え」
「ドゥグラス!」
「ええええええええ?!?!な、なにこれ!?なんで?!?!」
「だから言っただろう!どこから見つけたんだそんなもの!」
「いやっだってこれほんとにそこら辺のやつとってきただけで…えっ!?」
「あのーお二方…なにをそんなに焦って居られるのですか?」
「そうか、お前らは…今影又が持っているのはおそらく…「魔道具」だ」
「魔道具…?」
「魔の力によって生み出された邪悪の器具…そして、闇文明のマスター…デス・ザークを呼び出すための鍵でもあったと聞く…」
そうか、グスタフ様は闇の七王に支えていたから魔道具のことを知ってるのか…じゃなくて、これ本当に何!?
……もしかして…
【何か嫌な確信を持った影又は、近くにあった絵に手を伸ばすと…】
「ヴォガイガ!」
「………こりゃあやばいな…」
「えっ!?なんか新しいの出てきてないかグスタフ!?」
「影又!?影又お前一体なにをした!?」
「どうやら俺がものに触るとこうなっちゃうみたいですねははは」
「笑い事にならないんだが!?」
ギャーギャーワーワー
【流石に予想だにしていなかった初めての事態に混乱を隠せていない全員だったが…その喧騒は一旦止めさせられることとなる】
「妙な気配がしているとは思いましたが…これは一体何事なんでしょうかねぇ」
「!!」
「なっ…貴様いつの間に!?誰だ!」
【何処からか現れた存在、それはそう】
「どうもお初にお目にかかります…私はゼーロ様の従者、ギニョール!」
「ギニョールだと!?」
「貴方は確か…裏切り者のグスタフでしたか」
「ぜ、ゼーロの従者ってことは、お前が…お前が闇文明を無茶苦茶にした犯人の一人!!」
「無茶苦茶とは心外ですね…闇文明はゼーロ様のものであり、世界もゼーロ様のもの…こうなるのは当然でしょう?」
「ふざけるんじゃねえ!俺たちの…俺たちの闇文明を侮辱するな!お前やゼーロの言いなりになるのが闇文明なんかじゃない!!」
「…まあ好きに言うといいでしょう、どうせ、ククク…」
「ぐうう…!」
【ガイトウは怒りを露わにしており、いまにも襲い掛からんと言う程の雰囲気を感じるが、一応留まっているようだ】
「おいギニョール、お前一体なにをしに来たんだよ?何か企みがあってきたんだろ?」
「まあそう固くならずに…ゼーロ様の物のはずの魔道具の気配がこんなところからしてきたから様子を見にきただけですよ」
「しかし…気になりますねえ、どうやって手に入れて、なにに使うおつもりなんですかぁ?」
「あ?いやぁ…これは…ええと…」
「…お答えしないと言うのならば、こちらにも考えまありますよ」パチンッ
「あ?」
【ギニョールが指を鳴らすと、植物の蔦のようなものがグスタフ達に襲いかかる】
「っ!」
ザシュンッ!
【しかしその蔦が届くことはなく、グスタフ、ミザリィ、クレマンによって切り落とし切った…ように思われたが】
「うわああっ!!」
「ガイトウ!?」
【憎悪に囚われていたガイトウは隙を疲れて捕まってしまった】
「ぐっ…!」
「まさかガイトウ殿を狙ってくるとは…!」
「ふふふ、私も馬鹿ではありませんから…彼が一番引っかかってくれそうだったのでね」
「…よもや貴様が人質をとってくるとはな、そこまで必死か?」
「そこはご想像にお任せいたしますよ…さあ影又…でしたか、これで私と貴方は戦うしかないですよ?見せてください、なにを企んでいるのかをね…!」
「…わかったよ、やれないいんだろ」
【デッキを手に取る】
正直言って魔道具はなんも関係ないけど…ガイトウが捕まっちゃったんだ、なんにせよここで戦って取り返さねえと…!
