転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
ライラックとキスした後、ドラゴンの巣を再び急襲したが、ドラゴンが留守にしていたので、ちゃちゃっと魔石や財宝を回収して、町へと戻った。
「ライラック、今日は色々ありがとうな」
「いや、私は特に何も」
「それでもこっちは助かったから……ライラックの気持ちも分かったし、もっとライラックに惚れられるような男になるね」
「……これ以上磨かれたら釣り合わなくなっちゃうね」
「そんなことは無いさ。さて、アキに魔石渡してくるから、風呂入ってきなよ」
「はーい」
ライラックは風呂に向かい、俺はアキのアトリエに向かうのだった。
「入るぞー」
「あ、ナーリッツ様、お疲れ様やね」
「ういー、フレンお疲れ……相変わらずアキにこき使われているのか?」
「まったくやで、うちをなんやと思ってるんやか」
「大変そうだな……アキは?」
「もう作業上がって風呂に行きましたわ。うちももう少ししたら上がりっすわ」
俺はアキのアトリエにある魔石の保管場所にワイバーンクラスの魔石を投入していき、保管場所を満タンにする。
「随分と取ってきたんねんな……これ満タンになるってことは1500個くらい?」
「一応2000個取ってきたわ。まだ俺の異空間内に備蓄がある」
「おお、それはそれは……アキもこれでまたゴーレム作れるやね」
アトリエにはフレンしか居ないのか聞くと
「他の錬金術師達はもう家に帰ってんね。長時間働かせるのは可哀想だし」
「確かに、錬金術師達フレンより年下の子も多いからな」
「うちもまだ14歳だから若いんやけど!」
「それはそうだな……お茶でも淹れようか」
「助かるわー、あれ、コーヒーにミルク入れたやつが飲みたい」
「はいはい」
俺は異空間からコーヒー豆を取り出し、アトリエにある抽出器具で豆を挽き、粉にしてそれを紙に入れて、お湯を注いでいく。
コーヒーが出来上がるので、そこに異空間から出した温かいミルクを注ぎ、カフェオレにしていく。
「はい、できたよ」
「おお、これやこれ。うん、風味も良くてコーヒーの苦みが癖になるな」
俺もコーヒーをマグカップに注ぎ椅子に座る。
「フレンは錬金術師になって、今は充実しているか?」
「せやね〜充実はしとるよ。錬金術師の数も増えて作業用ゴーレム作れる人材が増えたから、うちの負担もだいぶ減ったし」
「一時期は酷かったからな」
「ほんまよ……まぁその分給料は貰っとるから文句は言えんけど……そう言えばゴーレムの輸出は結局するんか?」
「ああ、それか」
辺境伯様の次男、フレデリック様が俺に領地開発用のゴーレムを300体発注してきていた。
辺境伯家の皆様以外の貴族には、俺達がゴーレムを量産していることは知っているが、バグのホムラを除き、最高戦力はナイトゴーレムまでとされ、戦闘用ゴーレム……ホムンクルスの開発成功まではバレて居ないはずである。
辺境伯様には俺が数体ゴーレムに外装を似せた奴を護衛として送っているし、辺境伯様からも魔法を複数使えるゴーレムの存在は秘匿しておいた方が良いと言われていたので、他の貴族達にはバレてないハズである。
辺境伯様から派遣されている文官の皆さんの手紙は上層部が検閲を行なっているし、人の出入りも行商人くらいである。
「作業用ゴーレムはこっちの需要が高いけど、輸出しても良いと思っているからな。素材も強い魔物とはいえ、オークくらいのシルバーランクで倒せる素材しかつかってないよな?」
「ええ、そんくらいやな。性能維持しながらコストダウン化は進んでますなぁ。まぁ作り手の技量で差は出ますがね」
ゴーレム作りも技量が結構出るらしい。
今ゴーレム作りで2番手のフレンでもポーンゴーレムまでしか作れず、アキとは技量にだいぶ差がある。
まぁフレンの場合、一定の品質の作業用ゴーレムを安価に作れるようにして、製作難易度を下げたっていう功績がある。
アキは高性能機ばかり作るので、コストダウンの作業に関してはフレンに一任しているようだし……。
「あとはユナとランコの魔導具とゴーレムの動力を組み合わせた新しい大型機械の開発はうちにはできんからな」
転生者であるランコとゴーレム技術の動力化に成功させたユナの2人はペアを組んで新しい機械を作っていた。
その1つとして自動紡績機なんてものを作り出していた。
これは木綿から糸を作る機械で、辺境伯領のお隣の公爵領では魔石で動く紡績機があり、それで布を作っていたらしいが、出力が安定せずに、魔力の調整に専門の職人が必要なデリケートな魔導具であった。
それをゴーレムの技術を応用した動力源……エンジンを使うことで、安定した出力で均一の品質の糸を作ることができる紡績機を開発することに成功したのである。
それをとある領民が領主である俺に借金して買い込んで、紡績工場を作り、他の木綿を作っている農民と契約して、大量の糸を作り出していた。
その糸を使って、旧ヤマト村の織物職人達やその職人達に弟子入りした元孤児達がどんどん織物や染物を作ったり、安価な布として洋服以外にも寝具や袋などに加工されていく。
特に色々作物を絞る時に使う綺麗な布は大量に必要なので、布は幾らあっても足りない。
それにゴーレムエンジンとも言うべき物は地球の自動車の様な物から様々な機械を作れる可能性を秘めているため、絶賛研究中である。
「それと作業用ゴーレムの武装になりうる銃っちゅう武器……アレの研究もアキに言われてやらされとるがね」
古代遺跡で発見した銃を使えれば、今まで倒すことの出来なかった魔物を倒す事ができるようになるため、対ドラゴンの為にアキが今一番熱心に研究している分野で、シュネも協力していたハズである。
「フレン的には銃をどう思う?」
「そうやな……威力に関してはとんでもない物やとおもうけど、これ詐欺師が作る爆発筒と仕組みは一緒なんよな」
「爆発筒?」
「知らん? 詐欺商品の一種なんやけど」
どうやら転生者達が理科の知識で火薬を作り出したり、魔石の加工技術を応用して鉄砲を作り出したりしたらしいが、火薬の爆発を誤ったりして指が吹き飛んだり、魔石の場合は身体が吹き飛んで命を失ったり……。
実用化まではいってないし、貴族に魔法使いが多いので、魔法使いを簡単に殺せる可能性がある鉄砲の開発を昔の領主達が禁止したり、そもそも火力や応用力も普通の魔法の方が便利であったので、定期的に転生者が銃を作っては開発に失敗してを繰り返して、詐欺の一種として一般では認識しているらしい。
「で、実際開発はできそうなのか?」
「実物もあるし、調整された魔石もあるからな。まぁ爆発の指向性を持たせるって結構簡単なことだったんよね」
魔石を爆発させる事は色々な人がやってきた事だったのだが、爆発の方向性を持たせるというのと、魔石の爆発に負けない素材で銃身を作る必要があったらしい。
「普通の鉄だと魔石の爆発には耐えられないねんな。合金にしないと」
この合金を作る技術は錬金術師の得意分野で、アキとフレンは魔石にも耐えられる合金を既に作り出し、もう少しで実験できるようになるらしい。
「楽しみにしときい! 銃を実用化してドラゴン倒せるもん作れるようにするかんな!」
そうフレンに言われるのであった。