モンスター(色んな意味を含む)バース 作:幻魔拳
その日、空は黄金に染まった。
命は震え、大地は唸った。空から地球へと降り立とうとする謎の物体を拒むように大気圏の摩擦熱で燃え上がるが効いている様子はない。
黄金の鱗、6つの眼、12本の角、三つの首、二つの尻尾に巨大な翼。
灼熱を帯びた身体にドス黒い血を流した地球の理の外から来た『侵略的外来種』。
すべての首が唸り声を上げながらクレーターから起き上がり、大地に立つ。
地球の全てを喰らわんとヨダレを滴しながら周囲を見渡した。
ギドラの索敵範囲に、己と同じような巨体の生物が現れた。
苔むした巨体を震わせながら迫り来る異形の巨人『レジギガス』。
かつての巨神大戦にて大暴れをしてみせた大陸を引っ張り上げる者。
「ズッ……ズッ……レジガガ・ガ…!」
奇っ怪な鳴き声を上げながら、キングギドラへと迫り寄っていく。それを不気味に思いながらもギドラは引力光線を撃ち込んだ。
引力光線──内部と外側から敵をズタズタにする悪質な技。それをレジギガスは、片腕で急所に当たるのを防ぎながらギドラへと拳を叩き込む。ズゥゥゥンと衝撃がギドラを貫き、右方の頭が吐血したギドラは激昂しながら腕と一体化した己の翼を叩き付ける。
重苦しい音と共に木々が風圧で巻き上げられ、地面に大きな亀裂が走る。ギドラは、レジギガスの身体に噛みつき電流を流すがそれをものともしないレジギガスは、逆に拳を叩き込む。
そして目のような点を光らせ、光線の発射準備に入る。
勝てる。レジギガスは、そう確信した。己は打たれ強く、また攻撃力も高い。ギドラもここまで接近戦を要求されちゃあおしまいのはず。
その考えと共に撃たれる光線。
それは黄金の鱗と共に無数に散らされて消え失せた。
「ギガギガフンフン!ズッ…ズッ!」
「GYUROROROROROROHOONHOON!!!」
レジギガスが、後ずさる。
ポツンと、何か冷たいものを感じとり上を見上げればグングンと分厚く黒い大雨雲がギドラを中心に渦を巻き始めているではないか。
目の前の敵は天候を操作する。
それを理解したレジギガスは、させてなるものかとタックルして短期決着を付けようとする。
付けようとしてしまった。
自身へと向かってくるレジギガスを、前にキングギドラは激しく突進して迎え撃った。空気の破裂音と共に衝突する二つの巨体。レジギガスの身体に長いギドラの首が巻き付いて全身に噛みつく。身動きがとれないレジギガスに、無数の落雷が直撃してしまった。
「ノォォォォォン………」
「GYUROROROOOOO!!」
レジギガスが、黒煙を上げながら倒れる。
それを眺めているギドラはニタニタ笑いながら咆哮を上げ──ようとして真横からの青白い放射熱線で倒れ伏せる。
「GURURURURU…!!?」
「GOGYAAaaaaaaaaa!!!!」
ギドラが、何者だと見ればそこにいるのは黒い鱗に包まれた身体を持つ神の獣『ゴジラ』。
宇宙という未知領域からの侵略者たるギドラへと王たるその威容を示すかのように、その背鰭からは深い海のような青色の光を放つ。
空を見ればデオキシスの分身である『シャドー』の軍勢と戦う炎を纏う悪魔『ラドン』と天空を駆ける翡翠の龍『レックウザ』。
更に山の方を見れば『マッシブーン』と戦うアルシュベルド。
ニヤリと笑う。ギドラは、自身の襲来によりこの星の全戦力がここに向かってくるのを感じていた。
故にここで勝てば最早この星は我らのもの同然なのだ。
ギドラは、咆哮を上げる。この戦いに勝てばこの星は我々のものである。
そう支配した配下に告げて。
宇宙のタイタンと地球のタイタン。
二つの軍勢が衝突した。