【決意の瞳でギニョールを睨みつける影又…しかし一方のガイトウは】
「(くそっ…くそっ!これじゃあ俺はただの足手纏いじゃないか…!最近はいつもそうだ…戦い力になれない、その上研究もグスタスクとの共同作業ばっかり…しかもあの作業に俺である意味はあったのか?今の俺に…価値はあるのか?復讐もできてない、影又の力にもなれない……強くなっていくあいつの背中を、見守ることしかできないのか……?!)」
【ガイトウの憎悪と後悔、それは惨劇の始まりに過ぎなかった】
「始めるぞ、ギニョー…」
ヒュヒュヒュン!
「な?!」
【影又がデュエマを始めようとすると、カードが飛来してきて無理矢理デッキの中に入ってきた】
さっきの魔道具か!?くそっ、デッキから取り除いて……
「ダメか…!」
【謎の力が働き、何故かデッキをまともに操作できなくなってしまった】
「どうかしましたか?早く始めた方がよろしいと思いますがねえ」
「…わかったよ、始めるぞ」
どうなるかはわからねえけど…今はガイトウを助けるのが優先だ…!別にこのデッキには無月の門のカードはないし、魔道具だってただのクリーチャーだ!
「「デュエマ!スタート!!」」
影又:影の中に潜むモノ
ギニョール:闇に潜む魔力
【影又vsギニョールのデュエマ!その立ち上がりは決して良好とはいえなかった】
影又:2ターン目
「2マナで凶鬼28号ガツンを召喚してターンエンド!」
ギニョール:3ターン目
「私のターン…呪文!
「ぐっ…破壊されたか…」
【影又の動き出しのためのカードをことごとく妨害されてしまい、うまく動けずにいた】
影又:5ターン目 シールド4枚 クリーチャー0
「くそっ…!」
まずい…ほとんど動けていないぞ今…!墓地も全然溜まってないし…これじゃあグスタフ様どころかミザリィ達もまともに使えねえ…ここで何か引くしかない!
「ドロー!っ!?」
【引いたカードは…】
堕魔ヴォガイガ…確かに墓地を増やすには申し分ないカードだけど、本当に使っていいのか?こんなモノ……だけど…
【チラリと視線を向け、苦しそうに吊り下げられているガイトウが目に入る】
…あいつのためだ、多少なら問題ないはず…!
「堕魔ヴォガイガを召喚!能力で山札4枚を墓地に!そして破壊されてたガツンを回収だ!」
「やはり魔道具を…しかも使ってくるとは…ふふふふ、そんなに彼がご心配なのですねぇ」
「っ…うるさい!さっさとしろ!」
墓地に落ちたカードのうち2枚はまた魔道具…!どうなってるんだ、そんなに置き換わってるのか…?それともこいつらが、引き寄せられてる…?
ギニョール:6ターン目 シールド5枚 クリーチャー3体
「言われなくとも…それでは少し大きく動きましょうか」
「私は闇の執事…暴き、欺く…」
「全てはゼーロ様のため…闇の血!闇鍋!…闇取引!全ての闇を従え…お使えするのです!」
「ギニャ!ギニュ!ギニョーール!ドローー!!」
「では…お見せいたしましょうか…堕魔ドゥリンリを召喚…これにより、墓地とバトルゾーンに魔道具が2枚ずつ!」
「まさか…!」
「よって開くのです!無月の門よ!!」
「凶鬼卍号 メラヴォルガルを、バトルゾーンに!!」
「その登場時効果で!貴方のシールドを2枚ブレイク致します!」
シールドチェック× ×
「くっ…!」
「さらに私のシールドも2つ破壊される…」
シールドチェック× ◯
「来ましたよ!シールドトリガー!
「くそっ…!」
ダメだ、墓地の枚数が足りない、絶龍返零が発動できない…!
