モンスター(色んな意味を含む)バース 作:幻魔拳
それは、仲良くなったラドンくんと散歩していたときの事だった。
『ここに地底世界への穴あったっけ?』
『無かったと思うぞ。またゴジラが開通させたのかね』
『それやったら俺たちに知らせてくれるから違うだろ』
『だったらなんなんだろうな』
そんな感じの会話をしつつ、なんか様子のおかしい穴を眺める。
そもそもここは太平洋のど真ん中な訳だ。イルカ狩りの途中で発見できたのは奇跡に近い。
物理法則はどうなっているんだ?
なんでここに穴がある?
『火で壊すか』
『出来るんですか?』
『出来る』
ラドンが全身から炎を纏い、大穴へと灼熱の波動を何度も穴へとブチ当てる。その度に穴は揺らぐが、全く塞がる気配がない。
ネルギガンテとラドンは、顔を合わせる。
『どうするかネルギガンテ』
『穴の方へと向かってみるか?一応何処に繋がっているかは確かめておくべきだろう』
カカカ、とラドンは鳴きながら真っ先に穴へと飛び込む。ドブンと海水に浸かりながらドンドン潜っていく。
ネルギガンテも後に続いて穴の道中をボコボコ壊しながら通っていく。
そしてゴールへと到達する……!
辿り着くのはとてつもない悪臭に満ちた空間。分厚い雲に覆われて、常に雨が降っている。
地底世界でも地上世界でもない世界。
『………臭いな』
『だな……』
ザラザラとした岩に降り立ち、翼を休めるラドン。
ネルギガンテも岩肌へ爪を突き立て捕まる。
遠方から来る一体のタイタンを見てネルギガンテが咆哮を上げる。
まるでナイフのような頭の異形や斧のような異形。
青い血を宿した地球外のタイタン。
地球外のタイタンは、匂いで分かる。
『『テメェら誰だよ』』
地球のタイタンと宇宙のタイタンが衝突した。
ネルギガンテは、その刺だらけの豪腕で斧頭を押し倒し、ボコボコに叩き付ける。
ラドンは、ワイバーンのような骨格をしたサソリ尻尾のタイタンに燃える翼を叩き付けた後に首元を鉤爪で締め付け、殺す。
この怪獣溜まりは、数日後霧が散るように消えたがそれが数億も未来で大惨事を引き起こすことをラドンとネルギガンテは知らない。
緑色の体表をした龍が暗雲の中を裂くように移動するは、オゾン層を玉座とする守護者のタイタン。
その名は『レックウザ』。
大地の化身と海底の海神の大戦争を調停した圧倒的強者。
そんなレックウザだが、今現在レックウザは憤怒により我を失っていた。
宇宙から飛来した4体のタイタンが関係していた。
宇宙のタイタンたちは、地球へ飛来してきた途端とあるタイタンに迎撃された。
片目のボルボロス、ジガルデ10%、片角を失ったディアブロス、更にはゴジラに従う強豪のタイタンであるゴロザウルス。
そしてレックウザの戦友として名高いバルファルク。
4体の宇宙から来たタイタン達はその全てを撃破した。
レックウザは、激怒した。地球でここまで好き勝手されたのだ。この4体のタイタンを殺さねばこの怒りは収まらない。
「キリュキリュリリィシィィィイイイイイィィィィィ!!!!」
身体を唸らせながら件の地点に、狙いを定めて破壊光線を何度も撃ち込みながら地面にスピードを緩めずに激突する。土埃が周囲に舞うがそれを絶叫することで吹き飛ばし4体のタイタン『デオキシス』の前に姿を表した。
牙を顕にし、唸り声を上げる。
戦闘開始だ。
「グオオオッ!?」
ドスンとディフェンスフォルムが地面を踏み込むがレックウザの追突を受け止め切れずに地面に跡をつけて行く。
そのまま万力に如き力で腕に噛みつかれて振り回され…レックウザにアタックフォルムが攻撃を仕掛けて離される。
「グォォーーン!?」
レックウザをはたき落とし、至近距離から冷凍ビームを撃ち込む。しかしそれで怯むレックウザではなかった。
アタックフォルムにその長い身体で巻き付いて首筋に噛み付いてから光線を撃ち込んだのだ。
攻撃に割り切った防御力ではこれは防ぎ切れない。
光線が炸裂し、爆発すると同時にアタックフォルムのデオキシスは倒れ伏す。
スピードフォルムが、ビームを連射しレックウザの注意を惹きつける。レックウザは、そのままスピードフォルムを追いかけて空へと飛んでいく。
雲を散らしながら空中戦を繰り広げる両者の援護をしようとするディフェンスフォルムだったが、背後からのバルファルクの一撃でまた倒れ伏せる。
「GUOOOOOOON!」
「グオオォォォォ!」
先程の恨みを晴らすようにバチバチと赤黒いエネルギーを翼から放出して再度叩き付けるが、それを耐え切ったディフェンスフォルムは、ドシンドシンと地面を踏みながら一撃を繰り出す。
ディアボロスもゴロザウルスもボルボロスも起き上がる。
今まさにデオキシスの群れと地球怪獣の壮絶なる戦いが始まる────その直前、空は黄金に染まった。
地球のとある山脈、当時の地球で一番の高さを誇ったその山脈はその日から湖になった。
黄金の力によって破壊し尽くされて、爆風によって命は刈り取られる。
突如として齎された『絶滅現象』、渦巻くエネルギーがタイタン達の不快感を誘う。
その黄金は、多数の光を惹きつけて飛来した。
その光は、黄金の配下だった。
悪食の王、寄生する毒クラゲ、血肉を吸う剛力の蟲、電線を束ねたような電撃獣、森を焼き尽くす生体宇宙船、爆弾の頭を持つ極彩色の異形、多数の目を持つ岩石生命体、そして──今までレックウザたちが戦っていたものより鮮やかな色合いの“本物”のデオキシス。
1、2、3…と数える内に瞬く間に増えていく。
この日、