「ん…あれ…?俺、寝てたか…?んぐぐ…って、いでで…」
【体が少し痛むことを気にしながら、体を大きく伸ばす、デュエル中の重圧などから、やっと解放されたかのように】
まあ、こんだけ目覚めが良くても、真っ暗なんだけどね…闇文明はさ…しかし…なんだ?ベッドがやたらふかふかと言うか…こんな感じだったっけ?
「ああ、目を覚ましたか」
「うん、おはよ……………アルブサール様ぁ?!な、なんで?!」
「ん?なぜかと言われてもな……お前がデュエル終わり気絶したから、こちらに連れてきただけだが…」
「ありがとうございます…じゃなくて!どうして同じベッド!?」
「いや…この屋敷、ここと応接室以外全部武器作る部屋だから…」
「偏りすぎじゃないですか?!」
「グスタスクがのびのびと制作できるようにと…中華風中世風様々な武器を作るための部屋が用意されている!」
「自信満々に言われましても…別に俺なんて応接室のソファにぶん投げてくれればよかったのに」
「そこはほら…我の見た目をさ…見ればその…大体、わかるだろ?」
「………?」
「騎士だろ?やはり主人をそう言う扱いにするわけにはなあ…」
「…アルブサール様ってそう言うことを考える理性残ってたんですね」
「馬鹿にしてるかお前?」
「ああいえそんなまったく…あれ?と言うか俺どれくらい寝てました?」
「あ〜…多分1週間くらいか」
「ああ1週間…1週間!??!」
「え?お、おお…どうしたいきなり?」
「や、やばいやばいやばい!1週間も学校サボってたことになるじゃないですか俺!!今すぐ行かないと!!」
「学校…ああ、人間の教育機関だな!やっぱりまずは西洋刀の使い方か?」
「俺つっこまないですからね時間ないんで!!!あーまずいまずい叱られる〜!!」
【そのまま部屋を飛び出していく影又】
「…無礼を働いたらその場で首吹っ飛ばされるとか考えないのだろうか、あいつは…まあ、そう言うところも悪くはないな」
「…しかし…」
【チラリと窓の外に顔を向けると、ある地点が不気味なほど光り輝いている】
「DG…か…」
「ガイトウ〜〜!!いるか〜〜?!」
「うお?!もしや…影又!お前もう動いて大丈夫なのか!?と言うか起きたんだな!よかった!」
「そりゃいいけど時間的にもう出ないと大変な気持ちになるから、荷物くれ!そんでゲート開けて!」
「ああ、学校か!ほれこれ鞄!後通話機な!」
「サンキュー!とりあえず今日の学校には間に合えええ〜!」
【こうして闇文明を飛び出して行った影又、結果は…】
「1週間も休むなんて何がどうしたんですか?影又君」
「いやあ、ははは…家にムカデが出まして…」
「ムカデで…?」
「そ、そりゃもう俺よりもでかいムカデですよ、ははは…」
「…まあ、詳しいことはまた後日にしましょう…席に戻りなさい」
「はい、ありがとうございます…」
【トボトボと元の席に戻った影又】
まさか1週間も寝込むとは…ジョーとかボルツとの差を感じるなあ…俺の方が最初から闇文明にいたはずなんだけどなあ…まあ、庇護下だったからって話か…
「影又〜〜!!」
「うおあっ?!あ、ああジョーか…ど、どしたの一体…」
「デュエマ!できるよね!ねぇ〜!」
【影又の両方を掴み、ぐわんぐわんと揺らしまくる】
「ちょ、落ち着いてよ!何事!?デュエマぐらいシャチョー達とか、ウサギ団とか色々いるじゃん!」
「みんな「最高商店」に入り浸ってるんだよ〜!学校終わったらいつもそっちに行っちゃうんだよ〜!」
「あ、安直な名前だな……」
「うう…でも、影又はもしかして行ってないの?」
「うん…まあ、色々あって存在すら知らないかな」
「よかった〜…」
「てか、キラさんとかボルツは?」
「ボルツなんか最近付き合い悪いんだよねー!忙しいとか言って!」
「へ〜…」
「……キラは…その…ごめん、話すのは、また次の機会とかでいい?」
「…了解!まあ色々あったんだろ?俺もだよ!」
「うん、ありがとう…」
