「まさか思い出すとは。」
オルステッドが驚く。
ここは会議室(大木)。
ロキシーの記憶が戻った翌日、オルステッドに合うため俺はロキシーと共にここへ来た。
「私も信じられません、どうして思い出せたのか。」
「俺が前世で使った魔術を見せたらもどったんです。
やはりトリガーとなったのはそれなのでしょうか。」
「…やはりそう考えて良いだろう。」
話を変えて
「…報告はこれくらいにして、本題に入りましょう。オルステッド様。」
「ああ、お前の言う本題は計画のことだろう?」
「そうです。ロキシーの記憶が戻ったことである程度の変更点があるのでしょう?」
少し空けてオルステッドが答える。
「……いや、ほぼ変える点は無いぞ。お前に関してはな。」
するとロキシーに体を向けて話し始めた。
「貴様はこれからシーローン王国に行き、パックス・シーローンと交流しろ。そしてザノバ・シーローンとも対話しろ。
できれば記憶を思い出させるようにしろ。」
「かしこまりました…。」
ロキシーが答える。
再会できてすぐ行ってしまうが、通信魔術がある。
まず前提として今回の目的はハッピーエンドにすることだ。
未来を変えることを最優先にしよう。
「ルディ。」
ロキシーがこちらを見る。
「何でしょうか。」
「行ってしまいますが、ルディは一人でもやっていけると信じてます。頑張ってください。」
「はい…師匠!」
「ふふっ。師匠ではなくロキシーですっ!」
かわいい。
「あっ。そうでしたね。」
うふふ、あははと話が進む。やっぱり楽しいな。
「コホン」
オルステッドが居心地悪そうに咳払いをしたので一旦中止。
帰ったらロキシーとイチャイチャしよう。
「それでルーデウス。もう一つ追加だ。」
「もう一つ…ですか。」
少し間を空け
「仲間を増やすためにはまず他の奴をまとめる者が必要だ。
よって…」
「パウロ・グレイラットの記憶を戻せ。」
パウロの記憶を。
たしかに、ここまでくればパウロの記憶も戻してあげたい。
これには自己的理由もオルステッド的な理由もある。
ギブアンドテイク、だな。
「だが急ぐ必要は無い。慎重に立ち回れ。」
「かしこまりました。」
─────
「はあ…」
ロキシーがため息をつく。
「どうかしたんですか?」
「いえ…せっかくルディと会えたのに行かなくてはいけないなんてと思って。」
やはりロキシーも思っているのか。
再会できたのに…
「ロキシー。」
「何でしょうか…?」
「シーローン王国に行ったらパックスと交流するのは勿論ですが、ザノバのことをよろしくお願いします。」
「分かってますよ。
前のようにはならないよう精一杯頑張ります。」
前世では行動ミスでルートが変わってしまった。
だがこれはロキシーのせいではない。
全員のミスだ。
ザノバともコンタクトができれば心強い。
「それと…通信魔術はどうですか?」
「問題なく使えています。
前にも使いましたが便利なものですね。」
そうだったか、ロキシーは前世で通信魔術を使ったことがあるから心配の必要は無い。
そりゃそうだ。
「それとルディ。」
真剣な表情に変わる。だがそこには優しさもある。
「転移事件のことですが………今度は頼みました。」
「こちらも、最善は尽くすつもりです。父さんや母さん、リーリャにアイシャにノルン。そしてシルフィ。
もちろんその他の人も助けます。
でも、頑張るつもりですが少し不安です…」
優しくロキシーが答える。
「私が居なくてもルディはやっていけますよ。
それにシルフィもいますから。
私は居なくなってしまいますが、お互い頑張りましょう。」
「ロキシーも、ですよ。」
「ふふっ、そうですね。」
嬉しい、やはりロキシーと会話ができることは幸せだなぁ。
「それでロキシー…今夜はどうですか…?」
「そんなニヤニヤして…ダメですし、ルディはまだでしょう?
そういうのはもっと良い年になってから、ですよ?」
「はい…」
─翌日─
ロキシーは旅立った。
シーローン王国へ向けて。
再び転生したとて、辛いことも多々あった。
だがロキシーと話したことでそのことも解消した気がする。
ありがとうロキシー。
今度もお世話になるなんて。
成長したら必ず結婚しよう……
そして今度の目標としては
一つ、パウロの記憶を戻すこと。可能であればゼニスもだ。
二つ、アイシャとノルンを誕生させること。
三つ、シルフィと出会うこと。
ハードスケジュールだが
まだまだ頑張るしかないな。
明日へ向かって…