ポケットモンスターSpecial Frontier 作:400円
MHFに出演しているモンスター以外は基本出さないスタンスですが、イヴェルカーナとかバルファルクとか好きなのでソイツらもいつか出します。
因みにMHF古龍はポケスペの伝説幻との相違点として普通にうじゃうじゃいる種もいれば「アイツはいっぱい居たらダメだろ」って奴は一体のみだったりします。最果ての地のアイツとかいい例です。
レッドと別れ、次の目的地を目指すアズール。
訪れたのはトキワの森。目的地であるニビシティとトキワシティを繋ぐ森林地帯で、鬱蒼とした森では様々なポケモン達が今日を生きる為に各々過ごしている。
メゼポルタ地方とはまた違った生命の営みに感動を覚えつつも、木々を掻き分けて進んでいると視界の開けた場所で一人佇む少年が。
感覚を研ぎ澄ましている最中なのだろうと判断し、その場を離れようとした際に誤って物音を立ててしまい、それに反応した少年は一言「そこだ!」と言い放つ。
「ヒトカゲ、ひのこ!」
次の瞬間、火の粉というより火球がアズールのいる場所へと放たれる。
咄嗟に飛び込むように回避行動をとったアズールがさっきまで自分がいた場所を見返すとものの見事に黒焦げになっているのを見て背筋が寒くなり、慌てて姿を現した。
「ま、待った待った!」
「……人か。紛らわしい」
「すまないね、邪魔するつもりはなかったんだ」
「!それは……」
手に持っていた図鑑を見て目を見開くと、少年は小馬鹿にした感じで鼻で笑う。
すぐに勘付いたアズールの機嫌は若干悪くなるが、相手と自分の歳の差もあってぐっと堪え、あくまでも平静を装って少年がリオレウスの目撃情報を持ってないかを尋ねる。
「……見たことないな」
「そうか……」
「捏造じゃないのか?」
「まさか。オーキド博士がこんな手の込んだ捏造をするとは思えない」
「おじいちゃんが?」
「……おじいちゃん?」
少年から発せられた思わぬ発言に目が点になるアズール。
そういえばとオーキド博士が孫がいて留学から帰ってきたと応接間に案内される間に気分良く話していた事、旅をしているうちにいつか会えるだろうと言っていた事を思い出したが、こんなにも早く会えるとはと苦笑をこぼした。
「オーキド博士のお孫さんだったか……ええと、確か名前は……」
「グリーン。その写真がおじいちゃんの情報なら間違いない。疑って悪かった」
「いや、いたって当然の反応だったし気にしていないよ。僕はアズール。メゼポルタ地方のハンターだ」
「メゼポルタ地方……永久鎖国を貫いてると聞いた事があるが?」
「詳しいね。こうして僕が来たのは色々と理由があってね……」
そう言い、アズールは事の経緯をグリーンに話す。
話し終えた後、グリーンはなるほどなと一言呟くと「おじいちゃんの頼みなら、俺も協力する」とアズールが協力を促す前に自ら協力を名乗り出た。
「助かるよ。情報網は多い方が動きやすいからね」
「他に知っている人は?」
「オーキド博士やキミ以外だと……レッド君くらいか」
「レッド……知らないな」
「キミと同じくらいの少年だよ。トキワシティに居たけど……もう少ししたら出発するとは言っていたから、もしかしたらキミもすぐに会えるかもしれないね」
思い当たる節があるのかグリーンは再び思考に耽り、少しだけ考えた後に「……まさかな」と自分の考えた結論がバカバカしいと思ったのか、鼻で笑いながら肩をすくませた。
「……さて、僕はそろそろ行くとしよう。もしリオレウスを見たらすぐに連絡を。間違っても挑まない様にね」
「了解」
「それと、リオレウスに似た緑色のドラゴンをみた場合も連絡してくれ。居たら非常にマズイから」
「……緑色のドラゴン。雌個体か?」
「その通り。リオレウスは繁殖力が高くてね……どこでも繁殖できるからなるべく揃ってほしくないんだ」