なるほどね…ガメッシュとのくだりが終わった後の話か…つまり、もうDGは……まあ、今の俺には関係ないし、気にしても仕方ないか
「あはは…そういえば、そう言うジョーは行ってみたの?」
「いや?ラーメンとか、風のガンマンの特番を見るのに忙しかったから」
「ふぅん…それにしても、みんながデュエマをほっぽり出すほどの商店かあ…気になるなぁ…」
「えー?!だ、だだだめだって!影又まであそこに入り浸っちゃったら!」
「大丈夫大丈夫!どうせなんとかなるって!逆にジョーは気にならないの?」
「いやそれは…気になりはするけど…」
「でしょ?だったら行ってみるしかないでしょ!」
「むう…まあ、確かに…それじゃあ今日の放課後ね!」
「了解!」
「ふう…しかしまあ、みんなが夢中になる商店ねぇ…」
「お前がそう言うのに興味持つなんて珍しいな?」
「ん〜…まあ、十中八九アレかなぁって…」
「アレ?」
「まあ…行ってみればわかる」
「ふーん…」
【こうして放課後、件の商店に辿り着いたジョー達】
「おお…これが最高商店…確かに色々売ってるけど、最高って程なのかね?」
「うお〜〜!すっげ〜〜!」
「え!?」
「見てよ影又!風のガンマンの限定グッズだよこれ!俺が何回応募しても当たらなかったのに!」
「あ〜!ここには宇宙全てのラーメンについて書かれてるガイドブックまで!めっちゃすげ〜〜!」
「ず…随分と客の需要がわかってるんだね、この店は…ハハ…」
【チラリと他の客の方に目を向けると】
「は〜…♡ジョニー様の写真集があったなんて〜!」
「ワタシの知らない料理が大量に!これぞ完璧なレシピ本です!」
「カバですメェ!カバですメェ!」
「ずっと欲しかった最高レアカードプリ〜!!」
なるほど…なぜか理由はわからないけど、どの客にも需要が完璧なものを売ってると言ったところか…
「まあ「アイツラ」も、悪気があってきてる奴らの方が少ないもんな…ん?」
【すると影又の目の前にも商品が現れる】
「ん?それは…フィギア?グスタフの?いつの間に作られてたんだそんなの」
「……………」
「(ククク…いいぞ…そのまま手に取れ!闇文明のマスター候補!)」
「(全てが計画通り…!客を喜ばせることで、貴様の耳にこの店舗のことを知らせて釘付けにさせて、デュエマをやめさせれば、私のミッションは完遂だ…!クク、自分の手は汚さず成果を作り出す…これぞ私の経営理念…!)」
「ぬああああっ!」バキィッ!
【そのグスタフのフィギアを地面に思いっきりぶん投げる影又】
「「……え……」」
「「ええええええええ?!?!」」
「な、何やってるんだよ影又!?それ売りもんだぞ!?壊すなよ!?!?」
「こんなアルブサール様のことを1mmも再現できないフィギアを売る店の商品なんて知りませんよ」
「お前なんか発想過激じゃない?!」
「き!貴様!私の店を荒らすんじゃない!!」
【すると奥から店主と思われる人物が飛び出してくる】
「ほらお店の人出てきちゃったじゃん!早く謝って…」
「やーっと出てきたか」
「はい?!」
「さっさと出てきてくれたらこんなことしないでもよかったんだけどな…デュエルウォーリアー?」
「ギクゥ!?」
「あ、あいつデュエルウォーリアー…?た、確かに闇文明のパワーを感じる…?な、なんでわかったんだ?」
「うーん…闇文明の勘?」
「なんじゃそりゃ?!」
まあ…実際問題、こんな感じのことが起きる時は99%の確率でデュエルウォーリアーだからなぁ…
「ま、まさかお前に正体がバレてしまうとは…私のモットーが…だがよかろう!」
「私の名はアラン・クレマン!今ここで貴様を討ち滅ぼしてやる!」
「ふっ…やってみろよ…ガイトウ!準備はいいか?」
「ああ!もちろんだ!」
【2人はデュエルフィールドへ運ばれていく】
「「真のデュエル!スタート!!」」
影又:死すらも超越!軍勢見参!
アラン・クレマン:顧客と私の信頼関係!
