無職転生~もっと本気だす~   作:ぽてちき

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第十二話「宴と決断」

「それじゃあ…全員が無事に再会できたこと…

それと、今後のグレイラット家の明るい未来に乾杯!!」

 

『乾杯!』

 

パウロの呼びかけで

全員の記憶が戻ったことを祝福する宴が始まった。

 

この感覚は久しぶりで何とも…懐かしい。

 

 

「そんで、まずは近況報告だな?ルディ。」

 

「ええそうですね。」

 

「よろしくねルディ。」

 

 

それから

オルステッドと再会したこと、

ロキシーの記憶を戻したこと。

ザノバの記憶が戻ったこと。

今まで頑張った結果を報告した。

 

 

「そうなの…みんな戻って嬉しいわね……」

 

「そういう母さんも。

こうやって話すのは何十年ぶりでしょうか…。」

ゼニスと話していると実家に帰ってきた感じがする。

もっともここは実家だが。

 

 

 

「ごめんなさい…あのときは後遺症だったのかしら…

うまく声が出せなくなったり、

表情が思い通りに動かなくってね……

みんなに迷惑かけたわ…」

 

するとリーリャが答えた。

「いいえ、奥様は悪くありませんよ。

それに、今したいことは反省会なんかではなく

祝宴なのですから。」

 

「そうね……ッ!

よしっ!こんな暗い話はやめましょう!」

 

 

次にパウロが話題を絞り出すように話した。

「そうだ、ルディ。

ロキシーちゃんとあの後どうなったんだ?

俺何も分かんねぇからさ、教えてくれよ。」

 

 

そのことをゆっくり話し始めた。

「……あのあとは、ロキシーと結婚しましてね。」

 

「おおっ!でもそれってミリス的に……」

 

質問を遮るように話を続けた。

「そのあとはエリスと再会して、結婚して。

結果三人の妻と六人の子供ができましたよ。」

 

 

するとパウロが震えだして…

「……ッ!ハッハッハ!!!」

 

急に笑い出した。

頭大丈夫かな…?

 

 

 

「妻がッ!三人もっ…!ハハハハッ!!

さすがは俺の息子だぜっ!ハハ!

いやぁ……ルディには敵わねぇぜっ!

ハハッ!!!」

 

 

「あなた失礼よ!

しかもルディは全員愛していたのよ!

私はミリス教だけどルディは認めるわ!」

 

 

……そうか、確かに。

感覚が麻痺してたけど妻三人ってやっぱり多いよな。

転生前の俺が見たら殴りかかってたぐらいだな。

 

 

 

 

「ひーっ!……でも少し誇らしいぜ…。

……ところでよ、

そんなだったらお前の子供とかもすげーんじゃないか?」

 

 

「それはそれは優秀な子たちでしたよ!

七大列強になったり、革命的な発明をしたり、

世界の救世主になったり、

エリナリーゼさんの息子と結婚したり…」

 

 

「まるでおとぎ話みた………まて。最後何て?」

 

「ですからエリナリーゼさんの息子と……」

 

 

 

「だっはっは!!まじかよっ!」

パウロは本当にゲラだな……

 

「じゃああれはどうだ?ノルンは?」

 

「ノルンはルイジェルドさんと結婚しましたよ。」

 

「まじか…。いや、でも結構お似合いなのか……?」

パウロは大袈裟にリアクションしてくれるから

教えがいがある。

 

 

「じゃあアイシャはどうだっ?」

 

皆の動きが止まる。

やっぱりこれを通れない道なのか…

 

「…………アイシャは…俺とエリスの子供と…」

 

 

「まじ?」

 

「まじです。」「マジよ。」「本当です。」

 

「はは……アイシャやべぇな…さすがは俺の子……」

これにはさすがのパウロも失笑だ。

 

 

「あのときは大変だったのよ!

リーリャが寝込んで、エリスちゃんが鬼の形相で!」

 

「ええっ!そうでした!

まさか自分の子があんなことするなんて…」

 

 

 

「……ずいぶん修羅の道を通ってきたもんだな…」

 

 

「家庭の問題だけじゃなくても修羅でしたよ!

特に最後の大きな戦いは!」

 

「何があったんだ?」

 

「魔王が攻めてきたんです!

…………あと、ギースも……」

 

 

「ギース…?」

 

 

「ええ。俺の最大の敵のヒトガミ…

っていう奴の仲間だったんです。

それでやむを得ず……っ。」

 

やはりショックを受けるのだろうか…

元とは言えパーティーメンバーだからな。

 

 

 

 

しかしそんな考えは打ち砕かれた。

 

「ッフ…。お前ちと考え過ぎなんじゃねぇのか?

それごときで俺が落ち込むとでも?

あいつは何すっか分かんねぇ奴だったし

俺はお前を憎んだりしねぇよ。」

 

 

「よかった…」

 

「前提として自分の子供責めるバカ親がどこいんだよ。」

 

「ここにいますが?

父さんミリスで再会したとき責めたでしょう。」

 

「あっ…あんときはよ……そのっ……」

 

 

 

「ハハハッ!」

 

「フフフッ…」

 

「ふふ……」

 

「な…皆揃ってなんだよっ…。」

 

 

 

それからもいろんな話をして、

楽しい瞬間をその夜俺たちは過ごした。

いつまでもこの時間が続けば良いのに。

そう思ってしまう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがそれが誰かの手によって

積み上げた積み木を崩されるみたいに

一瞬で消えてなくなるのは

俺が一番知っている。

 

 

 

奴は俺が一番と言って良いほど幸せな時に

動き出すことはもう知っている。

もう…死ぬほど経験した。

 

 

 

なあ……ヒトガミ。

お前はまた俺の邪魔をするのか…?

 

だったら…

俺の幸福を奪うのならまた相手してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かかってこいよ。ヒトガミ。

今度はお前の思惑通りにはさせない。

 

このみんなの幸せは俺が守ってやる。

 

 

 

 

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