リオレウスとその雌個体が揃った時の過酷さを経験した事のあるアズールにとって是が非でも避けたい最悪の事態がソレだった。メゼポルタ地方では火竜の通称とは別に"空の王者"の異名で呼ばれているリオレウスの対になる形で"陸の女王"とよばれる雌個体。その2頭が揃ってしまった時、その地は誰が言ったか"天と地の領域"と呼ばれ、厳戒態勢が敷かれるほどの危険地帯と化す。
大抵その場合はハンターが何とかするというのがメゼポルタ地方での通例なのだが……アズールの愛用する"武器"の使用自体がアウトな外の地方では仕方なくモンスターの力を借りなくてはならないため、飛躍的にその危険度が増加してしまうのだ。
("穿龍棍"が使えれば、リオス夫妻くらい余裕なんだけどね……)
郷に行っては郷に従え。地方の検問を出る際に一時預かりという名の没収とともに耳がタコになる位に聞かされた注意を思い出し、深くため息を吐きながらその場を去るアズール。
その姿に何かを察したのか、グリーンはこれ以上何も聞かないという選択を取り、黙ってアズールを送り出した。
────それから暫くして。
グリーンの言う通り、道なりに進んでいくと見慣れない都市部がアズールを出迎える。
マサラタウン、トキワシティよりも更に一回り大きい都市の名はニビシティ。駆け出しのトレーナーはまずこの都市に拠点を構えるジムリーダー「タケシ」に腕試しを兼ねて挑戦しに訪れるのだが……猶予が限られているアズールは着くなりすぐに情報収集に乗り出した。
道行く通行人はもちろん、ニビシティの名物である博物館のスタッフ……果てには用もないのにポケモンセンターの職員にまでと傍から見れば怪しい変な格好の青年である。
収穫も当然と言うべきか、ほぼゼロだったのだが……最後に尋ねたポケモンセンターの職員が「ジムリーダーであれば知っているかもしれません」と希望を見いだす回答をアズールに贈る。
「ジムリーダーか……」
情報の為に挑む事に関しては拒否反応を示さなかったアズールだが、彼の中には一つだけ気掛かりな事がある。
その気掛かりを晴らすべく端末を取り出して煩い相棒を呼び出すと、案の定な声の槍がアズールの耳に突き刺さった。
「……アイシャ、一つ質問なんだが……目的達成の情報収集の為にモンスターをポケモンと戦わせるのはどうなんだ?」
「うわ、ほぼ黒なグレーゾーン。ぶっちゃけやめてほしいのがギルド側の回答ですねー」
やはりか。と肩を落とすアズール。ポケモン側の力量がどれ程なのかは定かではないが、小さなトカゲのようなポケモンでも幼体リオレウス並の火球を吐く以上さして変わらないのでは?と思って一縷の望みに賭けるも、その内容をギルドは知らないので当然といえば当然の回答ではある。
一言礼を述べて通信を終了しようとした矢先「でーすーが?」とアイシャはわざとらしく引き留める。
「私、こう見えて狡賢いのでカントーのお土産持ってきてくれたらちょーっと黙ってそうですねー?」
「……いくつだ?」
「5……いや、6で」
「交渉成立だ。因みにこの通信は?」
「バッチリプライベートです☆私とハンターさんの仲じゃないですかー!キャッ」
本心から「ウザいな」と思いつつも、手回しが優秀な悪友に感謝しつつ通信を終える。
その直後に気分良くレッドにオルガロン夫婦を見せていたことを思い出し、今更だったなと既に違反していた事は墓まで持っていこうと決めたアズールなのであった。
用語解説
・【モンスター】
ポケモンとは似て非なるもの。メゼポルタ地方では他地方で言うところのドラゴンタイプのモンスターが跳梁跋扈しており、大半が害を成すモンスターばかりなので、ポケモンの様に共存できるのはほんのごく一部のモンスターのみ。
練度の低いポケモンでは全く歯が立たず、練度の高いポケモン、または最終進化を遂げたポケモンであればメゼポルタ地方のモンスターとも渡り合えるとされているが、モンスターの中には【古龍級】【古龍】と呼称されるモンスターの存在も確認されており、その2種に関しては最終進化のポケモンや練度の高いポケモンであっても苦戦を強いられる程の存在となっている。