転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ゲンシュタイン騎士の息子をザトラーという名前に修正


実家への帰省 中

 とりあえず親父達には話をしたので、あとは領主の所に行き、報告をしなければならない。

 

「絶対小作人風情がとか言いそう……」

 

「それでも話さないといけないから」

 

 領主であるゲンシュタイン様は恐らく受け入れてくれるだろうが、歳が比較的近い息子のザトラー様……いや、立場的に両方様付けする必要はもうないのか。

 

 絶対に揉める気がする。

 

「私もいますから……」

 

 シュネが居るのでそんな酷いことにならないとは思うが……。

 

 俺は領主の屋敷に行くと、従者を務める爺さんに挨拶をした。

 

「おやおや、ナツ君にシュネちゃんじゃないか。どうしたのかな?」

 

「私達は現在ケッセルリンク男爵の爵位を持つれっきとした貴族である。この度はゲンシュタイン騎士に用があり、参った次第」

 

「……ナツ君、嘘はいけないよ。ナツ君は小作人の息子さん、貴族じゃねぇんだから」

 

「爺さん、残念かもしれないが、私の爵位は男爵。騎士程度のゲンシュタイン騎士は本来なら呼び出しに応えなければならない立場。立地的に難しいゆえにこうして参ったのだが……それに証拠ならある!」

 

 俺は身につけている家紋入りのマントを見せる。

 

「マントを見せて何かな?」

 

「これは辺境伯様より貴族であることを認める証である。これ以上話を通さないのであれば相応の対応をすることになるが」

 

「ダメなもんはダメだ。そんなマントなんて何になるんだ?」

 

 爺さんはマントの意味を知らないらしい。

 

 これもし他の貴族が同じ対応をされた場合、爺さんを斬り殺したりしても処罰されないのである。

 

 まぁ俺もこの爺さんとは村に住んでいた時に何度も顔合わせしているので、なるべく穏便に対応したいのであるが……相手してくれない。

 

 これならラインハルト連れてきた方が良かったか? 

 

 まぁ良い。

 

 顔を合わせなくて済むなら顔を合わせない方が良い。

 

 爺さんに手紙を押し付けると、俺とシュネは足早にその場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 シュネも実家の方に戻り、俺も実家に向かう。

 

 すると母さんが料理を作っているのが見えた。

 

「ただいま。母さん」

 

「……ナツ! ナツなのかい!」

 

 俺の顔を見て、母さんは嬉しそうに近づいてきた。

 

「ただいま母さん。少しだけ帰省しないといけなくなったから帰省したんだけど」

 

「まぁまぁ! 正直もう会えないと思っていたから元気そうな姿が見れて嬉しいわ! ……でもお祝いしようにも食料があんまりなくて……」

 

「これを使ってくれよ」

 

 俺は異空間からワイバーンの肉塊を取り出して、母さんに渡す。

 

「来る道中で狩った魔物の肉だ。これだけあれば料理できないか?」

 

「な、ナツ……今何をしたんだい? 肉がいきなり現れて……」

 

「魔法だよ。実は俺は魔法使いなんだ」

 

 母さんは嬉しそうに肉を受け取ると、台所で料理を作り始め、少しすると親父と兄貴が帰ってきた。

 

「……ナツ、親父から聞いたが……本当なのか? お前が貴族になったって」

 

「本当だよ兄貴。兄貴も出たいんだろこんな村」

 

「……まぁな」

 

 テーブルを挟んで俺と兄貴と親父が座る。

 

 家を出てから座る位置が変わったかと思ったが、そうではないらしい。

 

 いつもの位置に座ると、兄貴が俺の対面、親父は俺から見て左側に座る。

 

「まず俺は町で色々やった結果貴族になった。ケッセルリンク男爵家を立ち上げて、メアリー、シュネ、アキの3人は騎士家を立ち上げ全員婚約状態だ。貯金もこの通り」

 

 俺は家族を説得する為に用意した金貨が大量に入った袋を異空間から取り出して見せる。

 

 兄貴が袋を開けると見たこともない量の金貨が入っている為、驚愕の表情で固まってしまった。

 

「おま……こんな金貨見たことがないぞ」

 

「俺の財産の一部だ。まぁ親父達への支援金として渡す予定だから持っておいてくれ」

 

 金貨100枚……白金貨だと10枚換算であるが、アキやメアリー達にも同じ金貨の入った袋を持たせている。

 

 これだけの金があれば町でも節約すれば10年は生きていける。

 

「私はナツが森に入っていることは知っていたが……魔法が使えたのか……」

 

 親父が振り絞るような声で尋ねてくる。

 

 俺は前から魔法が使え、シュネを目立たせることで他の人達に魔法が使えることを隠し続けたと説明する。

 

「なんで隠していたんだ! その力があれば開拓は進み、アドラー家も小作人の立場から脱却できたかもしれないのに」

 

「で、村に縛り付けて奴隷のように働かせるんだろ? 俺が次男だから……村のために生贄になる気は無かったからな。まぁ結果として家族をこの地から移住できるようになったわけだが……兄貴、まだ不満あるか?」

 

「……わりぃ、少し声を荒げちまった」

 

 兄貴も成長しているんだな。

 

 前までだったら感情任せに罵倒していたかもしれないが。

 

「領主様はなんと?」

 

「爺さんが会わせてくれなかった。それに辺境伯様から自由に移住しても良いという許可は頂いているからな。何が起こっても問題は正直無い」

 

「そうか」

 

 親父は嬉しさ半分、申し訳なさ半分という感じか。

 

 村は凶作が予想されていて飢餓が発生してもおかしくない。

 

 そうなると真っ先にしわ寄せが来るのが小作人の家々である。

 

 アドラー家も例外でなかったため、生きる道が見えてホッとしたのだろうが、周囲からなんでアドラー家だけ助かるんだという目で見られることは確実だろう。

 

 それを考えての申し訳なさだと思うが。

 

「恐らくメアリーの家も家族全員移住になると思うからその2つの家は今より生活しやすい土地に移住してもらって、自分の土地で生活してほしい。後々俺は領地を持つことが確定しているんだが……親父、兄貴が地主になれる器はあるか?」

 

「……はっきり言うと無いな」

 

 兄貴は親父の顔を見て不服そうにするが、後先考えずに行動してしまう癖は治ってないらしい。

 

 俺の兄であるから地主になれたとしても周りも不幸になるから、兄貴は身の丈にあい、自作農として自分の土地を耕して、そこそこの家から嫁をもらって慎ましく生活したほうが良いと親父ははっきり言った。

 

「ナツが成れたんだから俺だって……」

 

「勉強が嫌いなお前ではダメだ。大人しく今回の幸運を受け入れろ」

 

 親父が兄貴をそう言いくるめ、兄貴の意見を握りつぶした。

 

 母さんが嬉しそうに肉料理を運んでくると、食事に移る。

 

 久しぶりに満腹まで食べられる料理とワイバーンの肉とは知らないで食べているので、濃厚な旨さに家族の皆は圧倒されるのであった。

 

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