『マスターカードを手に入れた影又の初の真のデュエル!影又はいつも通り墓地にカードを増やして順調な滑り出しを見せる!』
『一方のアラン・クレマンはなんと闇文明以外のカードがマナゾーンに存在!一体、どんなデッキなのか!?』
影又:シールド5 クリーチャー1
アラン・クレマン:シールド5 クリーチャー0
アラン・クレマン:ターン3
「ふっ…それではそろそろ、私の戦術を見せてやりましょう…出てきなさい!ロロカゲディ!」
「キズナプラス持ちのクリーチャーか…」
「その通り!私の強さは顧客との信頼関係!貴様なんぞに負けはせん!ターンエンド!」
影又:ターン3
「はっ!言ってくれるじゃねえか…だけど、こっちだってキズナならあるぜ!スタフをジャリにNEO進化してシールドブレイクだ!この時キズナプラスで、手札を一枚捨ててもらうぜ!」
「ふむ…ならばこれを捨てるか」
「そのまま行けぇ!」
シールドチェック◯
「ククク…その程度では私と顧客の絆は引き裂けない!シールドトリガー、青守銀シャイン!登場時能力のキズナでロロカゲディの能力を発動し、マナを一枚増やす!」
「チッ…!ターンエンド!」
アラン・クレマン:ターン4
「ククク…その程度では私の絆は止まらん!」
「まずは音石トルコイをシャインにNEO進化!お次にロロカゲディにロロカゲディをNEO進化!そして両方攻撃する時キズナプラスを発動だ!」
「げげっ…!マナが増えたし、次のターン攻撃できねぇ…!トリガーは…」
シールドチェック×
「ダメか…!」
「そして音石トルコイはスタフとバトル、相打ちだな…ターンエンドだ」
影又:ターン4
まあかなり削られてはいるが…相手の手札は残り少ない、そこまで心配することないだろ…
「ジャリを2体召喚して能力を発動、ターンエンドだ」
アラン・クレマン:ターン5
「ククク…それではいくか!マイト・アンティリティをロロカゲディにNEO進化だ!」
「なっ!?」
「登場時能力で、墓地のカードをマナに送れる…無論、音石トルコイとシャインだ!」
「こ、こいつ…!」
「だが、ここは一度ターンエンド…次のターン、貴様に恐怖をたっぷりと植え付けてやる!」
「おい、やばくないか影又…!」
「だな…」
影又:ターン5
まだアルブサール様が真の実力を発揮するためのエサが足りない…ここは展開して終えることしかできないか…!
「チャージして…カベドンとシモール・ペトルを召喚!ターンエンドだ…」
アラン・クレマン:ターン6
「ククク!それではそろそろ終わらせてやるとしようか!」
「私こそが…闇文明史上最高の商人だ!」
「いいものを仕入れ!いいものを売り!いい関係を作る!これぞ至高の商売なり!」
「さあさあ皆さんお立ち合い!切り札登場のお時間だ!ドロー!!」
「凶鬼38号キリーを召喚し…さあ出よ!アラン・クレマンをNEO進化で召喚だーー!!」
「あれがあいつの切り札…!」
「では!まずはマイト・アンティリティで攻撃する時にキズナプラス発動!マナゾーンからシャインを召喚しつつ、ロロカゲディの能力を使用する!」
「攻撃はカベドンでブロックだ!」
「その程度は問題じゃない…シャインのキズナにより、マイト・アンティリティの効果を再び発動!音石トルコイをシャインにNEO進化し、攻撃時キズナプラス!」
「またアンティリティの能力が…!」
「その通り!いでよゴアジゴディ!そしてシールドブレイク!」
シールドチェック×
「……まずい……」
「さあ、準備完了だ…アラン・クレマンで攻撃する時、キズナプラスすら超越する最強の能力が目覚める…名を…」
「キズナコンプ!!能力により、バトルゾーンにいる全クリーチャーのキズナ能力を発動だ!!マナを増やし!マナからクリーチャーを召喚し!相手のクリーチャーを一体破壊!」
「さらにトルコイの能力でクリーチャーを一体動けなくした上で、ゴアジゴディの能力でアラン・クレマンをトリプルブレイカーに!!」
「マジかよ…!」
「さあ!闇の底で自分の行いを恥じるがいい!トリプルブレイクだーー!!」
「………」
「か、影又…!」
シールドチェック× ×
◯
「シールドトリガー…発動だ!」
「おおお!」
「ぐっ…!」
「スーパーシールドトリガー、スカルベント・ガデス!能力で攻撃可能なクリーチャー2体を破壊だ!」
「ぐっ…命拾いしたか…!だが、次のターンになれば…!」
「悪いがそいつは来ないぜ…スカルベント・ガデスのもう一つの能力でジャリを再びバトルゾーンに!」
「墓地に必要な量のカードが揃った!」
「さあ…行くぜ…!」
影又:ターン6
「先にあるのが、暗い闇でも、絶望の未来でも、どうにもならない明日でも!」
「俺は進む!そして引く!俺自身を貫くために!誰かの希望を絶やさないために!!」
「うおおお!ドローー!!」
