転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「やっと時間できたー」
更に1ヶ月が進み、ステラリアも夏真っ只中。
この1ヶ月の間に雨季があり、土砂降りの雨の日も多かったし、湿度がヤバい。
蒸すような暑さはなんともしがたいが、俺達は身体強化魔法の応用で、体温調節もできるため、暑さや寒さもなんとかなる。
ただ移住してきた領民達は初めての暑さで結構クタクタになってしまっているが……。
農地に関しては順次拡張中。
数ヶ月間、生活可能な農地の拡張を続けてきたので、今では東京23区が入るくらいの広さの領地を解放していき、ステラリアの開拓村を中心に、円形状に領地がどんどん広くなっていっていた。
領民達はそれぞれ自身の農地近くに移住し、生活範囲は大幅に拡大。
外周部に位置する領民達にはゴーレムホースや荷車を貸し出したり、アキのゴーレムをバス代わりにして運行させることで、領内の輸送を担っていた。
「雨季がまだ続いているから、狩り日和ではないんだよな……ちょっと教官のところに顔出してくるか……」
俺は冒険者ギルドステラリア支部へと向かうのだった。
「いらっしゃいませ~」
「え? フジさん?」
「あら〜ナーリッツさんじゃない。久しぶりね」
冒険者ギルドに行ってみると、受付でフジさんが受付嬢をやっていた。
「受付嬢って若い女性がやるもんじゃないの?」
「あら、旦那様は私のことを若々しいって見てくれるわよ」
いや、外見上は確かに25歳くらいに見えるけどさ……実年齢は130歳超えているんだから……それに普通の受付嬢も20歳未満の人がやる職業よ。
……いや、このツッコミを入れるとフジさんに怒られそうだからやめておこう。
ここは
「そう言えば恋人ができたと聞きましたが、旦那ということは結婚を?」
「そうね。家族の間でひっそりとする予定よ。ランコも居るし、そんなに大々的にやるつもりは無いわ」
「そうだったんですね……お祝いの品には期待してくださいな」
「あら、ありがとう! 要件は何かしら?」
「ああ、支部長のジェイシェットさんに繋いでください」
「あら、うちの旦那様ね! 直ぐに繋ぐわ」
お相手……教官かよ……。
あれ? 教官50過ぎてなかったか?
だいぶ熟年婚……になるのか?
そんな事を考えていると支部長室に通されて、ジェイシェット支部長と再会した。
「お久しぶりです! 調子はどうですか?」
「お久しぶりって……1ヶ月に1度は冒険者ギルドから魔物の素材をハーゲンシュタットの町に運搬するために来ているだろうが……」
フジさんとは別の受付嬢の方がお茶を出してくれた。
お茶をいただきながらジェイシェット支部長から今日は何しに来たか言われ、時間ができたが、雨で冒険に行くのはちょっと気分が乗らないし、嫁達との時間は夕方以降に作れば良いから、時間を持て余したと伝えた。
「なんだ、冷やかしに来たのかよ」
「一応政務ですよ。うちの領地の収入は現状冒険者ギルドからの上納金で賄っていますので」
前にステラリアでは冒険者を呼び込むために、領主の取り分を0にしていたのだが、他の冒険者ギルドや領主との兼ね合いで1割を取ることに変えていた。
これが結構馬鹿にできない収益を叩き出していたのである。
「最初は領地の収入でなんとかなると思っていたけれど、想定外の領民が増えて計画が狂ったからなぁ」
本来の計画であれば1000人連れてくる予定であった。
それを孤児達約300人連れてきて、更にヤマト村約500人が追加され、1800人超え……ラインハルトが頭を抱えるわけだ。
その分食料や生活用品を他所から買わないといけない。
辺境伯様と話し合って、ハーゲンシュタットの町でそれらを購入する。
支払いは辺境伯様に納入していたワイバーンや事前に達成した依頼の報酬から支払われる。
それとは別に支援金も支払わられている。
それでも倍に近い人数をいきなり養う事になったのだから……貯金がどんどん減っていく。
しかも領主である俺が換金性が未知数の米作りに熱中しているときたもんだ。
で、ラインハルトが金になる事業を持っておきましょうと言ったのが決め手になり、冒険者ギルドからの上納金1割となった。
それでも他所は3割とかが普通なので安いのであるが……。
「で、冒険者としての質はどうですかね? ヤマト村の人々とか」
「ヤマト村の村長でもあったフジに彼女達の性格や実力を査定してもらっているが、アイアンから始まって、上げられる実力と実績があるのはどんどんブロンズに上げているよ」
ジェイシェット支部長曰く、町だと冒険者予備校経由でブロンズに上がる方が昇格が早くなるのであるが、魔物の実力が高いここらの地域だと、生き残って戦えるだけでもブロンズ上位……シルバーランククラスの実力があることになる。
成果物に関しても、ゴーレムを使った運搬が可能になったので、他所より数倍の成果を達成しているらしい。
そこに実力だけならゴールドランククラスのヤマト村の元防衛隊のメンバーが冒険者となり、支部長権限でアイアンからブロンズにガンガン昇格させているらしい。
「各冒険者ギルドには昇格できる人数が決まっていたりするんだがな……ステラリア支部では現状でも許容人数の950%超えだ。本来なら支部長が罰せられるんだが、外に出ていく冒険者もいねーし、南部の冒険者ギルドを統括しているハーゲンシュタットの支部には特例処置を認めてもらっている」
「シルバーランクまでは実力があればガンガン上げて、ゴールドランクはクランを各パーティー達で立ち上げてもらって、その代表者をゴールドランクに上げて数を調整する」
ジェイシェット支部長も色々考えているらしい。
「それ聞けて安心しましたわ……ヤマト村の連中の実力でアイアンランクだと問題が噴出すると思いまして」
「そりゃそうだ。というかそのヤマト村の連中のお陰で、ここ2ヶ月で魔物の狩られた量が凄まじい勢いで増えているからな」
「ええ、お陰で男爵家としてもウハウハですよ」
話は変わり、フジさんと付き合い始めた事を茶化す。
「教官が女性を捕まえるとは……生涯独身で行くと思っていましたよ」
「あのなぁ……どこぞの辺境伯のお抱え魔法使い様じゃねーんだから」
「あ、デーニッツさんを馬鹿にしました?」
「馬鹿にはしてねーよ。今まで縁に恵まれてなかっただけで、支部長になって収入的にも安定したし、女の1人でも抱えてぇからな」
2人ともいい年だったので、話も合ったのらしい。
それにフジさんもエルフ人生の後半に差し掛かっているが、まだまだ子供を産める年齢なので、ランコの他にも子供が欲しいらしい。
ハーフエルフになるが、今から産めばフジさんよりも早く子供が亡くなる……みたいな事もないのも良い点らしい。
ジェイシェット支部長は安心して老後を暮らせるのも彼からしたら安心できるのだろう。
「なに、フジはいい女だ。俺もあと30年は生きるつもりだが、そうなればフジの残りの人生も終盤だろう。そうなれば子供に囲まれてた老後を送れれば最高じゃねぇかなと思ってな」
「教官……」
「まだ死なねぇから安心しろ。それにちゃんと結婚するときは贈り物期待しているからな!」
「ええ! 期待していてください!」
久しぶりにジェイシェット支部長としっかり話すことができたのだった。