転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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各関係者の視点

「ここが……ケッセルリンク男爵達が地底神と戦った場所か……」

 

「おーい、メルン。ミスリル銀の埋蔵量を確認するから手伝ってくれ」

 

「は、はい! 班長!」

 

 私の名前はメルン。

 

 辺境伯家で魔法使い見習いをしています。

 

 今日は見習い魔法使い達数人と辺境伯軍の皆さん、そして山師の方々とケッセルリンク男爵が見つけたミスリル銀山へと来ています。

 

「道中強い魔物は居ないが、シルバーランクの冒険者もしくは見習い魔法使いクラス数人の護衛は必須か」

 

「魔法使いを大勢動員して、ここら一帯を解放し、街道を通した方が良いかもしれませんね」

 

 軍の幹部と班長達がどうするべきかと話し合いが行われていたが、とにかくミスリル銀がどれくらい埋採掘できるかの埋蔵量を確認しなければならない。

 

 そこで地下探知という特殊な魔法が使える私が駆り出されたのである。

 

 該当の山に到着し、魔法使い達が掘り進めていくと、巨大な地下空洞へとたどり着く。

 

 そこには地底神の残骸が結構な量残されていた。

 

「こんな化物をケッセルリンク男爵達は倒したのか……」

 

「外殻だけでも色々活用法はありそうですがね」

 

 光源の魔法で周囲を照らしてみると、壁一面のミスリル銀が埋まっている。

 

 ケッセルリンク男爵達はおよそ数百トンの埋蔵量って言っていたが、そんな事は無い。

 

 山師達と確認し、見えている範囲だけでも十数万トンは確実にある。

 

 ケッセルリンク男爵は地底神が光線を放つと、その場所がミスリル銀に変質したと言っていたので、壁の土を採取してみると、土にもミスリル銀の反応があった。

 

 光線の高温により成分が溶け出して周囲の土ごとミスリル銀へと変質したと考えた方がよく、これならばここらへんの土を採掘し、魔法使い達で加工すれば、効率は悪いがここら一帯の土からもミスリル銀を抽出することができそうである。

 

 そうなれば埋蔵量は数百万トン……いや、数千万トンにもなる可能性がある。

 

 仮説が本当なら帝国最大のミスリル銀鉱床となる。

 

「ケッセルリンク男爵はとんでもない化物鉱床を掘り当てたな」

 

 文官の方がざっくりと利益を計算したところ、年に数万トン採掘できたとして、辺境伯家の予算の3分の2の予算を賄うことができそうだと話す。

 

 それが掘り切るまで数十年利益をもたらし続けると考えれば、軍も魔法使い達も予算が増額されて自分達も利益にあり付けることを考えると笑いが止まらない。

 

「いやぁケッセルリンク男爵様々ですね」

 

「ああ、辺境伯家にとって福の神みたいな者達だな」

 

 もっとも、まだこの鉱床を稼働させるための障害は多い。

 

 魔物の領域の中にあるため、解放する手間や街道の整備、鉱山労働者の確保やその人達を賄うための住居や慰労施設……やるべきことは山のようにある。

 

「とりあえずサンプルを回収し、地下空洞全体の探索、他に危険が無いかの確認を済ませてしまおう」

 

 班長の言葉に皆作業を再開するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やはりまだ手が痺れますか? ヘルマン様」

 

「いや、大丈夫だ爺。数日のリハビリで手に感覚が戻ってきた。ちゃんと字も書けるようになったからな」

 

 僕はフランソワ男爵の息子であるヘルマン。

 

 ケッセルリンク男爵達によりヨトゥンという魔物から救出され、リハビリに励んでいる。

 

 最初は歩くだけでも辛かったのだが、徐々に体調も戻り、手足の痺れも治まってきていた。

 

 お陰で日常生活にはほぼ問題は無い。

 

 ただ腹が皮でダルンダルンになってしまっている。

 

 成長すればある程度引き締まると医者から言われているのでそう悲観はしていないが、同じく捕まっていた少女達は凄い落ち込んでいる子も多かったな。

 

「それにケッセルリンク男爵は被害にあった少年少女達をちゃんと治療してくれたし、ヨトゥンの個体数を大幅に減らしてくれた」

 

 ケッセルリンク男爵達は討伐したヨトゥンを持ってきて、町人達に解体の手伝いをお願いし、毛皮や肉は町人達が自由に使っていいと言われたので、ヨトゥンの肉は豚の餌に、毛皮は敷物や服へと加工させてもらった。

 

 お陰で町は沈んだ雰囲気から脱することができたし、今年はこれ以上の被害は出なくて済みそうである。

 

「僕もケッセルリンク男爵達に魔法では敵わないかもしれないが、他の知識で恩返しができるように頑張らなければ!」

 

 

 

 

 その後ヘルマン・フォン・フランソワは名君として領民から慕われ、更にヨトゥンに立ち向かうべく軍や冒険者の育成に力を注ぎ、南部地域で3番目に強い精鋭軍を作り上げることになり、将軍としてその才能を発揮することになるのだが、それは未来のお話……。

 

 

 

 

 

 

「はぁ……やっぱりこの時期はあんまり魔導具は売れねぇか」

 

 俺は魔導具屋の店長をしている者だ。

 

 世間では凄腕の冒険者が現れたとかで、大量の魔物の素材が市場に流れ、賑わっているのだが、クルップ公爵から輸入した魔導具や工房から買い取ってとり扱いをするうちの店はあまりこの好景気の流れに参入することができていなかった。

 

「どうしたものかな……」

 

 それに今の季節……冬の時期は魔導具があまり売れない。

 

 冒険者とかは冬は狩りの収入が落ちるので、支出を抑えて買わないし、町民達も冬物は既に購入しており、春にならないと買い替えが置きない。

 

「セールで在庫品を捌けるには少々もったいないんだよなぁ……品は良いから買っていってくれねぇかな……」

 

 そんな事を思っていると少年2人が店に入ってきた。

 

 うちの若い店員が対応しているが、何やら驚いている様子。

 

「店長」

 

「どうした?」

 

「少年の1人が貴族らしく、屋敷で洗濯物が大量に出るからドラム式の大型洗濯機を複数台購入したいと」

 

「マジか! 太客じゃないか! 多少値下げしてでも固定客にしてくれ!」

 

「は、はい!」

 

 少年達は1台白金貨3枚もするような毛布を何枚も洗える大型の洗濯機を在庫あるだけ買いたいと言われ、20台近く購入してくれた。

 

 それだけではなく、大型の乾燥機や業務用冷蔵庫、料理屋で使うような大型コンロも購入してくれた。

 

 総額白金貨200枚……しかも一括現金で支払ってくださった。

 

「商品は何処にお届けで?」

 

「ああ、全部今持って帰るよ」

 

 彼は空間魔法が使えるらしく、購入したい品々を次々に異空間に収納していった。

 

「また何かあれば購入していくからよろしく」

 

 彼のお陰で俺の店は前年比の売上350%増という黒字決算になるのだった。

 

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