転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
〜ユードリック視点〜
「いやはや……僕らの大将は凄まじいなぁ〜どんどん開発が進むやんか」
僕の名前はユードリック……苗字は孤児故に無い。
元々教会で働いてたんやが、僕に錬金術の才能があると言われて引き抜かれたんや。
年も16歳と他の孤児連中と比べると高かったし、社会経験があったこと、それと学ぶのが好きだった事もあって、ケッセルリンク男爵家の次期重臣の教育を受けさせてもらってはります。
魔法のトレーニング、錬金術の勉強、家臣としての教育で寝る暇も無くなくなるくらい忙しくもなりましたが、うちの大将……ナーリッツ様が辺境伯様から広大な未開発地域の利権を譲り受けたので開発が始まり、それに駆り出されたお陰で、僕的には余裕のあるスケジュールへと変化したんよな。
仕事が始まって楽になるっちゅうのも変な話やがな。
それを言うとアキーニャ様の右腕のフレンはんも開拓が始まって楽になった人やな。
今まではゴーレム作りでデスマーチしてはったから……。
夕食の時間になり、大将の食堂で他の皆はんと一緒に飯を食べるが、開拓中にも関わらず豪華な食事が並びはりますなぁ……。
皿にドンと盛り付けられたドラゴンステーキ……週に2回出てくるけど、これが白パンと合うんよね。
「お隣失礼しますで〜」
「あ、ユードリックやんか。お疲れさん」
噂をすればと言うやつか、隣はフレンはんだったわ。
開拓が始まって睡眠が十分に取れているのか前まで目の下に隈が酷かったんやが、綺麗になくなってはりますな。
肌の質感も潤いが戻ってる……一時期寝不足からかカサカサになっていたからなぁ……お労しく思っていたがよかったよかった。
「フレンはん、仕事量が減った様で良かったですなぁ」
「本当〜よ、なんでうちだけデスマーチせなあかんねん」
「今はアキーニャ様が狩ってきた魔物の一部を使って作業用ゴーレムの量産ですかいな?」
「そうそう、でも納期とか無いから伸び伸び作れるから楽よ。というかユードリックも早くゴーレムの生産に加わってよ。ゴーレムホースぐらいは作れるんやないの?」
「いや、作れるも何も……ちまちま作っとりますよ。ただ今はアキーニャ様の補佐しないと……僕の部下はまだ10歳にも満たない子供達も多いですからな」
「それを言ったらうちもまだ12歳なんやけど! 全く児童労働反対やで……」
「ケッセルリンク男爵家……殆ど児童労働で家を回してはりますからな〜」
「こんな家は普通無いで……その分給金は良いし、将来の出世できる土壌はある、能力主義だから家のしがらみもほぼ無いし」
「孤児の僕からすると凄いありがたい環境でっせ」
「本当、開拓中の方が仕事が楽ってどういうことよ……それで食事にワイバーンの肉が普通に出てくるなんて帝国広しと言えどここだけなんやない?」
「そうやろねぇ……」
ステーキをナイフで切り分けて、フォークで口に入れる。
ワイバーンの肉自体に味が染み付いているが、それに赤ワインのソースがかけられていて、食欲を掻き立てる。
白パンとの相性も抜群で、パンだけでなく、スープの方も肉料理に合わせたさっぱりのトマトスープが口の中をリセットしてくれる。
茹でられた人参とじゃがいもがプレートに添えられているが、これをステーキソースに絡めて食べると美味である。
「ユードリックは上品に食べるわね」
「お、孤児差別か?」
「そんなわけあるか」
「冗談やって……僕が丁寧に食べるのは仕事の関係や。祓魔師としての仕事を依頼してくるの大抵金持ちやねんな。だから彼らと食事をする機会も多いから体に染み込ませとるんや。あと勉強して重臣になりたいからな〜、ラインハルトはんにテーブルマナーはみっちり扱かれたわ」
「なるほどね〜。意識の違いってわけやな」
「そうそう」
食事を続け、腹も満たしたところでフレンにぶっちゃけて聞く。
「ところでフレンはんは、ナーリッツ様の側室狙っとるの?」
「ぶっちゃけて聞くねぇ……うーん、うちも狙う野心はあるよ。でも狙うとしてもアキがナーリッツの子供を孕んでからやな。まぁ数年は先の話やろうし、開拓でうちのゴーレムを更に量産せなきゃならんから色恋にうつつを抜かす暇もないやろし」
「なるほどねぇ〜」
僕は頷いておく。
とりあえずフレンはんとの話はこれで終わりにして、自室に戻り、ラインハルトさんから出されている宿題をやったり、魔力量を上げるトレーニングをするんだった。
「ユードリック、家とかいる?」
「急にどうしたんやナーリッツ様」
開拓、整地が順調に進む中、ナーリッツ様より家を要らないかと言われてしまった。
いきなりなんやと思いはりましたが、どうやら自立できる家臣には積極的に家を配っているっぽいんよね。
ちなみに今住んでいるナーリッツ様の屋敷は開拓初期の場所から移転し、川近くまで移動してはります。
川から水路を引いて、更にメアリー様が土魔法で上下水道を整備して、町作りも始まっとります。
その町作りの一環で、主要施設……冒険者ギルドや教会の設置も終わったから、次は家臣達の家を町の中心部近くに設置したいとナーリッツ様は思ったらしく、ラインハルトさんとアドミンはんがそれぞれ中型の屋敷を貰い、アルフレッドはんとマーシーはんも結婚して大きめの新築を貰っておった。
そのままの流れで、僕にも屋敷欲しくないか聞いてきたっぽいな。
ナーリッツ様の屋敷から近い場所に家を構えるのはええな。
それにメイドを侍らせるのもロマンがある。
メイド候補はこれから移住してくる教会出身の孤児で性格の良かった子を引っ張ってくればええからな。
「ではお言葉に甘えて貰いましょ」
「そう言ってくれると助かるわ」
まぁナーリッツ様の屋敷は錬金術師見習いの子供達や住み込みの家臣で結構ギリギリになっとったからね。
生活力がある人は一人暮らしさせるか。
ナーリッツ様のクラスメイトだった男子達も姉さん女房の人が多いからほぼ家貰って移住してはりましたからな。
例外はマンシュタインはんくらいじゃなかろうか?
「本当どんどん開拓が進むわ。町つくる規模の開拓って数年単位で必要なのに、ナーリッツ様の空間魔法と皆はんの膨大な魔力のゴリ押しやな」
開拓が進めばケッセルリンク男爵の地盤も固まるので、長く働く為にも領地が発展することは喜ばしかった。
「さて、僕も錬金術の腕上げて、錬金術を産業に組み込めるよう頑張らないといけませんな」
今日も僕はアキーニャ様の元に行き、錬金術師見習いの子供達に作業を割り振るのだった。