転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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米の収穫と需要の創造

 夏真っ只中であるが、米の収穫期となり、開拓村では収穫作業に大忙し。

 

 慣れない米の収穫に旧ヤマト村の女性達が各所に援軍に行き、収穫の際に注意する点や収穫後にやるべきことを逐一教えていた。

 

 俺もアルフレッドとマーシー夫婦の田んぼに来て農作業を手伝っていた。

 

 最初はラインハルトが貴族が農作業なんかやるもんじゃないと言っていたが、お前散々開墾や田畑の整備、水路の設置をやらせておいてそれは無いだろとツッコミを入れ、収穫作業のやり方や二期作のやり方を現場で体験するのだった。

 

「まぁアルフレッドとマーシーは魔法が使えるから、そこまで作業量があるわけでも無いけど」

 

 2人の畑にはメアリー、シュネ、アキ、それにランコも一緒に来ていた。

 

 一緒に居そうなライラックはジャズの方の手伝いに行っている。

 

「この高さで稲穂を刈り取ってください」

 

 ランコが収穫のやり方を説明するが、結構丈の高い場所で収穫するんだな……と思った。

 

「もっと根元からごっそりいくのかと思っていたが」

 

「2期作にも色々やり方があるのですが……」

 

 ランコ曰く、これからやる二期作は再生二期作と呼ばれる手法で、1回目の収穫の際に丈を高く残し収穫することで、短期間に再び稲穂を実らせる方法らしい。

 

 メリットは再度田植えをする必要が無いので、種籾の選別や苗の育成もする必要がなく、収穫量が安定し、同じ種類の米を2回作れることである。

 

 デメリットは、必要な水量と肥料量が倍に増えること、水分調整をミスると2回目が全て駄目になる可能性があること、肥料を与えないと水田でも一気に土地が痩せていく事等が挙げられる。

 

 まぁ今年水田ができた場所は限られていて、多くは土地を整えるために小麦や野菜を植えている為、米作りに興味を持っている人達は近くの水田をやった農家に足を運び、やり方を習っていた。

 

「再生二期作は日本でも地球温暖化で気候が整ったからできるようになった最新の農法だけど、ここの地域はインドネシア……まではいかないけど、中国南部くらい温かいから十分できるからね」

 

「あと日本のコンバインは米の高さが不揃いだと収穫が難しくなるから再生二期作だと汎用コンバインっていう小型のコンバインを使わなきゃいけないんだけど、アキやフレンのゴーレムを使うんなら収穫作業も特に問題ないと思ってね」

 

 一応、ランコとユナが汎用コンバインを試作しているらしいが、まだ完成には至っていない。

 

 そのコンバインができれば、米だけでなく、麦や大豆、トウモロコシみたいな穀物全般の収穫ができるようになるらしいんだけどね……。

 

 できるまではゴーレムと人力による収穫作業である。

 

「こうか?」

 

「そうそう」

 

 アルフレッドにランコが収穫のやり方を教え、風魔法で、どんどん刈り取っていき、地面に倒れた稲穂を稲架にかけて、干していく。

 

 アキのゴーレムが居るので、その作業を手伝わせ、あっという間に稲架掛け作業は終わりになる。

 

 日本だと田んぼの中で稲架掛けが行われるが、田んぼではまた水を張ったりしないといけないので、田んぼから外れた空き地で行う。

 

「来年からはこの乾燥作業を行う大型乾燥機が必要かもな」

 

「……流石に領地分の稲穂乾燥機を作るのは現実的じゃないと思うよ……」

 

 アキにツッコミを入れられてしまったが、このまま約1週間乾燥させるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 それから1週間後、再びアルフレッドとマーシーの田んぼに戻り、今度は脱穀作業が始まる。

 

 ここで必要になるのが脱穀機。

 

 日本だと昔は千歯扱きや足踏み式回転脱穀機が有名だった……というか、構造が簡単なので、開拓村に移住してきていた職人達や旧ヤマト村の職人さんに錬金術を習ってる子達が金属素材を作り、それを職人達が加工して足踏み式回転脱穀機を量産していた。

 

