転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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異文化の村
エロゲみたいな村


 竹林のある方向へ飛行の魔法で近づく。

 

 俺が外周を探索した時には見つけられなかったが、原住民が居たとは……。

 

 これは揉め事になりそうな予感がビンビンする。

 

 竹林の中に入っていくと、魔法への探知が鋭いメアリーが反応した。

 

「竹林全体に魔法がかけられている……多分方向感覚を狂わせる魔法」

 

「じゃあ空飛んでいった方がいい感じか?」

 

「いや、これくらいなら解除できると思う」

 

 メアリーは解呪の魔法を唱えると、体の周りに光が灯り、感覚が正常化した。

 

「ナツには要らなかったかもね。空間魔法を駆使すれば方向感覚を狂わせても、直ぐに修正できるだろうし」

 

「いや、魔法での感覚と視覚からの感覚がズレていると違和感が凄いから助かる……あっちの方から来てくれたっぽいな」

 

 俺の探知魔法で人が近づいてくるのがわかるため、こちらに向かってまっすぐ近づいてくるとなると……接触を試みている人物なのだろう。

 

「さて、吉と出るか凶と出るか……」

 

 俺達が戦闘態勢に移行しながら警戒していると、1人の人物が姿を現した。

 

 黒い頭巾で顔を隠し、腰には刀を携えている。

 

 全身を黒装束で身を包んでいるその姿はまさに……

 

「に、忍者だ!」

 

 忍者そのものであった。

 

「ほぉ、忍びの事を知っているのか? ……ただの旅人では無いな?」

 

 黒装束の人物は若い女性らしく、高い声が響く。

 

「旅人……では無いな。俺はここら一帯を辺境伯様より授かった貴族だ。貴族の意味が分からなければ領主となったと言った方が良いか?」

 

「領主だと……我々の土地を奪いに来たのか!」

 

 腰の刀を抜こうとするが、俺は落ち着けと忍びの彼女を静止する。

 

「まぁ待て、それに周囲に4人伏せているな。バレているから出て来い」

 

 俺がそう言っても隠れている忍びは出てこないが、彼女達はひっきりなしに念話が飛び交っている。

 

 これをメアリーが盗聴し、念話で俺やアキ、シュネに盗聴内容を伝えてくれた。

 

『どどど……どうしましょう! こちらの事がバレてますよ!』

 

『落ち着き給え、ヒナタ。場所が分かっていてもこちらの実力まではバレて無いはずだからね!』

 

『さ、流石ミオ〜こんな時にも落ち着いていてカッコいいです!』

 

『ハッハッハ! うん! 今日も私は冴えているねぇ!』

 

『漫才やってないでどうするか考えるわよ』

 

 情報を引っこ抜いた限り、彼女達は警備隊という魔物や侵入者から村を守る目的の部隊員らしい。

 

 数百年侵入者が居なかったので、ほぼ魔物に対応する組織になっていたらしいが……。

 

 こちらが領主と言ったことでどう対応すれば良いか迷っているらしい。

 

 旅人であれば村に入れて休ませる事もやぶさかでは無い……というより男であれば子種をばら撒いて欲しいという声が漏れ出ている。

 

 どういうことだ? 

 

「こちらには敵意は無い。探索していたら、たまたま人が住んでいる痕跡を見つけたから、とりあえず意思疎通ができるかを確認したかったんだ」

 

「……しばし待たれよ」

 

 念話で1人を村に走らせて、上司の指示を仰ぐらしい。

 

 どれくらいかかるかわからないが、俺は土魔法でテーブルと椅子を用意すると、異空間からサンドイッチを取り出した。

 

「こっちは軽食にするが、食べるかい?」

 

「い、いらぬ!」

 

「そうか」

 

 俺達は椅子に座り、サンドイッチを食べ始め、お茶を出して飲み始める。

 

 更にはデザートでフルーツパイを取り出すと、俺達に対峙している忍び娘は羨ましそうにこちらを見つめている。

 

「あの~」

 

 無音かつ気配を完全に消し、隠れていた忍びの1人が食べても良いかと聞いてきた。

 

「ちょ! なんで出てきているの!」

 

「だって敵意は感じないし、とても美味しそうな食べ物を目の前で食べられていたら食べたくなるですぅ! 許してくださぃ〜」

 

