転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「普通の魔物の領域より強い魔物が多いと聞いていたけど……」
「あはは……まさにボスラッシュって奴だね」
未開発地域の奥地……最奥では無いが、魔物の質や量が一気に数段階跳ね上がった。
まず奥地に踏み入れて歓迎してくれたのは一つ目の巨人……サイクロプス。
5メートル以上ある巨体から繰り出される物理攻撃は、普通の冒険者だと苦労するかもしれないが、俺らの場合
「はい、どーん」
頭の中に空間魔法で塩を転送すると、眼球がぐるぐる回って、泡を吹きながら痙攣し始めてしまった。
亜空切断で首を刎ね、サイクロプスの亡骸を異空間に仕舞うが、1体いれば30体が近くに生息しているネズミの様にサイクロプスがいる。
俺達がサイクロプスを回収している間に……じょ……じょじょ……と変な鳴き声をしながら、ワラワラとサイクロプスが現れて、アキ、シュネ、メアリーの3人も戦闘開始。
アキはミスリル鋼で作った戦斧を振り回して、サイクロプスの首を刎ね飛ばし、メアリーは木の枝や根っこを急成長させて、サイクロプスを貫き、そのまま栄養を吸ってミイラ化させているし、シュネは得意の氷魔法でサイクロプスを氷柱へと変化させていた。
30体以上いたサイクロプスは5分もかからずに壊滅し、亡骸を俺は全て回収しておく。
普通の魔物の領域ならボスをやっていてもおかしくない魔物がうようよしている……流石未開発地域。
サイクロプスが一つ目の巨人なら百の目を持つ巨人なんかもいるわけで……。
全身に目玉を持つ死角がないのが特徴の眠らずの巨人アルゴス。
サイクロプスとは別種で、アルゴスの方が個体としては強いのであるが、魔法が使えるわけでもないので、サクッと討伐。
死角が無いなら対応できない一撃を与えればいいだけなので、俺は土魔法で石の槍を作り、身体強化と風魔法のブーストで槍をアルゴスに向かって投げつける。
ブーストが掛かったことにより砲弾の様に飛んでいき、アルゴスに突き刺さるどころか腹に大穴を空けて槍は貫通。
アルゴスは痛みに苦しみながら腹部を押さえて蹲るので、そこをアキがジャンピングアタック。
戦斧で首を切断し、アルゴスは絶命。
呆気ない最後である。
「これならホムラ連れてきても良かったかもな」
「ホムラはホムラで忙しいから……」
俺が連れてきても良かったと言ったホムラは今日はライラックと一緒に別口で魔物狩りをしていた。
あっちはあっちでヘルハウンドなる全身真っ黒の犬の魔物の群れを討伐していると念話で連絡があったが……。
「森の浅いところでもヘルハウンドの群れって……ヘルハウンドもゴールドランクの冒険者で太刀打ちする魔物なんだけどなぁ……」
「ここの土地魔境すぎるでしょ」
再度探知魔法を使ってみると、まだまだ周囲に魔物の反応多数。
数の多い方から近づくと、今度は地球でも有名なケルベロスがアンデッドになっていた。
体からは腐臭が漂い、とても近づきたくないので、こういうのは燃やすに限る。
「シュネ頼む」
「はーい!」
シュネは空気を吸い込むと、口から高温の熱線のブレスを吐き出す。
ケルベロスだけでなく森の一部が消し炭になってしまうが、視界が開けて良かったかも?
アンデッドケルベロスは消滅し、ハンドボールくらいの大きさの魔石だけがそこに残っていた。
「アンデッドになってもケルベロス……地獄の番犬って言われるだけはあるね。良質な魔石だ」
アキは魔石を拾うと、鑑定し、良質と認めている。
俺はその魔石を使えばポーンゴーレムくらい作れそうか聞くと、ポーンゴーレムくらいならワイバーンの魔石を使わなくても、今回倒したサイクロプスくらいの魔物の魔石でも十分と言われてしまった。
「このケルベロスの魔石なら、今の私のゴーレム製造技術ならポーンゴーレムは余裕で作れるよ」
「なるほどな」
まぁアキでなくてもフレンやゴーレムの製造ができるようになり始めた錬金術師見習いの皆なら作業用ゴーレムのコアにできるそうだ。
「全部が全部ワイバーンの魔石を使っていたらコストがかかっちゃうからね。流石に量産品は素材の質を下げて性能を維持できるのがベストだから」
「確かにな」
アキの事だから高性能機ばかりを作ろうとしているとばかり思っていたが、案外部下の事を考えているらしい。
まぁアキの高性能美少女ゴーレムはアキじゃないと整備できない問題もあるからね……。
ここら辺はサイクロプスとアルゴスの群生地らしく、滅茶苦茶多くの個体が生息していたが、珍しい物も見つけた。
ゴムの木である。
帝国では西方地方で栽培されているらしいので、もしかしたら原種があるかなーと思っていたら、温帯夏雨気候の未開発地域でも巨大なゴムの木が無数に育っていた。
「結構多く植生しているな」
「ここら辺全体がゴムの木かもしれないね」
「ゴムは活用方法が色々あるし、錬金術の素材だけでなく、食料保存の瓶詰めとかや車輪にゴムを纏わせるだけで衝撃が段違いになるから確保確保!」
というわけで、ゴムの木の群生地をマーキングして、後でステラリアに持ち帰ることにするのだった。
「ゴムの木だけじゃなくて、他にも色々な作物があるな」
「これは……コーヒーの木じゃないか?」
「え? コーヒーもあるの!?」
周囲を調べているとコーヒーっぽい木も発見。
確定では無いが、この木も移植することにするのだった。
「ゴムにコーヒーが見つかったのは大きいな……ただコーヒーは需要が無いから地産地消の作物になると思うけど……」
コーヒーは商業作物であるが、今まで発見できてなかったことで、需要が存在しない。
なので需要を作るところから始めなければならない。
「コーヒーがあるってことはカカオとかも見つかれば良いんだけど……」
「それは欲張りすぎじゃない?」
俺の言葉にシュネが欲張り過ぎだと言われてしまった。
「さてともう少しサイクロプスの個体数を減らしていきますか」
「「「了解」」」
こうしてサイクロプス含め、他所ではボスクラスの魔物の大虐殺が行われるのであった。
魔物を狩りしながら周囲を探索して5時間ほど歩き回っていると、魔物とは別の魔力反応を探知することに成功した。
「ストップ」
俺が皆を静止させて、空間魔法を駆使して奥を探索すると竹林があり、竹林の奥に人が生活している居住区が存在しているではないか。
「ええ……未開発地域だよな……こんなところに人が居住しているのかよ……」
「え? 本当!?」
メアリー達はこんな魔物ボスクラスの魔物が多く生息している場所に人が住んでいることに驚き、とりあえず接触を試みることにするのだった。