「ふっ…消し飛ばしてやるぜ、この劣勢!」
【すると、バトルゾーンにいるクリーチャーやマナが溶け始める】
「な、なんだ!?何が起こって…空が暗い!?」
「お前も、感じるだろ…?闇文明のマスターが、降臨するんだぜ…!」
「闇文明の…マスター…?!」
「さあ!クリーチャーとマナを生贄に!出てきてください!」
「軍乗!アルブサール!!」
【飛行機のようなものの上に立つ】
「ふっ…はああああ!」ズドォン…
「ご苦労だったな、我が配下達よ…あとは我が突き進むのみ!」
【そう言いながら、溶けたクリーチャー達を切り裂いて現れた】
「こ、これが…マスターカード…!」
「能力発動!パワー3000以下のクリーチャーを墓地から3体バトルゾーンに!そしてNEO進化を持つクリーチャーまたはパワー4000以下のクリーチャーも3体までバトルゾーンに!」
「な、なんだと!?」
「そして軍乗・アルブサールの能力により、俺のクリーチャーはバトルゾーンにいる自分のクリーチャー分パワーがアップして、パワードブレイカーになる…さあ、一斉攻撃だ!!」
「ぬ、ぬおおお?!」
シールドチェック× × × ×
「そ、そんな…私の絆が…顧客との信頼関係が……負けた……」
「…軍乗・アルブサールで、ダイレクトアタック」
「(だが…ここまでで見れた、お客様のあの表情…もはや、悔いはない……)」ズドカーン
「我らの勝利!進軍完了!」
「…さて、大丈夫か?」
「…私は、死んでいない…?何故…?」
「そりゃ、殺してないからな」
「わ、私は負けたんだぞ!さっさと殺せ!!」
「闇文明だろ?わざわざ殺しても意味なさそうだしな〜」
「なっ!?」
「…冗談だよ、悪かったな」
「へ?」
「…お前は確かに、デュエルウォーリアーだったけど…客への想いとかは本物だった…なのに商品壊したりしたから、悪かった」
「お前…」
「なんでこんなことしたんだ?その様子じゃクリーチャーワールドでも商売できてたんだろ?」
「……何故だかいきなり、避けられるようになったんだ」
「…ほお」
「闇文明は危険だ、侵略者だ、あんなところのもの買ってられるかって…」
「なるほどな…」
まあ、水とか自然への侵略の話が広がったってことか…こいつもガイトウと同じ、今の闇文明の被害者だったんだな…
「そんな具合で経営難に陥った時に…7王様から呼び出された」
「?!」
「お前を消せば、商品も売れるようになるって…だから俺は信じてお前を誘い出したんだ」
「そうだったのか…」
「くだらない話だろう…?自分で話しても思ったさ、私は自身の無才能を、お前に押しつけただけだった」
「…そうかね?」
「え?」
「お前は、結局客が喜ぶのが見たい優しいやつなんだろ?だからそんなに必死になれたんだ」
「……」
「なあ…俺たちと一緒に来ないか?お前の商品が売れなくなった原因は、お前のせいじゃない」
「ど、どういうことだ…?」
「かくかくしかじかって感じでな…」
「そうだった…のか…すまない、私は本当に…愚かだった…」
「…話の続きだ…お前の、また楽しい商売のために…一緒に来ないか?」
「……こちらこそだ!貴様の反逆、私も仲間に入れてくれ!」
「へへっ!そう来なくっちゃな!」
【影又はアラン・クレマンの手をがっしり握って立ち上がらせた】
「アルブサール様、こいつもついでに屋敷の中で過ごさせてやっていいですか?」
「好きにしろ、私はいつも通り留守にしてるからな」
「ご厚意に感謝する、アルブサール殿…そして、影又殿!」
「これからよろしくな!アラン・クレマン!」
『こうして、アラン・クレマンを新たに仲間に加えた影又なのだった!』
「…しっかし、だいぶ追い込まれちまったな…アルブサール様の力があるとはいえ、慢心しちゃ駄目だ」
【キラの家】
「キラ…わかっていますね?何が起きているか」
「はい…お母様…」
「まさか闇文明のマスターカードが、もう誕生してしまうとは…」
「はい、ですが必ず見つけ出して、俺の正義で…」
「いえ、もう誰かは特定できています」
「えっ!?」
「影又清一…彼が闇文明のデュエルマスター候補です」
「そんな…影又、なんで…!」
「キラ、貴方は彼と真のデュエルをし…倒しなさい」
「っ………わ……わかりました……」
「苛烈な戦いが予想されます…これを渡しておきましょう」
【キラに1枚のカードを手渡す】
「これは…まさか!?」
「第3の紋章…断罪スル雷面ノ裁キ…紋章は3つ揃って真の効果を発揮します…ですが、できる限り使わないよう心がけなさい、果てしないパワーを秘めています、何が起きるかわからないのです」
「(影又…)」
【ジョーと影又が、楽しそうにデュエマをしていたあの時の光景が目に浮かぶ…だが】
「…わかりました…正義を…!」
【彼はもう引けなかった】