無職転生~もっと本気だす~   作:ぽてちき

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第十四話「今あるもの」

一筋の光が差す…

その中目を覚ました。

 

「ルディっ!!」

どうやらここは家のようだ。

パウロ、ゼニス、リーリャに囲まれながら俺は眠っていた。

気絶していたの方が正しい気もするが…

 

「父……さんに母さん…、リーリャ……ごめんなさい…

少し手こずってしまいました…。」

 

「そんなこったどうでもいいんだよ!

無事で本当に良かった…。」

 

今回も心配をかけてしまった…

俺はまだまだ未熟だな…

 

そう思いながら体を起こそうとしたが

よろけてベッドに顔を埋めてしまった。

 

「ああ、そうか。」

 

その時思い出した。バーディ戦で失ったものに。

 

「俺の腕…ないじゃんかよ……。」

 

 

 

───

あれからあったことを少し整理した。

あの日、バーディがヒトガミの命令で俺と戦いに来た。

となると今回もバーディは使徒ということになる。

そこで俺は左腕を持っていかれ、同時に腕輪も外れた。

 

その腕輪だが後にリーリャが回収してくれたおかげで

ヒトガミからもう見られる心配は無い。

腕輪も持っていかれていたら…と考えたら恐ろしい。

 

 

 

そして今に至る…といったころだ。

 

腕を持っていかれて計画もバレて踏んだり蹴ったりだが

不思議と気を落としてはいない。

それは無論、

失ったものより今あるものが多いからだな。

だがこれから増えることになるだろうな…

新しく得るものと同時に失うものも…

 

 

「ルディ、少しは元気になったか?」

そんな時パウロが話しかけてくれた。

 

 

「全然!バッチグーですよ!

勿論強がってなんかいませんよ!」

 

「お前にしちゃ珍しいんじゃねぇのか?」

 

「前と一緒にしてもらっては困りますよ。

それに今は落ち込んでる暇なんてありませんよ!

なにせ、緊急会議なんですから!」

 

 

あれからオルステッドやロキシーにも報告しなくては、

と思い緊急会議を予定した。

何を隠そう!あれから通信魔術は大人数可能の

グループ通話にすることができたのだ!

これで格段に利便性が上がった。

だから失ったものばかりじゃないって言っただろ?

 

 

 

 

──ジジジ……──

 

「──ルーデウスか?報告というのは何だ?」

とオルステッドが単調に、

「ルディ!元気でしたか?」

とロキシーが心配混じりに話した。

そして…

 

「師匠ォ!ご無事で!!」

とザノバが号泣しながら通話に加わった。

久しぶりの再会だ。

俺は一言、「久しぶりだが世間話はまた今度だ。」

と答えておいた。

 

 

そして今、家族全員にプラスして

通話中のオルステッドとロキシーとザノバと共に

会議が始まった。

 

 

 

 

「結論から言いますと……バーディと出会いました。」

 

「何だと?」

オルステッドが驚く。

 

「そんな…ルディは大丈夫だったんですか!?」

ロキシーが続いて驚きを表した。

 

「なんと…陛下がなぜ…?」

ザノバも驚いている。

 

 

「結果……左腕を失いました…。

さらに、オルステッド様が来れない状況にあるので、

今治せる人物はここには居ません…。」

 

「そんなっ……」

 

「ヒトガミがついに動き出したか…」

 

「このままでは…」

 

 

 

「あのっ…」

ゼニスがこの場で手を上げて意見を出した。

 

「何だ申せ。」

 

「…私たちではルディを守ることができません…

……ですので誰か助っ人になる人物が欲しい…です。」

 

「確かに…俺も同感だ。俺ごときじゃ今後の戦いは

ついていけないだろうよ。」

パウロが賛成する。

 

「私も同意です。やはりヒトガミは

旦那様を狙いに来るでしょう。

やはり私達では不完全です。」

続けてリーリャが賛成。

 

 

 

 

 

「ですが…余は身分的に難しいかと…」

ザノバが問いに答えた。

 

「やはり、私もいけそうにありません…」

次にロキシーが答える。

 

「……だがこの時期に手助けのできる奴など居ない。」

続けてオルステッド。

 

 

 

「あのう…皆、忘れていませんか?

今手助けできて信用できる人物のことを。」

 

 

 

 

 

そこで俺は答えた。

 

 

 

「シルフィがいるでしょう?」

 

 

 

 

 

 

『なるほど…』

すると全員同意した。

 

 

「たしかにシルフィならルディの助けになります。」

 

「シルフィエットか……そうか奴が…」

 

「師匠の奥様なら可能ですな。」

 

「シルフィちゃん…か。」

 

「シルフィちゃんなら任せられるわね!」

 

「シルフィエット奥様なら……」

 

 

 

「てなわけで次の目的は『シルフィの記憶を戻す。』

で良いのでは無いでしょうか?」

 

 

「そうするのが最善か…、了解した。

それでは次の計画に向けて精進しろ。

成果を待っているぞ。」

 

 

 

「かしこまりました……!!」

 

 

「では今回は解散だ。」

 

始めにオルステッドが一足早く解散した。

退職が早いタイプのサラリーマンみたいだな…

無論、オルステッドは社長で俺の方が社畜だが。

 

 

「では師匠。くれぐれもお気をつけて。」

 

「ザノバもな!」

 

次にザノバ。

 

「ルディ、これからも頑張ってください。

それと、シルフィのことお願いします。」

 

「ええ、お任せあれ!」

 

最後にロキシーが解散した。

 

 

 

──

 

 

 

「…はあ」

ついため息が出てしまった。

戦いからノンストップで動いていた。

やはり疲れはある。

 

 

「それにしてもルディ!

オルステッドって奴圧が半端ねぇな!」

 

そういえばパウロとオルステッドは初対面か。

 

「…父さん、オルステッド"様"ですよ。

そんな態度だと殺されますよ。」

 

「げっ…そんなにおっかない奴なのかよ…

だが、怖さならゼニスも

負けてないんじゃねぇかぁ?」

 

 

「なっ!?あなた!許さないわよ!」

 

「フフフ、元気に動く奥様は久しいですね…。」

 

「もうっ!リーリャまで!」

 

 

 

 

 

 

 

「……ああ、やっぱりこれが良い。」

 

俺はこの空間が大好きだ。

毎日くだらない話をして、馬鹿笑いして、

仲良く過ごしている。そんな場所が。

 

 

やっぱりこれは、これだけは死んでも守りたい。

そう思った。

 

そのためにやることは一つだ。

俺が……俺たちが強くなる。

 

 

 

 

だから俺はシルフィと再会する。

ただそれだけ。

だがそれには深い意味が込められている。

 

 

 

また明日も頑張ろうぜ。

そして頑張れよ明日の俺。

 

 

 

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