転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
クルシェドラを討伐した俺達は更にドラゴンと呼ばれる魔物を討伐していく。
流石にクルシェドラクラスは周囲に居なかったが、20メートルクラスのドラゴン……火竜とかウェールズの赤いドラゴンみたいな姿のカラフルなドラゴンがクルシェドラを倒した場所から更に進んでいくと、ぼちぼち居た。
そのドラゴン達の他にワイバーンも生息しているが、ワイバーンですらドラゴンの食料になっているらしく、ワイバーンの骨がゴロゴロ転がっていた。
ドラゴンは奇襲で2頭倒すことができたが、恐ろしく強靭な肉体をしており、クルシェドラに効いたホムラの光線攻撃は魔法耐性のある鱗に弾かれてしまい、ライラックのミスリル鋼の片手剣でも切傷をつけるのがやっと。
致命傷を与えるには俺の亜空切断や体内に異物混入で倒すしか現状倒せる方法が無かった。
「あのクルシェドラがこのドラゴンランドの門番みたいな感じだったのかもな」
「それより、クルシェドラクラスのドラゴンでも中央に居るドラゴンより弱いから弾き出されたんじゃないのかな?」
「ありそー」
シュネの言葉に同調するが、流石ドラゴン……地底神とかの例外を除けは地上の最強種たる強さがある。
「クルシェドラ含めて3頭倒せただけでも御の字か」
ナチュラルに卑猥ドラゴンの事を除外したが、あれはあれで何だったんだろうな……。
「あ、でも最後に倒したドラゴンの巣だけ見ていかない? ドラゴンって宝物を巣に隠しているって伝承があるから」
「なら、ちゃっちゃと行こう。正直俺たちでもここらは危険地帯だからな」
奇襲で倒したドラゴンのうち、1頭の巣が近くにあるのは俺の空間魔法で探知していた。
ちょっとした洞窟……まぁドラゴンが入れる大きさなので、高さが数メートルある大洞窟であるが……。
「ドラゴンが掘ったのかね?」
「かもしれないね……この中にドラゴンの反応はある?」
「うーん、ドラゴンの反応は無いけど、卵があるっぽいね」
「え? ドラゴンの卵あるの?」
「うん、それにちゃんと宝物もありそうだ」
洞窟の中を光の魔法で明るくしながら進んでいくと、そこには魔物の魔石の山が出来上がっていた。
「うわ、ワイバーンクラスの魔石がこんなに沢山……それに拳大の宝石だったり……これは……古い剣?」
「旧王国時代……いや、それよりも前の時代の剣か? 過去にはここに到達した人々が居たのかね? まぁ錆びついていて価値は殆ど無いかもしれないけど」
ライラックが真面目に鑑定してくれたが、直ぐに別の話題となる。
『皆! 卵ってこれやない!』
「ん! ホムラ見つけたのか?」
ホムラがドラゴンの卵を見つけてくれた。
白ベースに、イースターエッグの様に綺麗な模様になっている卵で、中にドラゴンの反応がちゃんとある。
大きさは1メートルちょっとのサイズで重さは100キロを超えそうである。
手で抱えて運ぶのも厳しそうだし、死んでしまうが、異空間に収納して運ぶことに決まった。
「ワイバーンクラスの魔石数千個あるから、これで当面の間はゴーレムのコアに関しては足りない事はないかな?」
アキに尋ねると、そうね〜と返答し
「ドラゴンの鱗や肉体を使えばより強力なゴーレムが作れるかも。とりあえずドラゴンは研究に回させてもらっても良いかな?」
「ああ、構わないよ」
ドラゴンの巣の品々を回収して、ドラゴンランドから撤退する俺達であった。
「えー、明日からは魔物の間引きの方に移行しますが、ドラゴンを討伐できたことを祝してかんぱーい!」
「「「乾杯!」」」
屋敷に帰った俺達はドラゴン討伐に参加したメンバーでお疲れ様会を開いていた。
フライドチキンやフライドポテト、テーブルの中央には四角いケーキまで置かれていた。
ただ時期的にいちごが手にはいらなかったので、ベイクドチーズケーキになっていた。
まぁ砂糖が貴重な開拓村でケーキが食べられるだけ凄いことなのであるが……。
ケーキの材料はハーゲンシュタットの町で買いだめていた物を使ったが、作るのは屋敷で働いている料理人が作ってくれた。
それにオレンジジュースを注いで乾杯する。
「かぁ……日本でパーティーしているみたいだわ」
「本当にそれ、次に会を開くことがあればランコも参加してもらおうよ」
「いいねー」
今回ランコは不参加。
誘っては居たのだが、彼女は参加すると、他の家臣の方達になぜ参加してるのという思いをされてしまうかもしれないという大人な理由で参加を断っていた。
まぁこっそりチーズケーキを渡しているので、今頃部屋でケーキを堪能しているかもしれないが……。
「ドラゴンの素材を使うことで、より強力なゴーレムが作れることにもなる! そして、それは領地の開拓がより進むことにもなるし、もう少ししたら米の収穫も始まるから、領地経営の方でも忙しくなると思うからよろしく!」
ケーキを堪能していると、ライラックが話しかけてきた。
「ナツ、ちょっと良いかしら」
「ん? どうしたライラック?」
「ミスリル鋼の剣なんだけど……」
ライラックは終盤のドラゴン戦でミスリル鋼の片手剣ではドラゴンに大きなダメージが与えられなかった事を気にしていた。
「ミスリル鋼っていう高価な剣を頂いているのに、成果が出せなくて申し訳ないわ」
「いやいや、ワイバーン狩りで助けになっているし、気にすること無いからな。ドラゴン対策は今後考えていくとしてさ」
今回は転生者で戦力を固めたかったから、開拓村の防衛を任せたスターが居たが、現状ケッセルリンク男爵家で6番目の戦闘能力を有しているのがライラックなので、自信を持ってほしいと励ます。
ワイバーン狩りだけでも男爵家の財政的には助かっているし、開拓に伴う魔物の間引きも陣頭指揮をしてくれているのはライラックなので、これからも頼むと声をかける。
「ふふ、じゃあ頑張らないとね」
「ああ、頼むぞ」
後はホムラが悩んでいた様子なので声をかけた。
「ホムラ、大丈夫か?」
『あ、ナツ……いやね。最終盤のドラゴンには歯が立たなかったから今後どうするべきかなーって考えてなー』
ホムラは魔力量がワイバーン3体分という上限が既にあるので、これ以上の火力強化は難しい。
となると汎用性の面で活路を見いだしたいのらしいが、せっかくゴーレムなんだし、ゴーレムを操る現場指揮官みたいなのができれば良いなーと思っていたらしい。
『その為には念話の範囲を拡大したりしなきゃいけない事があるんよね。後は装備品として長距離通信出来る魔導具が欲しかったり』
「どんどん通信兵みたいなことになってないか?」
『いやね、うちが目指すべきは1人でゴーレムの軍隊を動かせるようになることやと思うんよね。ドラゴンも兵力で圧殺する感じ。ドラゴンの皮膚を貫いてダメージが与えられる武器が誕生するかは置いておいてさー』
彼女なりに色々考えているらしい。
ホムラにはあんまり気を詰めすぎるなよ、ゆっくり進歩していけばいいからなと声をかけるのであった。