転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「やっぱり、最大火力のあるシュネがいねーと厳しいな」
「よくそんな状態でドラゴンの巣への強襲作戦を立てたわね……私と2人っきりで」
デーニッツさんと食事会をした数日後、俺はライラックと2人でドラゴンの巣に急襲を仕掛けていた。
理由としては、アキのゴーレムの素材に由来する。
「ナツ、ごめん。ちょっとドラゴンの巣に急襲しかけてくれない?」
「はぁ? あれ滅茶苦茶大変じゃん。ドラゴンに見つかったら単独で倒すの辛いんだけど」
「いや~それはわかっているんだけど……ちょっとゴーレム作りすぎちゃってさ」
アキが今作っている兵士の意味を持つ万能ゴーレムのポーンゴーレム、それの高性能バージョンのナイトゴーレム、魔法を複数種類使うことができる戦闘用ゴーレムことホムンクルス。
更にドラゴンの素材をふんだんに使ったドラゴンブレス……火炎放射を放つことができる試作ドラゴンゴーレムなんかも作っていたが、どうやらワイバーンの魔石が枯渇してしまったらしい。
「おいおい……数千個あったワイバーンの魔石がもう枯渇したのかよ……」
「テヘペロ……とあざとく言い訳するのは楽だけど、フレンの作業用ゴーレムでは出力不足……ポーンゴーレムが現状重機の代りを担っているから、農業、建築、工業……様々な分野の産業に駆り出されているし、ナイトゴーレムも冒険者達の生存率、生産性を上げるために複数体付けるのが主流になってるから需要がドンドン増えていてね」
「ホムンクルスはヴィーヴルの有精卵がなかなか入手できてないから数が増やせてないけど、もう少しでヴィーヴルの無精卵をドラゴンの血液を使って人工精液を作って受精卵にする錬成ができそうだから……そのホムンクルスの魔力を担保するためにもワイバーン以上の魔物の魔石が必要だからね」
「まぁそれだけ産業が発展しているってことだよな?」
「そうだね。領地の急拡大の弊害。ワイバーンをちまちま狩るのも良いけど、ここは一発ドラゴンの巣を急襲してワイバーンの魔石を大量確保をナツにしてきて欲しいなーって」
「別に良いけどさ……アキはクリスから冒険には行くなって言われているじゃん。スターとライラック連れて行くけどいいか?」
「戦力がいた方が良いのは分かるけど、何かあった時に2人も守れる?」
「……1人が限界だな。異空間に収納できるホムラ連れて行っても良いけど、あいつはゴーレムの訓練に注力しているんだよな?」
「というかゴーレム率いてワイバーンやヴィーヴルを狩っているし、指揮官のホムラを連れて行かれると効率が……」
「はぁ……まぁならライラックと2人で襲撃してくるよ。ドラゴン襲撃デートみたいなことをしてくるが文句言うなよな」
「物騒なデートだね! まぁ良いんじゃない? というかナツの性欲を私達だけじゃ受け止めきれないしさ、ラインハルトからももっと子供作れって言われているんでしょ? ライラックやランコ……スターやマリー、クリスも襲っちゃいなよ」
「嫁から襲えって言われるとは思わなかったわ……」
「でもその5人を周りはナツにキープされていると思われてるわよ」
「は……はぁ!?」
いつの間にそんなことにと思ったが、転生者であるライラックとランコを抱え込まないのはあり得ないし、転生者同士ということで、度々息抜きに愚痴を言い合ったりしていたのを周りも知っていたので、そこからナツが彼女達に好意を持っていると解釈されたらしい。
あとの3人はほぼ解散状態であるが冒険者パーティーリジェネの構成員であるのと、地位的にも男を選べる立場になっているのに、男を作ろうとしないこと、アキ達に側室でも下の地位で良いから末席に加えてもらうことは可能かと相談があったらしいので、彼女達が側室入りすることを望んでいるとアキから言われた。
