ポケットモンスターSpecial Frontier   作:400円

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オリジナル展開を考えるのって難しいですねぇ


狩猟 その①

 

 イワヤマトンネルに入って十数分。アズールとブルーは暗闇に紛れる形で合間を縫うように移動していた。

 まるで闇に紛れる暗殺者の様にひっそりと移動しているその理由はアズール達の目の前にいる黒服の連中が原因だった。

 

「見つかったか?」

「いえ、しかし出口の監視班からも報告が来ていないのでイワヤマトンネル内にいることは確かです」

「ならば良い。何としてもあの青年を捕縛するのだ。協力的でないのなら腕の一本くらいはかまわん」

 

 司令塔の指示に「了解!」と敬礼し、再びアズールの捜索に戻るロケット団員達。

 物陰に隠れていたアズール達はほっと安堵の息を漏らし、束の間の平穏にブルーは胸に詰まっていた不満を口にする。

 

「…なんでこんなにいるのよー……?」

 

 

 ────数分前。

 

 

 イワヤマトンネルに入って間もない内にアズールの表情は強張り、その雰囲気を感じ取ったブルーは「どうしたの?」と問うがアズールは何でもないとはぐらかす。

 ある程度歩いては止まり、適当な話題を振るという行動を繰り返すアズールに疑問符を浮かべるブルーだったが、何度目かの試行で行動の理由がブルーにも理解できた。

 

 そう遠くない位置から聞こえた、自分達の足音に混じっていた別の足音(……)

 足音の正体を暴こうと振り向こうとしたブルーに「振り向かずに気付いてないフリを」と近くに居なければ聞こえないであろう声量で告げる。

 

「…死角になった場所まで行こう」

「…!なーるほどね……りょーかい♪」

 

 作戦の意図を理解したブルーも気付いていないフリをしながら、洞窟内を進んでゆく。

 やがて死角になりそうな曲がり角を見つけた二人は合図もなく一目散にその死角へと駆け込んで身を隠し、正体を確かめる。

 間もなくして慌てた様子で追跡者は後を追う姿を気付かぬ内に二人に正体を晒し、見覚えのある衣装に二人はすぐにロケット団員だと見分けられた。

 

(……ロケット団。お月見山の一件か?)

「ロケット団?何かしたの?」

「ちょっと"運動会"をね」

「…運動会」

 

 間違いなくろくでもない事だと確信したブルーはそれ以上聞くことはせず、ロケット団をどうすべきかを考える。

 

「一旦引き返す?」

「いや。以前の時は入り口が封鎖されてたから…引き返しても同じだと思う。なら進む方がまだ建設的だ」

「出口にいた場合は?」

「その時は強行突破で」

 

 脳筋の考えに軽く引き気味になるブルー。

 人の気配が消えたところで、二人は再び洞窟を進むことに。

 暗闇の中では蝙蝠のポケモンやニビシティやお月見山で見掛けたイシツブテが珍しそうに此方を見ている。

 

「ところで、他の情報についてはあるの?」

「ハイこれ」

 

 ブルーが3枚の写真を手渡す。

 其処にはリオレウスを部屋に閉じ込め、実験しているように見受けられる写真と、広い部屋で図体のデカいポケモンと交戦している写真、そして最後の一枚はそのポケモンを制し、捕食しているというショッキングな写真。

 

「この写真の場所……ロケット団の施設?」

「ええ。案外ザルなのよ」

「……」

 

 組織として大丈夫なのだろうかそれはと敵対組織でありながら、監理体制の杜撰さに頭を抱えそうになるアズール。

 礼とともに写真を返し、ロケット団がリオレウスを本格的に使役し、ポケモンの世界での食物連鎖の順位をリオレウスに教え込もうとしている事に危機感を抱く。

 

「その施設の場所は?」

「タマムシシティ。シオンタウンから地下通路を通ればすぐにつくわ」

(シオンタウン……イワヤマトンネルを出た先の街だ。なら、次の目的地は決まったな)

 

 シオンタウンを越え、タマムシシティへ。

 次の行動指針が決まったところで、数歩先を歩いていたブルーが急に立ち止まり、彼女にぶつかる寸前で止まる。

 何事だと視線を彼女に合わせると、先にいたのは仁王立ちで待ち構えるロケット団数名。

 

「見つけたぞ。狼のポケモン使い」

「……キミのことじゃないよね」

「アタシ狼のポケモン持ってないわよ」

「じゃあ、僕か。何のようで?」

 

 ブルーの前に出てさりげなく彼女を背に隠すアズール。

 鼻で笑いながら、団員の一人が「黙ってついてこい」と高圧的にアズールに命令するも、顔を顰めたアズールはそれに従うつもりは毛頭なく、一言「断る」と答えると団員はニタリと笑った。

 

「ならば、少し痛い目にあってもらわなきゃなあ?」

「……冗談じゃない。スターミー」

 

 スターミーを繰り出し、図鑑を横見するアズール。

 技の一覧の中にこの場で今すぐ効果がありそうだと思った技を見つけ、スターミーにその技を指示する。

 

「ブルー。目を瞑っておいたほうがいい」

「えっ?……あっ、まさか!」

「そのまさかだ!スターミー、フラッシュ!!」

 

 洞窟が一瞬で明るくなるほどの強烈な閃光を解き放つスターミー。突然の目眩ましに反応できなかったロケット団達はともかく、事職業柄強烈な閃光には慣れていたアズールはその閃光を利用し、ブルーの手を引いてすぐにその場を離れる。

 ある程度の距離を取ったところでアズールはスターミーをボールに戻し、身を隠して様子をうかがっていると先程のロケット団達が怒り心頭といった表情で逃げた二人を追いかけてきていた。

 

「……行ったか」

「うぅ、目がチカチカする……」

「いきなりで悪かった。強行突破も考えたけど、さすがに分が悪いと思ったゆえの行動だ」

「……思ったんだけど、案外滅茶苦茶するのね」

「褒め言葉として受け取るよ……さて、ここからは慎重に出口を目指さないとね」

 

 

 ────そうして冒頭に戻る。

 

 

 自分一人だけに少なくとも十数人を配備したであろうロケット団の組織力に暇人が多いんだなと皮肉交じりに感心するアズール。

 どうしたものか、と考えているとブルーが「そうだ」と何かを思いつき、何処からともなく取り出したボールからポケモンを繰り出す。

 

「……何この…何?」

「あれ?メタモン知らないの?」

「メタモン」

「そ。メタモン」

 

 紫色のスライムの様なポケモン…メタモンことメタちゃんがブルーと示し合わせたかの様に動きだし、瞬く間に"もう一人のアズール"を作り出した。

 

「…擬態能力……だって?」

「すごいでしょ?メタちゃん、適当に走って一箇所に固めてね」

 

 物言わぬ方のアズールがこくり、と頷くと一目散に通路に躍り出てわかりやすく音を立てながら走り出す。

 やがてそれに釣られたロケット団達が「追え!追え!」と怒号を飛ばしながらアズールもどきを追いかけていつった。

 

「…ポケモンって、すげー」

「ほら、今のうちに行きましょ!」

 

 メタモンの擬態能力に感心するアズールの手を引いて更に洞窟の奥へと向かう二人なのであった。

 

 

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