「さあ行きなさい!Wブレイク!!」
「シールド…チェック!」
シールドチェック× ◯
「っ……!?」
「どうしました?シールドトリガーがなかったのですか?」
「ぐっ…くうっ…!俺はここで…勝つ!!」
「シールドトリガー堕魔ドゥグラス!ブロッカーの魔道具だ!」
「ほほう…それならば仕方がありませんね…ターンエン…」
【ギニョールがターンエンドしようとしたその時】
「ヴォガガガガ!」「ドゥグララ!」「ドゥポポポ!」「ドゥシザザザ!」
【バトルゾーンと墓地の魔道具が2枚ずつ飛び上がっていく…これ即ち】
「まさか…無月の門!?」
「な、なんでだ!?俺のデッキにそんな能力を持ってるやつはいないし……そ、そもそも俺はそんなの発動しようとしてない!止まれ!!」
【止めようと手を尽くすが、動き出した魔道具達は止まらない…そして…ガイトウの真上まで移動した】
「い、一体なにを…」
「そうか、そうなのですね、これが貴方達の魔道具の力なのですねぇ!!」
「ぐっ!?」
【魔法陣のような形になった魔道具達から、雷が発射されてガイトウを撃ち抜く】
「ぐああああああ!!」
「ガイトウ!!くそっ!やめろよ!!」
「うぐっ…ぐううう…!」
「これは素晴らしい!!みたことがないですよ、こんなものは!!」
「うおおおおお!!!」
【雷に打たれたガイトウから一際大きな闇のオーラが放たれて…魔道具の魔法陣を頭に乗せたまま、新しい姿で現れた】
「が、ガイトウ……だよな……?」
「は、はははは…!」
【その姿は以前のものとは全く持って違う、恐ろしさだけではなく悪意や憎悪を感じる姿だった】
「ぐっ!うううっ!!」
「っ!お、おい!大丈夫か?やっぱり辛いんじゃ…」
【心配そうに声をかける影又をよそにゆっくりと起き上がるガイトウ】
「ははっ…こ、こりゃいいぜ影又…!」
「はぁ…?」
「身体中から力が溢れてくる…!そうだ、これだ…これを求めてたんだ…あんな奴ら、全員この世から消し去れるくらいの…圧倒的な!力をなぁ!!」
【そう言いながら片手を上に上げると、ガイトウの力が発動する】
ヒュヒュン!
「墓地のカードが!?」
「2倍になった…!」
「そして俺様のもう一つに能力!!コストの合計が今墓地に送ったカードの枚数以下になるようにクリーチャーを破壊する!!」
【ギニョールのバトルゾーンに居るアタック可能クリーチャーを破壊するガイトウ】
「素晴らしい力です!!流石は無月の門!!」
「このまま一気に叩き潰すぜ影又!!」
「あ、ああ……」
影又:6ターン目
「ガツンを召喚、呪文を唱えて墓地を増やす……そんで、ガイトウでシールドに攻撃…!」
「いくぜぇ!Tブレイク!!」
「実に、実に面白い!これがこの先ゼーロ様に盾突く力!!」
シールドチェック× × ×
「ですが…このままでは私にとどめはさせませんよ?」
「いいや、まだ終わりじゃねえ!俺様のもう一つの能力!返零発動!!」
「墓地のカードを7枚山札の下に置くことで、俺様はアンタップだ!!」
「なんと!!!」
「そのまま俺様が!ダイレクトアタックだぜぇっ!!」
「ふふふ…ふふふ!楽しみにしていますよ!反逆者の皆様方!!」
【そう言いながら吹き飛んでいった】
「俺様達の完全勝利!!」
「やってやったぜ…どうだ、これが俺様の…ちか……ら……」
【無月の門が解除されて元の姿に戻った途端倒れてしまう】
「ガイトウ!大丈夫か?しっかりしろ!!」
「大丈夫だ…それより…強かっただろ?俺様……」
「っ……」
「へへ…これなら、俺様も…もっとお前の役に…立ててやれるぜ…へへへ……」
ダメだ、こんなこと…いくら強くやって、こんなにガイトウが苦しんで…こんなこと、俺は正しいと思えない!!
卍影月ガイトウ
コスト:8
パワー:12000
能力:
無月の門・影(自分の魔導具をバトルゾーンに出した時、自分の魔導具をバトルゾーンと墓地から2つずつ選び、このクリーチャーを自分の手札または墓地からそれら4枚の上にコストを支払わずに召喚する)
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、下にカードが4枚以上あるなら、墓地の枚数と同じ枚数のカードを山札の上から墓地に置く。そうしてコストが墓地に置いたカード以下になるように相手のクリーチャーを好きな数選んで破壊する
返零:このクリーチャーのアタック終了時、墓地から7枚を山札の下に送っても良い。そうしたらこのクリーチャーをアンタップする