「そんなことになっていたのか……確かにライラックやスターと共に狩りする時やマリーと作業した時に好意の視線は気がついていたが……」
「ランコだけハーレムの価値観に若干抵抗があるらしいけど、ヤマト村との友好の架け橋になるために選べる立場でも無いから、抱いて子供作ってしまえ」
「嫁が言う言葉じゃねーぞ……」
そんなやり取りをした後に結局ライラックとドラゴンの巣急襲デートというとんでもない依頼をアキから受けることになるのだった。
「アキも随分と無茶を言うようになったわね……」
「まぁ現状ケッセルリンク男爵領の産業の支柱はアキのゴーレムだからな。その素材が足りないと言われたら採取してくるしか無いが……」
「それで当主であるナツを危険に晒すのはどうなのよ……よくラインハルトさんが許可を出したわね」
「いや、ラインハルトもだいぶ渋ってはいたんだが、アキのゴーレム生産がもう少ししたら妊娠、出産でストップするから、それまでは製造を続けてもらいたいってラインハルトが言っていてな……結局GOサインが出たわ」
「そう……私で良かったの? スターの方が魔力量はあるわよ」
「今回はドラゴンと戦うとしても逃げられれば良いからな。となると火力ブッパのスターよりも近接戦闘能力と高速移動が得意なライラックの方が適任と思ってな」
「そう……それで、回収するワイバーンの魔石の数は何個くらいなの?」
「最低1000個。前回のドラゴンの巣で確保できた数がそれくらいだったから、巣は1箇所潜れば確保できるとは思うけど……」
「巣の中にドラゴンが居ないと良いわね」
「戦うとしてもブレスが防ぎづらい洞窟内よりも外で戦いたいな。万が一の時は囮役をしてくれないか? ライラック」
「……ちゃんと倒してよね」
「それは勿論」
というわけで空を飛行しながらドラゴンの生息域に向かい、探知魔法と空間魔法を駆使してドラゴンの巣を発見する。
「中にドラゴンが居るな……ただ丸くなって動いてない。これは……寝ているか?」
「寝ているなら奇襲で倒せるかしら」
「だな……消音、消臭の魔法を使うぞ」
俺はライラックと自身に消音と消臭をかける。
『以後は念話で会話をするぞ』
『了解』
洞窟内は真っ暗であり、光源を出す魔法でドラゴンに気が付かれる訳にもいかないので、夜目という魔法を使う。
暗くてもある程度見えるようにする魔法であるが、ある程度止まりであり、くっきりと見えるわけでは無い。
それを俺は空間魔法を使って補助するが、それができないライラックは動きづらそうなので、手を握って先に進む。
『……エスコートされているみたいね』
『ドラゴンの巣のエスコートとか怖すぎだろ』
冗談を言える余裕はあるみたいなので、そのまま進んでいくと、大きな空間に光が満ちていた。
『『おお……』』
大きな魔石が淡い光を放ち、光源になっていたのである。
そして、その上でぐーすか寝息をたてる真っ赤なドラゴン。
俺はライラックにいつでも逃げれるようにしてくれと伝えると、ゆっくり飛行魔法でドラゴンに近づき、首筋に触れる。
『亜空切断』
ザシュ
ドラゴンの首が宙を舞い、空間魔法でドラゴンの亡骸を一瞬で回収する。
『……よし、照らすぞ』
俺は手から光源魔法を使い、強い光の玉を放つ。
すると部屋全体が明るくなり、魔石だったり宝石だったりが巣の中にゴロゴロ転がっていた。
『もう消音の魔法切っていい?』
『俺も切るわ』
「ふぅ……亜空切断つぇー」
「お疲れ様……現状空間ごと切り裂くナツの亜空切断じゃないとドラゴン倒せないからね」
「通常魔法は効かないからな……まぁ亜空切断は射程が短いのが欠点だからな……近づかないと魔力量バカ食いする魔法だから連発も難しいし」
「あー、ちゃんと欠点あるんだ……亜空切断」
「そりゃあるさ」
そんな事を言いながら俺達はドラゴンの巣の中にあった魔石や宝石を回収していくのだった。