転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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銃ってより……大砲じゃね?自走砲とも言うべき代物

「射撃用意……撃てぇ!」

 

 バスン

 

「ユードリックさん、目標に命中。ワイバーンの鎧を貫通確認」

 

「ふーむ……これだけの大きさの銃であれば貫通するんやな」

 

「銃というより大砲だな」

 

 アキ達のお腹が膨らんできた為、銃の開発に関して他の錬金術師や魔導具職人が動員されて、古代遺跡から出てきた実物のコピーを試みていた。

 

 しかし同等の威力を発揮させるためには3メートルにもなるとても長い銃身を使わなければならず、素材もミスリル銀と鉄、他金属を混ぜた特殊合金を使用していた。

 

 重さも50キロ近くあり、ゴーレムでなければとても運用できない代物である。

 

「威力は絶大なんやがな……」

 

「古代文明はこの威力の銃を5キロ程度の重さにして大きさも半分程度に収めていたとは……」

 

 俺はユードリックと話をするが、ワイバーンの鱗を貫通できる威力の弾丸を発射するための射出装着に、現状はワイバーンの魔石を使用しなければならず、ドラゴンを倒すとなればドラゴンの魔石を必要とすると言われてしまった。

 

「これが実用化できれば複数体のゴーレムと指揮官でドラゴンが討伐できるようになりはるところは画期的やけど、大きいから取り回しが難点よな。専用の移動用ゴーレムを開発中やわ」

 

 ユードリック曰く、目の前にある試作銃だと冷却に問題があり、魔石に刻まれた爆発魔法により発生する熱量に銃身の素材が負けてしまい、水によって銃身の周りを満たし、冷却する必要があるのだとか。

 

 その為1分間に10発放てる銃になると更に姿はゴツくなり、大きさも1回り大きく、更に冷却装置の関係で水が満たした状態だと重さが150キロにも及ぶのである。

 

 もうここまで来ると銃というより大砲とか対空砲とかの方が姿としては近い。

 

 しかも多脚式ゴーレムだとこの銃の発射の衝撃を脚が吸収しきれずに折れてしまうので、新しい足回りを要求された。

 

 そこで出てきたのがユナとランコが開発していたトラクターの足回り……キャタピラである。

 

 足回りをキャタピラにしてしまうと人型のゴーレムに戻れなくなるという欠点があるが、ここまで来ると更にキメラ化が進み、下半身はキャタピラ、正面にゴーレムの上半身を置き、大砲を頭と両手によって三脚の様に移動中は固定する。

 

 使用する際は胴体後部に存在する別の腕でハンドルを回して大砲を左右に回転、上に角度を付ける。

 

 そして冷却装置……発射機構とは別の魔石で水を生み出して銃身を冷やしながら、ゴーレムによる対象を目視でロックオンし、発射する……というヘンテコ兵器が誕生し、アキはこれを戦車ゴーレムと命名していた。

 

 いや、確かに大砲を保護するために車周をぐるっと鉄板で覆っている(発射時には横に倒れる)のでトースターみたいな見た目で、戦車とも言えなくないけど……。

 

「戦車っぽいけど……戦車じゃないよな……砲塔無いし……どちらかと言うと……自走砲か?」

 

 前世でも男だから齧る程度には戦車とか調べたり、その手のゲームをやったことがあったが、ドイツにこんな見た目(トースターとかボックスティッシュと呼ばれる)の自走砲があったような……。

 

「これ……運用できるのか?」

 

「見た目はアレやけど、性能はええです。1キロ先のワイバーンの鱗を貫通できますし、時速50キロで移動できるんで、移動展開も早いんで」

 

「ふーん」

 

 見た目はアレだけど、対ワイバーン……将来的には対ドラゴンの切り札になりうるポテンシャルはあるらしい。

 

 まぁ今後に期待である。

 

 

 

 

 

 

 

 秘密兵器(困惑)が作られていく中、3年目となる収穫期が到来し、秘密兵器……戦車ゴーレムの足回りにも利用されたトラクターゴーレムが裕福な領民から導入されていった。

 

 トラクターゴーレムには様々なアタッチメントが存在し、収穫作業にはハーベスターと呼ばれる収穫と自動脱穀を行う大型の魔導具を取り付ける。

 

「順調そうだな」

 

「ああ、ナーリッツのお陰で順調そのものだよ」

 

 俺は領民のモデルケースとなっていたアルフレッドとマーシー一家の元を訪れていた。

 

 2人には既に子供が2人居て、その子達も将来の家臣候補である。

 

 アルフレッドは俺の家臣であるが、ステラリアの冒険者予備校の講師でもある。

 

 まぁ予備校自体が生徒数が少ないので、アルフレッドは臨時講師扱いで、基本はメアリーに協力して穀物の大規模栽培のモデルケースをやっていた。

 

 アルフレッドの管理する農地面積は40ヘクタール……サッカー場50箇所分の面積を農耕地として管理しており、優先的に作業用ゴーレムや農業機械を譲って試験運用してもらっていた。

 

 そんなアルフレッドの田園でトラクターとハーベスターが進んで、米やトウモロコシの収穫が行われている。

 

 運転するのは農業用にカスタマイズされた作業用ゴーレムである。

 

「一応元孤児を6人雇っては居るけど、ゴーレムに指示するだけで何とかなっちゃうからな……まさか末端の冒険者だった俺が、今では大農園の長とは……」

 

「過肥料による作物の成長実験とかをしていたが、収穫量的にはどうなんだ?」

 

「そうだな……田んぼ1枚(10アール 1反くらい)で約600キロは収穫できた。ヤマト村でも平均450キロだったから、肥料を投入することで1.35倍くらいには収穫量を上げられる事が分かったぞ」

 

「それはそれは……去年の小麦はどうだった?」

 

「小麦は田んぼ1枚当たり450キロくらいだったな。小麦粉にすると375キロくらいか?」

 

「小麦は特に粉にすると量が減るからな……」

 

「それでも白くて柔らかいパンが毎日食えるだけの量を確保したうえで輸出できる量を収穫できているから上々じゃないか?」

 

「それはそうだな」

 

 その日はアルフレッドに聞きながら、どんどん近代化していく米の収穫に付き合うのだった。

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