転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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価値観の違い

 〜ランコ視点〜

 

 正直、開拓が始まってまだ半年も経過していないのに、この速度で開発が進んでいることに驚きつつも、ナーリッツ君やシュネちゃん、アキちゃんにメアリーちゃん達と色々喋ってみて、性格的にも信用できると思えてきた。

 

 元日本人として価値観が共有できるのも大きい。

 

 しかも法律で差別をしないようにというのが明文化されているのも私的には良いと思える点だった。

 

 本来は差別されがちな魔族に対しての差別を行わない宣言であったが、ほぼ原住民となっていた私達に対してもこの法は当てはまる。

 

 これによって文字の読み書きを修正すれば様々な職業で働くことができるのも良い点だろう。

 

 それに、ここに来た人達もまだ移住したてで農業に詳しい人は少ない。

 

 なので農業分野で強みがある私達が進出できれば強いアドバンテージになるし、ナーリッツ君から工芸品や織物は直ぐに輸出できる技術力があると褒められていたので、弟子を増やしながら規模を拡大していけばヤマト村の面々は重宝されることだろう。

 

 転生して15年もヤマト村で育てば、村の仲間に愛着も湧くし、村長の娘として村を率いる立場でもある。

 

 全部込みで、私は移住するべきであると結論付けた。

 

 幸い、早期移住に関してナーリッツ君が空間魔法で家ごと持ってくることができると言ってくれたので、まずは慣れ親しんだ家を持ってきてもらい、田んぼの土もできれば引っ剥がして運んで、新しい田んぼに流し込めば、田植えにも間に合うだろう。

 

 住民同士の交流は徐々に進めていけば良いし、食料に関してもナーリッツ君が補填してくれることで交渉が纏まった。

 

 私的には上々の成果であるだろう。

 

 それとナーリッツ君達は別口であったが、私と同じバスに乗っていた学生さんも家臣として彼らは抱えていた。

 

「ど、どうも……」

 

『こんにちは……』

 

「いや、バスガイドしていたけど、ほぼ初対面だから私達」

 

 1人はライラックちゃん、彼女も魔力量がグングン伸びて、今では単独でワイバーンを倒せる猛者らしい。

 

 ケッセルリンク男爵家では戦闘力順で5番手、6番手を争っているのだとか。

 

 一方魔物に転生してしまい、討伐されそうになり、紆余曲折あってゴーレムの体を手に入れたホムラちゃん。

 

 顔立ちは生前の日本人っぽい顔立ちをしているけど、白い肌や人形の様な関節、胸や腹に巨大な魔石が埋め込まれていたりして、人ではないことがちゃんと分かる。

 

 表向きはアキちゃんが開発した特注の高性能自律ゴーレムって扱いらしい。

 

 自分の部屋もあるし、食事もできるので、そこら辺は人とあまり変わらないかも? 

 

「学生30名に教員2人、私と運転者で34人……あの事故で転生した人数だけど、どれだけ今も生きていることやら……」

 

『正直うちやライラックは運が良かったと思います。あ、ランコさんも』

 

「いいよ、今は同じ年だしランコで」

 

『ではお言葉に甘えて……うちやライラックにランコみたくナーリッツ達に拾われたのは正直当たりやと思うけど、幼少期に亡くなってる奴も絶対居ると思うな……話聞いている限り』

 

「それに皆バラバラに転生したから、合流できた私達でも凄く離れていた訳だし」

 

『まぁ3人だけでも合流できたのは運が良かったとしか言えんわな』

 

 私は彼女達は普段どう過ごしているのか聞いてみた。

 

『うちはライラックと一緒に魔物狩りやね。あとは魔法の練習。知っとるか? この世界の魔力は魂……精神に依存するらしいんやわ。だから精神力が強い人や特殊な人ほど最大魔力量が大きくなる傾向があるらしいんよね』

 

 ホムラは最も、うちは肉体がゴーレムだから体に埋められた魔石の魔力以上は蓄えることができんのだけど……と語っていた。

 

「ということはライラックは魔力量が伸び続けているということ?」

 

「そう、私は今だに魔力が伸び続けている」

 

 ライラックは転生特典に物品を選んでしまったが為に、転生チートと呼べるのが無くなってしまっていたが、ケッセルリンク男爵家で行っている魔力量を短期で上げるトレーニングと魔力量の上限が高かったこと、あとミスリル鋼を使った特注の片手剣のお陰で、ワイバーンを単独で倒せるまで実力が上がった事を話してくれた。

 

「そのトレーニング私も受けることができるかな?」

 

「言えばやらせてくれると思うよ」

 

 私はダメ元で聞いてみることにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「別にいいよ」

 

「え? そんなあっさり?」

 

 ナーリッツ君に聞いてみると、私だけでなく、一緒に来ていた皆もトレーニングに参加させてくれることになり、秘伝の類いだと思ったので、少々肩透かしを喰らってしまった。

 

 しかし、トレーニングが始まり、渡されたポーションの材料を聞いて……私達は固まった。

 

「ワイバーンの血液ぃ!?」

 

「そ、そんな高級な品を湯水のように使うのですか! 非常時でもないのに!?」

 

 皆目ん玉が出るくらい驚いたが、アキちゃん曰く、素材が貴重なだけで、ポーションを作るのは非常に簡単らしく、既に量産されているのだとか……。

 

 その魔力が回復するポーションを使い、魔力切れを起こしてからポーションで無理やり回復して、上限を引き伸ばす力技であった。

 

 そりゃ魔力ポーションが製造できるケッセルリンク男爵家だからできる魔法使いの育成方法である。

 

 皆高級なポーションを使うことに抵抗があったが、魔力量が上がるという誘惑には勝てず、トレーニングに参加したが、私達の他に孤児の子供達300人以上も同じトレーニングを日中していると聞いてぶったまげた。

 

 1日1リットル使うとしても、300人いれば300リットル……日本の一般家庭にあるお風呂を満水にしたのより少し多いくらい。

 

 ワイバーン1体の血が数千リットルとしても、普通は採取することが難しい素材である。

 

 高い実力があり、空間魔法が使えるナーリッツ君だから採取できるのだろう。

 

 ダラダラ冷や汗をかきながらトレーニングさせてもらったが、これを魔力の成長量が鈍化するまで行うと言われた。

 

 つまりこれを数年単位でやるってことである……。

 

「財力が桁違いだ……」

 

「ひぇぇえ!?」

 

 あまりの価値観の違いにヒナタは泡吹いて倒れてしまい、いつも笑顔で笑っているミオでさえ、笑顔が凍りついて固まっていた。

 

「絶対に敵に回してはいけないわね」

 

「ヤマト村の皆の将来の為にも粗相はできないね!」

 

「あわわ……これはもうあれをやるしか無いかもしれません!?」

 

 なんかヒナタが目ん玉をぐるぐるさせながらトチ狂った事を言い始めていたが、この日は魔力トレーニングをさせてもらって夜は過ごすのだった。

 

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