Forever見て、見切り発車でアナザー電王で何か書こうとした結果生まれたよく分からない文章です。
執筆中の中で埃被ってたので供養致しますm(*_ _)m

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ほぼアナザー電王

「チッ…想定外だよコンチクショウ。こんなことってあるかよ……」

 

舌を打ち、ボヤきながらしゃがみこむ人影は、一般的な人とはかけ離れた姿をしていた。

 

山羊のツノのごとく剃り上がり、先端に連れてねじ曲がった複眼は、見方によっては鬼のツノにも見えるほど。

 

身につけた鎧のようなプロテクターから、だらりと垂れ下がる布、及び各所に設けられたパーツから、どこか和風のようなイメージも見て取れる。

 

ではこれは鎧なのか?……と思えば実は違う。

 

よーく見てみれば、顔面下部に閉じられた口が見て取れる。それも、これでもかと尖った鋭い牙がビッシリと。

 

ならコレはいったいなんなのだろうか?……その答えは、当人ですら知らない。

 

「それによ、なんなんだよこの姿?こんなん電王のパチモンじゃねぇか」

 

パチモンと言うからには、オリジナルが存在しているのだろう。口ぶりから察するに、そのオリジナルとはあまり仲がよくないのだろうが。

 

「電王にやられたからか?だからってこんなこと……糞が」

 

拾ったその辺の石を怒りの滲んだ腕で投げ付ける。

 

「イメージの暴走だかなんだかでギガンデスになってねぇのは幸いだけどよ」

 

また拾った石を投げ付ける。

 

「でもだからってこれはねぇだろ」

 

また拾った石を投げ付ける。

 

「せっかくの契約を邪魔しやがって…そもそもあいつらも同類の筈だろ…!」

 

……どうやら相当鬱憤が溜まっているらしい。

 

「がぁぁぁムカつく!って、イッテェ!!ツノ糞邪魔なんだよ糞が!」

 

頭をかきむしるも、ツノのような複眼が邪魔するせいで、余計に怒りが爆発。

 

「糞ッ、糞ッ、糞ッ、糞ォッ!!――ってあら?」

 

と、そこでふと動きを止める怪人。

じっと己の体を見つめたのち、ぺたぺたとあちこちを触り始めた。

 

「そういや俺…なんで実体保ててんだ?」

 

なんとも不思議なことを言う怪人だ。自分が形を保っていることを不思議に思うとは。

 

「赤色の電王に俺の必殺技パート2とやらで斬られて…俺は死んだ筈だろ」

 

その時を思い返したのか、ブルりと体を震わせる怪人。まるでスマホのヴァイブレーションのようだ。

尚、恐怖がぶり返したか体を触るスピードも高速化、熱を持つ部分が散見し始めている。

 

「なんで生きてんだ…?しかも、この体……訳分かんねぇよ!」

 

ブンブンと首を振り、勢いよく立ち上がる怪人。不安げに周囲を見回す姿はまるで怯えた子犬のよう。

 

「で、電王が近くにいるってことは…ねぇよな?い、いねぇ筈…だよな?」

 

よっぽどその電王が怖いらしく、ガタガタと震える手が腰の短剣を掴む。

 

「武器は短剣が4本か……こんなんじゃあいつらに勝てねぇ…!もっと、なんかないのか!?」

 

眩しくなるほどの晴天に向かって叫ぶ怪人だが、当然ながら、その呼び声に応えるものはいない……訳でもなかった。

 

警笛の音が鳴り響き、空の一部に円形のワープホールのような何かが出現、レールのようなものが伸びてきた。

 

「あ、あれは…!?や、やべぇ!早く隠れ……いや来てるってことはもう見つかってんのか!?」

 

怪人がわたわたと慌てふためく間にも、レールはどんどんとこちらへ向けて伸びて来る。

 

終いにワープホールの奥から、列車の走行時に聞こえるジョイント音のような音まで響いてくるようになり、それを耳にした怪人の身もまたぴしりと固まる。

 

「で、電車の走行音……いやだ、嫌だ嫌だ嫌だァ!死にたくねぇ…死にたくねぇよぉ!!」

 

発狂する怪人。

狂ったように頭を振るう怪人が膝をついたと同時、遂に全貌が顕となる。

 

「ヒィィィ!?……おん?」

 

レールの上を走行し、ワープホールから飛び出してきたのは、一本の列車だった。

 

しかし、その列車には奇妙な部分がある。

 

ちなみに、空中に敷設されたレールの上を走る時点で大概とはいえ、そこを言及すると終わらなそうなので省くものとする。

 

改めて、何が言いたいのかと言うと、全八両編成から構成されるその列車の先頭車両が、地上でぽかんと立ち尽くす怪人の頭部と非常に似ているのだ。

 

「電王の時の列車……だよな?なんかすげー悪人面になってるけど」

 

怪人はまだ気付いていないらしい。電王が乗っていた時の列車"デンライナー”との差異に困惑している。

 

まあその気持ちも理解できる。時の運行を守護者という、所謂正義側に立つ戦士の乗り物にしては、あまりにもヴィランチックな見た目で受け入れ難いのだろう。骨とか付いてるし。

 

そう、この列車の名は”アナザーデンライナー"。

アナザーライダー誕生により歪められた、悪のデンライナーとでも呼ぶべき時の列車であり、異なる世界線においては、某スーパータイムジャッカーの移動基地として稼働していた車両だ。

 

そして、そのアナザーデンライナーと酷似した頭部を持つ怪人にも名前がある。

 

その名も”アナザー電王"。

 

2007年の仮面ライダー、仮面ライダー電王のアナザーライダーであり、変身者が2人、それぞれが刻まれる年代が異なる別個体として存在する。

アナザーライダーの中でも、少し特殊な立ち位置に立つ怪人の1人。

 

