転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
〜フレン視点〜
どうも〜開拓が始まってからブラック労働から解放されたと思ったら、また暗黒に戻りつつあるフレンやね。
……うち、誰に対して挨拶しているんやろ?
うちらがステラリアの開拓村に移住して半年が経過したんかな?
ヤマト村っちゅうエルフとは思えんくらい肉付きの良いエルフの原住民……いや、先住民の方々を見つけたり、それに伴って米っちゅう作物を育てる事をナーリッツ様が強権発動して村人に優先的に作るように命令した為に、うちの作業用ゴーレムの在庫がどんどん無くなっていってるんよなぁ……。
アキのゴーレムより安価で作りやすいと言っても、日産10体が限界なんやが?
ユードリックも作れるようになったけど、あいつは他の子の教育係として駆り出されとるから戦力として計算できん……。
やっぱり酷使される運命なんやろうか?
「フレン、今月の賃金だよ〜」
「わーい」
でも楽しみもある。
そう給料やねんな。
うちの場合給料が基本給プラス出来高に切り替わっていて、普通冒険者として稼いだ金を懐に入れても良いみたいな感じなんやが、うちはゴーレム作った台数分出来高に加算されるんよね。
うちのゴーレムは1体金貨1枚の製造コストがかかるとして、そのうちの銀貨3枚分が出来高で入ってくるんよね。
だから1日10体作れれば金貨3枚になり、それが1ヶ月30日で白金貨9枚にもなる。
基本給も月収白金貨1枚に上がっているから、毎月白金貨10枚も貰えている高級取りやねんな。
年俸だとラインハルトはんを超えてケッセルリンク男爵家で1位やね!
今は殆ど使う暇は無いんやけど、この前奮発して、アキのアトリエ近くに、自分のアトリエも建設したんや。
理由はアキのアトリエには弟子が沢山居て、作業に支障をきたしていたからな。
効率を上げるためにも自分のアトリエ作って半独立したんやけどね……。
「ユナ、今日はこの農具作ってみない?」
「ランコ? これは?」
「動力を利用した草刈機。盛土には雑草が生えてくるからゴーレムが装備できる草刈機必要だと思うのよね」
「ほえー、ランコは本当農具に関しては色々思いつくね」
「あんたら農具だけじゃなくてうちの作業用ゴーレム製造手伝ってくれへん?」
ユードリックから早々に戦力になるからと送られてきたエッロいエルフの姉ちゃん達……ユナとランコっちゅうんやが、作業用ゴーレムよりも作業用ゴーレムの装備できる農具ばかり作ろうとするんよな。
いや、それが今の領地に必要ってのはわかってるつもりなんやけど……。
「分担したところで出来上がる作業用ゴーレムは20体がいいところ。だったらフレンに10体造ってもらって、私達はその10体の能力を上げられる装備品を作ったほうが住民にとって戦力になると思わない?」
「それはそうやけど……なんか釈然とせんのよな」
そんな事を喋っていると、壁掛け時計の中からミニゴーレムが小窓から飛び出し、シャカシャカと正午を示すシンバルを鳴らす。
「もう昼か……飯行くで〜」
「「はーい」」
うちらは白衣の汚れを洗浄の魔法で落とし、ナーリッツ様の屋敷の食堂へと向かう。
大衆食堂も領地に出来て、領民はそこで食事をすることが出来るが、うちらは男爵の屋敷に出入り……というか屋敷に住んでいるので、屋敷の食堂で食事をいただく事ができる。
今日のメニューはオーク肉のレタス包み、焦がしパスタ(暗殺者のパスタ)、ライスサラダ(グリーンピースとトウモロコシの炊き込みご飯)やね。
今うちの領地で育てられるように命令されている米っちゅう作物……最初はなんやこれとかお粥の亜種かとも思ったんやが、好みの差はあれど、粉に挽いて小麦と混ぜればパンにもなるし、うちはライスサラダっちゅう食べ方も気に入っている。
ちなみに一緒に食べに来たランコとユナの2人は何も入ってないご飯だけで食べていた。
(ヤマト村出身者は混ぜ物しない白米が一番美味しいと感じるらしいな。ナーリッツ様やアキ、メアリーにシュネの奥さん達も白米が好み……まぁうちとしてはパン食もあるんなら別に気にせんでもええか)
それにヤマト村ではナーリッツ様が作っていた味噌や醤油が普通に作られとったんよね。
しかも質が良い為、大層喜んどったな。
錬金術で醤油や味噌作れるんやけど、質が一定になるのが弱点よな。
傑出して高いのが出にくいし、生産ラインに乗せられへん。
そう考えるとアキが作ったホムラ……あれは別格なんよな……なんやろ……あれ。
昼食を美味しくいただき、うちは午後の作業時間までゆっくり休憩するのだった。
「ふひーおわったでー」
今日の作業も終了や。
ランコとユナの2人もお疲れ様と言って、屋敷の風呂入りにさっさと帰宅してもうたな。
うちは今日は風呂はええな。
アトリエに備え付けられているシャワーで十分。
ちゃちゃっと浴びて、飯食って、自室でゆっくりしよっと。
……うーん。
「廉価版ばかり作って満足かね?」
最近そんな事をよく思う。
アキのは正直高級品やねん。
素材も良いのを使っているし、手間もうちの数倍かかって特注の1体が出来上がる。
それでゴールド冒険者と同等の戦闘能力を持つゴーレムができるんならコスト的には見合ってるかもしれんが……ランコとユナのを見ていると、彼女達は限られた素材で、ゴーレムの質を上げる装備品を作ることができる。
今は農具に注力しているが、後には武器にも転用できそうやなと思っとる。
じゃあうちはどうかと思うと……アキの廉価版なんよな……。
そこそこの性能のゴーレムをそこそこの素材と手間で作る。
見習いの子達はうちのゴーレムを作る目標にしているっぽいけど、うちのは超えるべき壁なんよな。
「うちも何か特化したゴーレムが作れたらええんやけど」
そんな事を思いながら、シャワーを浴びに行くのだった。
「かぁ……キンキンに冷えたジュースを飲むのは最高やな!」
ハーゲンシュタットの町より温かいステラリアの開拓村では冷蔵庫がとても重宝されとる。
ナーリッツ様が毎回ハーゲンシュタットに行く際に冷蔵庫を買っているけれど、各家庭に行き届くにはもう少しかかりそうやな。
うちの場合は素材を保管するための大型冷凍室と部屋にジュース用の冷蔵庫を備えているんよな。
「ここの開拓村だとジュースも高級品……まぁ食料の生産が始まっていないから贅沢は言ってられへんけど」
ナーリッツ様の輸送に依存している現状は正直良い状況とは思えへんからな。
輸送用ゴーレムでも作ってみて近くの町や村と交易できるようになればええんやけど……ここから隣の村までは100キロ近く離れているんよな。
なかなか利益を確保して交易するのは厳しいかもしれんけど、ナーリッツ様に依存している今よりはマシかいな?
「となるとゴーレムホースを改造して、荷車部分を大きくして積載量を増やした方がええな。四輪車だと重さに耐えきれんか? あ、ナーリッツ様が見つけたゴムなる樹液をアキが研究しとったな? 車輪の衝撃吸収に使えんかな?」
うちは色々アイデアが湧いてきたので、紙に書き起こしていくのだった。
数カ月後、うちが開発した輸送用ゴーレムホースと馬車はナーリッツ様より正式採用されて、近隣の村への交易に使われることになるのだった。
なおそれによってまた仕事が増えてしまうのだった。