無職転生~もっと本気だす~   作:ぽてちき

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こんにちはぽてちきです。
しばらく休載をしていましたが、今回から再開いたします。
そして今回から二章家庭教師編となります。


投稿頻度としてはモチベーション次第で
変動するかもしれませんが二日~三日に一話程度投稿します。

また、これからも無職転生~もっと本気だす~を
よろしくおねがいします。





第二章 ロア編
第十九話「赤髪の狂犬」


馬車に揺られて数時間

ボレアス家に到着した。

相変わらず豪華な家だなぁと思いつつ

馬車を降りるとある人物が出迎えてくれた。

 

「やあ!ギレーヌ。長旅ご苦労様!」

フィリップだ。

この怪しげな顔もなかなか懐かしい。

 

「出迎えはお前一人でか?」

 

「そうさ。僕の娘に物事を教える者が

ふさわしいかどうか品定め。といった所かな?」

とフィリップに探りを入れられるように

まじまじ見られた。

何か不思議な感覚だ。

 

 

「……うん。二人とも問題無いよ!

ようこそ!我がボレアス家へ!歓迎するよ!

客室はこちらだ。」

 

品定めとやらは合格なようだ。

客室に案内されるそうなので、

フィリップに着いていく。

フィリップの歩幅も、

今の体ではとても一足が大きく感じる。

 

 

 

 

 

「ねぇルディ、この人がエリスのお父さん?」

途端にシルフィが小声で聞いてきた。

 

 

「うん、そうさ。

そういえばシルフィは会ったこと無いよな。」

 

「僕がエリスと会ったのは転位して何年も後だし、

仕方ないよ。

でもいいひとってことは聞いてるよ。」

 

「怪しい匂いがプンプンしてるけど

悪い奴じゃないから安心して良いよ。」

 

「分かったよ。

…でもそんな怪しい雰囲気なんてするかなぁ…?」

 

 

 

 

 

 

「ハハハ、君たちは本当に仲が良いように見えるね。」

 

 

「もちろんですよ!

シルフィとは長い付き合いですから。」

 

「友を持つことは良いことだね。

ルーデウス君、是非ともシルフィちゃんだけでなく、

僕の娘とも仲良くしてくれるかい?」

 

突然名前を呼ばれ驚いた。

名前は既に知られていたらしい。

 

「もっちろん!お任せください!」

 

「それにシルフィちゃんも、仲良くしてあげてね。」

 

「かしこまりました!」

シルフィはアリエルの護衛をしてた分

礼儀作法が叩き込まれているからか、

戸惑うことなく返事をしている。

 

間違っていないはずなんだが、シルフィと比べると

俺はだらしなく感じてしまうな……

 

 

 

 

──────

 

 

「改めて、ようこそボレアス家へ。」

客室へと招かれた俺達は面談を行っていた。

 

「僕はフィリップ・ボレアス・グレイラット。

このロアの町の町長だ。」

 

フィリップの自己紹介から面談が始まった。

初めての時は長々緊張したものだが、

あの後貴族との関わりも多くあったから

今回は緊張することはないだろう。

なにせ、ほぼ家族みたいなフィリップに対して

緊張してどぎまぎしている男に

エリスは嫁がせてもらえない。

 

気合いを入れよう。

 

 

「お初にお目にかかります。

ルーデウス・グレイラットです。」

 

続いてシルフィが応える。

「お初にお目にかかります。

シルフィエットです。」

 

「ずいぶん礼儀作法が立派だね。

どこで習ったのかな?」

 

「えっと…リーリャさんからです。」

とシルフィが答えた。

 

本当はアリエルの所だが

これも嘘ではないから良い。

 

 

「そうか、彼女がねぇ………

でもそんなにかしこまらなくて良いさ。

君たちはこれから家族みたいなものだからね。」

 

「わ…分かりました。」

 

 

 

 

 

「それと…ここへ来た理由は

魔法大学の資金調達だと聞いているが本当かい?」

 

「その通りです。

シルフィと魔法の技術を上げたいと考えて

魔法大学に行くことを希望しました。」

…と言ったが、これはあくまでも表向き。

裏としては転位を食い止めることが目的である。

 

さすがに正直に言っても「何言ってんだコイツ」

としか思われないだろうから答えられない…

 

「素晴らしい志だね。

エリスの教師として最高の人材だよ。」

エリスという言葉がここで初めて出た。

すでに骨の髄まで知っているが一応聞いてみよう。

と思った矢先。

 

「その、

エリスというのはフィリップ様の娘さんですか?」

先に口を開いたのはシルフィであった。

 

「そうさ、でも少ーしやんちゃでね、

手を焼くかもしれないけど

仲良くしてくれると助かるよ。」

 

実際はやんちゃどころか狂犬ですがね。

シルフィがショックを受けなければ良いが…

 

 

突然何処からか走る足音が聞こえる。

かなり重い…男が走る足音だ。

となればあの人だな。

 

そしてドアを蹴り飛ばしながら入ってきた。

「フィリィィップ!ここか!」

 

やはりサウロスの爺さんだ。

この元気な姿は中々懐かしいものを感じさせる。

俺もこのくらいの年を経験したが、

これほど動くのは中々きつかった記憶がある。

 

ボレアス家は疲れを知らないのかもしれないな。

 

「なっ…何…?」

シルフィが唖然としている。

こんな元気な爺さんを見るのは初めてだろうし

無理もない!