 すっげぇポンコツ忍者娘が出てきたな。

 

 別に俺達は気にしないので、フルーツパイを1切れ器によそって渡すと、直ぐに食べ始めてしまう。

 

「うわぁ~!?」

 

「ヒナタ!? 貴様ら! まさか毒を!」

 

「リンさん違いますぅ〜! これ滅茶苦茶甘いんですぅ〜! 美味しくてトビそうになってしまいました〜」

 

「な、なに!? 甘いのか!」

 

「はい〜! 桃や柿、甘芋よりも甘くて美味しいです〜!」

 

 それを聞いて、目の前の忍び娘のリンは頭巾越しでもわかるくらいよだれが垂れていた。

 

「食べるか?」

 

「くぅぅぅゔゔゔ」

 

 めっちゃ葛藤してるやん。

 

 しかし、誘惑には勝てず……俺が手渡したパイを受け取ると食べ始めて

 

「お、美味しい〜」

 

 声で嬉しさが溢れていた。

 

「リン! ズルいよ!」

 

「私も食べるわね」

 

 隠れていた残りの2人も飛び出してきてパイを受け取ると食べ始めて、黒頭巾の忍び娘達は甘いフルーツパイを食べてほっこりしていた。

 

 

 

 

 結局全員椅子に座り、話を聞くと、この先にある村はヤマト村といい、帝国が混乱していた時期に安息の地を求めて移住したエルフの集団らしい。

 

 どちらかと言うと中央の政争に負けたエルフの一族が逃げ延び、魔物の領域の中に居住区を作ることで追っ手を巻いたのだが、開拓できるくらい強かった初代達が亡くなると、次世代の子供達の大多数は結界の中でしか生きていけなくなってしまい、結果外から孤立し、独自の文化を持つ集落が誕生したのだとか……。

 

「ただ困った事に、私達の祖先の中に女性が産まれやすくなる遺伝子を持つ者が居たらしく、それが世代を重ねるごとに村の血に混じり、結果……男が極端に産まれにくい環境となってしまったのですよ〜」

 

 フルーツパイが相当気に入ったのか、お代わりを与えたらヒナタという忍び装束の上からでもおっぱいが盛り上がっている爆乳忍び……くノ一と言った方が良いか。

 

 爆乳くノ一が内情をべらべら喋り始めた。

 

 他の子もフルーツパイに夢中でヒナタが内情を喋っていることを気にしない。

 

 というか外部と交渉するというのが始めてだろうから、どうするのが正解なのか全く分かってないっぽい。

 

 隠そうとしてもメアリーの読心術で全部筒抜けになるのでこちらは何も問題は無いのであるが……。

 

「ちなみに村に男は居るのか?」

 

「……正確には居ただな」

 

 フルーツパイを食べ終えたリンが説明してくれたが、3年前までは4人男性が居たのだが、流行病や急死、寿命が重なってしまい、村に男が居なくなってしまったのだと……。

 

 エルフなので200歳近くまで生きられるし、エルフは死ぬ10年前に一気に老化が進むので、それまでは若々しい姿で居られる……繁殖が可能なのであるが、男が居なければ繁殖ができないし、数百年に及ぶ近親交配の影響でどんどん女しか産まれなくなるし、男は病弱になってしまっていたらしい。

 

 その村だけエロゲの様な世界になっている様にしか思えなかった。

 

 こりゃ過去に転生者が絡んでいた可能性もあるな。

 

 転生者がハーレムを作りたいとかそう言う転生特典をお願いした結果出来上がった村と言われても納得できそうである。

 

「あれあれ? なんで皆普通にお喋りしているの?」

 

「あ、ユナお帰り」

 

「いや、お帰りじゃないが?」

 

 村に戻っていたくノ一も戻ってきて、長老に対応を聞いたところ、俺達を村に通してくれるっぽい。

 

「案内頼めるか?」

 

「パイのお礼です! しっかり守ります!」

 

「ねぇパイって何? なんか貰ったの! 賄賂! 賄賂ってやつ!?」

 

 ユナと言う子にもフルーツパイを渡したら泣いて喜んだ。

 

 俺達はエロゲみたいな村に向かうのだった。

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