 それをゴーレムが踏んで、回転させて脱穀させていく。

 

「うんうん、ちゃんとできているっぽいね」

 

 アキは満足気だし、ランコは収穫作業の殆どをゴーレムが出来ているのを見て、感心していた。

 

「人の力が必要な部分が殆どゴーレムで代用できるのは大きいわね……」

 

「脱穀したら選別機(唐箕)に通して米とごみを選別するんだっけ?」

 

「そうそう! 選別機はなんとか数用意したよ」

 

 脱穀した米の入った袋を持ったゴーレムが選別機に脱穀した米を入れると、選別機がガガガと動いて、米とごみが別々に排出されていく。

 

 選別された籾は藁で編まれた俵に詰められて、納屋へと運ばれる。

 

「1俵60キロ……アルフレッドの所は1200キロ近く収穫できたから、20俵か」

 

「なぁナツ、この米っての粉にしてパンにするとここからどれくらいになるんだ?」

 

「ここまで来たらそんなに減らないぞ」

 

 精米で減るのは1割。

 

 パンにするだけなら玄米のままでいいので、玄米まですればあとは製粉して、パンを作っていく感じである。

 

 ただ麦と米だと成分が違うので米粉を中心にパンを作る時は片栗粉を添加するもしくは小麦粉と混ぜることで硬めのパンに仕上がる。

 

 俺としては普通に米食が普及していけば最高なんだが……。

 

 各地で収穫作業が終わっていき、徴税官達が税の量を計算して、各家々に税の取り立てを行っていく。

 

 低税率であるが、結構な量の米がケッセルリンク男爵家に税として納められた。

 

「さて、じゃあこれを売れるようにしないとね」

 

 俺はハーゲンシュタットの町へと米を換金できるように持っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 やって来たのは辺境伯家。

 

 今日は持ってきた米を使った料理を辺境伯家の皆さんに食べてもらう。

 

「さて、噂の米を使った料理をいただこうか」

 

「はい、色々用意したので、是非ご賞味ください」

 

 この世界の人達はヨーロッパ系の舌をしているため、ヨーロッパの米料理を中心的に作っていく。

 

 出した料理はリゾット、ライスコロッケ、ピラフ……あと白米を製粉した米粉パンを食べてもらう。

 

「ではいただこう」

 

 出された料理を辺境伯様達は食べ始める。

 

「まずはパンから……ふむ、柔らかいな。味も……悪くない」

 

「ジャムを付けても美味しいですね……」

 

「ただ肉料理とは相性は微妙かもしれませんね」

 

 辺境伯様、バイパー様、フレデリック様の順番で話すが、肉料理はこちらをとフレデリック様にガーリックライスを差し出す。

 

「んん? 確かにこれなら肉料理とも相性が良さそうだ!」

 

 フレデリック様もご満悦。

 

 リゾットなども食べ進めていくが、バイパー様が特に気に入ったのかお代わりまでしていた。

 

「今回は色々作っていますので、お代わりはまだお待ちを」

 

 他に出されたのがクリームシチュー。

 

 小麦粉で作るとまずホワイトルーを作る必要があるが、米粉で作る場合は煮込んだ食材に米粉を入れるととろとろのシチューになる。

 

 米粉の方がクリームシチューは作りやすいのである。

 

「うむ、美味しいな」

 

「これはパンとも合いますね」

 

 皆さんからの評価も上々であった。

 

 あとはパスタの一種であるニョッキを使った料理も提供し、これが辺境伯様は一番美味しいと言っていた。

 

 総評は

 

「確かに小麦の代りに主食になりうる物ではあるな。これならばパンではない日に食べても飽きないだろう」

 

「そうですね。ここはナーリッツ男爵の収入源にするためにも、米の需要を作るのに協力することにしますか」

 

「ありがとうございます!」

 

 辺境伯様も協力してもらい、あとはクム商会のゼファーさんにも米を使った料理のレシピを渡して、米料理を広めてもらうために、今回税で回収した物や領民が男爵家に追加で売ってくれた米を多少赤字でも、米の需要を生み出すためにハーゲンシュタットの町に放出するのであった。

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