詳細な能力は割愛するが、アナザーデンライナーを召喚・使役する能力を有し*1、装備した4本の短剣を用いて、短剣状のフリーエネルギーを操作可能。

他には、ちょっと高速移動したり、クラッシャーを開いて中身である変身者の顔を露出させることもできる。

 

……ちなみに、上記はあくまでも本物のアナザー電王の話であり、絶賛腕組んで首傾げているこのアナザー電王(?)のことではない。

 

ここにいるのは、電王に倒された恐怖と、爆発四散したイメージという特殊な状況の中から、たまたま色濃く残った電王の要素が強く出力された結果、『電王に酷似した姿、同じ能力を有する怪人』の要素を持ち、尚且つ『抹消された存在』であるアナザー電王(2007)に影響を受け過ぎた哀れなイマジンに過ぎない。

 

不幸な事故を受け、寺生まれのTさんならぬ、タイムジャッカーのTさんの後ろで爆発四散*2した筈の、アナザーデンライナーと能力で紐付けられているのを見るに、ただのイマジンとは言えなくなっているのかもしれない。

 

契約者の記憶にある、童話や物語等のイメージから怪人としての姿形を作るという性質状、一つの歴史そのものを内包したと言っても過言ではない、アナザー電王というアナザーライダーの要素に完全に呑まれていないだけマシなのだろうが。

 

「……やっぱこっち来てる?」

 

アナザー電王もどきの言葉の通り、アナザーデンライナーはレールを敷設しながら絶賛接近中。

 

当人には知る由もないが、主の「もっとなんかないのか!?」という言葉を命令として認識、ルート変更を経て時の砂漠から飛び出してきた形になるため、アナザーデンライナーにはなんの非もないだろう。だってそういう能力だし。

 

「か、形が変でも電王は電王だよな……に、逃げ」

 

迫り来るアナザーデンライナーから逃れるべく、手足をばたつかせながら走り出すアナザー電王もどき。

 

しかし悲しいかな、いくらイマジンといえども、高速走行を行う時の列車に敵う筈もなく、速攻で追いつかれた。

 

「ぅ、ぅぅ」

 

真横に停車したアナザーデンライナーをビクビクと見つめるアナザー電王もどき。

 

「……?」

 

暫くそうしていたアナザー電王もどきだったが、いつまで経っても電王が出てこないことに疑問を抱き、顔を上げる。

 

「出て、来ないのか?――ヒッ!?」

 

恐る恐るドアに忍び寄ったアナザー電王もどきに、まるで迎え入れるかのように扉を開くアナザーデンライナー。また怯えるアナザー電王もどき。

 

「……やっぱ、降りて来ねぇ…よな?」

 

爆散という憂き目にあったとはいえ、アナザーデンライナーは確かに、その役目を終えた時の列車である。

 

時の列車にはそれぞれ管轄する時間が存在しており、担当している時の運行を乱す者が現れた場合、列車に対応する時の戦士が対応、正常に戻すという役割を担っている。

 

しかしアナザーデンライナーの場合は事情が異なる。

 

アナザーデンライナーが走行していた、言わば『Tさんによって書き換えられた時間』は、Tさんおやすみgood night☆によって元通りになった=消えて無くなったという事になる。

 

そのため、結果的には、消滅による通常業務からの離脱という編纂を辿った仮面ライダーゼロノスのゼロライナーのように、比較的自由な停車が可能な状態となっているのだ。

 

そのような事情があるので、こうしていつまでも停車し続けられる――という訳でもない。

 

時の砂漠の中ならばともかく、ここは現実世界である。駐禁切られるよりも酷いことになるのは目に見えている。

 

「中は……うぉ!?」

 

扉を潜り、車両の内部へと足を踏み入れた瞬間、アナザーデンライナーが駆動音を鳴らし走り出す。

 

「な、なんで急に走り出すんだよ!?」

 

怯えが多大に含まれた怒号をあげるアナザー電王もどき。しかしアナザーデンライナーは止まらない!

 

空へ向けて次々にレールを敷設、開いたワープホールへと一直線に飛び込んだ!

 

「え、ぇぇ、ぇぇぇ……ぇぇぇええ!?!?」

 

時の砂漠内に敷設されていたレールと合流、本線を走り始めるアナザーデンライナー。

ある一定速度まで達した後、加速をやめ、その速度での巡航運転に移った。

 

「どうなってんだよ、いったい」

 

足腰から力が抜け、座席のクッションへと身を沈ませるアナザー電王もどき。

 

車窓から見れる景色を覗く余裕すらないほどに疲弊している。どうやら精神をすり減らし過ぎたらしい。

 

「生き残ったかと思えば電王のパチモンっぽくなるし…急に時の列車も出てくるし……あとこの列車なんか趣味悪ぃし」

 

外見もそうだけど、とりあえず内装もうちっと何とかならなかったんかね、などと嘯くアナザー電王もどき。

 

「つーか、そもそもの話、まずこの列車どこ向かってんの?そこ知りてぇんだけど」

 

基本的に、それぞれの時の列車は、内蔵するスーパーコンピュータの自動制御により、各々がアカシック・レコードに沿って運行されている。

それはこのアナザーデンライナーであっても例外ではない。

 

そのため、どこに向かってるのかと問われれば……うん。

 

時の列車、アナザーデンライナー

次の駅は、過去か?未来か?

*1
『仮面ライダージオウ』においては、なんらかの改変が行われたのかアナザーデンライナー関連の能力を有しておらず、なんなら2007年の方のアナザー電王は存在自体が無かった事とされている

*2
尚、Tさんはニチャアと笑っていた


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