 

「どうしましたか父さん!」

 

「二人ともエリスをよろしく頼む!

それでは失礼する!」

 

そう言い残して去っていった。

本当に嵐みたいな人だといつも思う。

 

「彼はサウロス・ボレアス・グレイラット。

僕の父親にあたる人さ。」

 

「なっ…なるほど…ずいぶん元気な方ですね……」

早速シルフィがボレアス家の洗練を受けて

縮こまっている。

 

ボレアス家の観光が初めてのお客さんには

刺激が強すぎたようで。

 

 

 

 

 

───

 

 

 

 

あれから色々な事を聞かれた。

とは言え世間話のようなものだが。

それと、話している限り

フィリップの記憶も無さそうな感じがした。

 

しかし、これから頑張って戻していけば

心強い味方になるのは間違いない。

 

 

 

 

 

そして現在エリスの部屋の目の前に居る。

記憶があれば飛び込んで来るだろうが

なければ殴りかかってきそうで怖い。

 

それとエリスと対面する前に

シルフィに忠告しておいた。

 

「これからエリスと会うけど

シルフィの思ってるエリスとは多分違うと思う…

襲いかかって来たら身を守ってくれ。」

 

「そんな魔獣みたいな…………でも大丈夫だよ。

エリスとなら仲良く出来るもん。」

 

そう思ってくれれば嬉しいんだが。

本当に不安だ。

 

 

 

「ふぅぅ……」

軽く深呼吸をしてからドアノブに手をかけて

 

 

開いた。

 

 

 

そしてそこには

真っ赤に輝く髪。

才能を隠し持った身体。

宝石のような目。

これらを持った人物

エリス・ボレアス・グレイラットが居た。

 

「エリス!」

喜びが抑えられず思わず声に出てしまった。

 

するとエリスが振り向き答えた。

「誰よあんた!いきなり失礼ね!」

 

……記憶は無いみたいだな。

オルステッドみたいに演技は出来ないだろうし、

確定だろう……。

 

「ごっ!ごめんなさい!

僕はルーデウス・グレイラット!

そしてこちらはシルフィエット!

二人ともあなたの家庭教師です!」

 

「はぁ?ガキじゃない!!」

と怒鳴られてしまった。

このころのエリスは

ツンデレのツンの部分しか無いからなぁ…

程度が大きいからツンどころか

グサぐらいあると思うが。

 

「気に入らないわ!」

と一発拳骨された。

力任せだからかあまり痛くない。

だがこんなものでキレる程軽くない。

気絶させるほどじゃないと満足しませんよ?

 

「そんなこと言わないで仲良くしましょうよ。

フィリップ様からもお願いされてるんですから。」

 

「そんなこと知らないわ!私が嫌なのよ!」

 

「でもですね──」

 

「エリス!」

遮るようにシルフィが声をあげた。

やっぱり刺激が強すぎたか…?

 

「何よ!」

 

「すぐ殴るのは良くないと僕は思う!

そういうのは話し合いでするものだよ!」

口述で戦う貴族を見てきたシルフィらしい意見だ。

 

 

それを受け取ったエリスはだんだん震えだして…

「何なのよコイツら!気にくわない!

殺してやるわ!!!」

 

 

 

やっべ!!

エリスを怒らせてしまった!

こうなってしまえば

逃げ隠れでもしない限りはやり過ごせない。

 

「シルフィ逃げるぞ!!」

 

「へっ?」

 

俺はシルフィの手をとって全力疾走で廊下を走った。

 

「ルディ!?これどういうこと!?」

 

「ごめんシルフィ!穏便にいかなかった!

もう逃げるしか手段がない!ごめん!」

 

「魔獣みたいって比喩じゃないのね…」

 

 

 

 

遠くでエリスの声が聞こえる。

「殺してやるわ!」とか「どこにいるのよ!」とか

聞こえてくる。

この時期だけ見れば

本当にエリス・グレイラットに進化するのか

不安だが心配は要らないだろう。

 

 

それを解決する計画が俺にはある。

それは前回行った実習だ。

あれだったら良くなるかもしれないが……

 

なんとかして好感度を戻さないとなぁ…と

全力疾走しながら考えていた。

 

 

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