転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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普段は家臣、休みの日には漁師のジェームズ

「ゴムにコーヒー、カカオにバナナ……ヤマト村の茶葉に普通に存在していたアブラナ、サトウキビ、綿……商品作物のオンパレードだな」

 

 俺は大規模栽培が始まったそれらを空から見て呟く。

 

「空中散歩兼デートと言えば聞こえは良いけど……やっていることは領地の見回りよね……」

 

「シュネとメアリーは良かったのか? 子供を置いてきて」

 

「子守は毎日しているけど、僕も少しは息抜きしたいからねぇ……それに妊娠している間に体力が落ちちゃっていたから鍛えなおす意味でも外に出たかったから」

 

「私もそんな感じ。でもクリスとかメイドの皆も居るから安心して預けられるのは良いよね」

 

 メイドもそうだが、エルフの皆やミクも子育て手伝ってくれているし、最近出産したライラックも子供達を見守ってくれているので問題は無い……はず。

 

 ちょっと怖いのは妊娠後期から産後数週間錬金術に触れられなくてフラストレーション溜まりまくっていたアキの方。

 

 最近錬金術をするのに復帰してはっちゃけているとフレンが涙目で訴えてきたけど、黙殺しておいた。

 

 多分ドラゴンの魔石や俺が回収しておいたドラゴン達の卵を使ってより強力なホムンクルスを作っているのだろう。

 

「しっかし、いつの間にかこんなに広がったか……整地はしていったが、農地にするのに普通なら時間がかかるだろうに……」

 

「そこはゴーレムの力で開拓を続けたからね……普通に牛で土を耕すよりも、ゴーレムを使えば深く速く耕すことができるし、最近だとホムンクルスも派遣されて土魔法を使って土壌改善もしていたし」

 

「ホムンクルスだけじゃなくて、子供の魔法使い達もね。冒険者として頑張らせるのはまだ小さくて危ない子も魔法使いなら土を耕すくらいはできるし」

 

「……肥料の問題はそう言えばどうしたんだ?」

 

「それは錬金術師の皆が頑張ってくれたはずだよ。肥料製造専門の錬成をしてくれている子も居たはずだし……」

 

「……アキに任せっぱなしだったからな……一回錬金術師達がどうなっているか確認を取らねぇと」

 

「それが良いよ」

 

 地上にはゴムの木が均等に育っており、ゴーレム達が樹液を採取していた。

 

「メアリーがゴムの木の品種改良したんだよな? やっぱり原種は樹液の量が少なかったのか?」

 

「それもあるけど、ゴムになるラテックスの品質を上げるのに苦労したよ。樹液の量を上げるだけだったら木に水分を貯蔵する力を強めれば良かったけど、それだと水っぽくて、ゴムの品質が悪化しちゃって……」

 

 今は主に靴や手袋、防具、荷車のタイヤ、商品の緩衝材なんかに使われている。

 

 特に長靴は農家達には必須の品になっており、好評だったので輸出も行われていた。

 

 他にもバケツの保水性を上げるためにゴムで加工されたり、瓶詰めのパッキンとしてもゴムが利用されて、うちの領地では必要不可欠な品になりつつある。

 

 上空から見ていると、ゴーレムが木に傷を付けて、器を設置して、樹液が流れ落ちるようにしていた。

 

「本当に加工前のゴムの樹液って白いんだな」

 

「そうそう、ゴムの木の樹液は真っ白。これを大きな器に移すときに布で濾して不純物を取り除いてから、酢を少し入れると固まって、それをシート状にしてから物干し竿に干して自然乾燥するとようやく加工できるようになるんだよね!」

 

 自然乾燥したゴムはまだ柔らかいので、ここに炭等を添加して強度を出していく。

 

 タイヤが黒くなるのはこの添加物による物である。

 

 ゴム農園から移動するとコーヒー農園が見えてきた。

 

 コーヒーとカカオ、それにヤマト村のお茶はまだ南部の各地に広がっているとは言えない。

 

 南部地域で流行っているのはマテ茶か紅茶が殆どでコーヒーや緑茶系は流行ってない。

 

 なのでクム商会を通じて少しずつ消費者を広める活動をしていた。

 

 お陰でコーヒー、カカオ、お茶は領内消費分及び領主である俺が買い取って、農園主を支援している。

 

「ここの作物が利益を生み出すようになるのは何年後なんだろうね……」

 

「ロンが成人する頃にはきっと利益を出せるようになっているといいね」

 

「辺境伯様も広めるの手伝ってくれているのだろ? コーヒーなんか貴族の間で広まりつつあるらしいじゃないか。そのうちお金になると思うよ」

 

 そして空を飛んで進んでいくと、旧ヤマト村の場所を抜けると巨大な湖に出た。

 

「釣りをしている人も居るね」

 

「大きな湖だから魚も釣れるか……」

 

 旧ヤマト村周囲も解放したため、領民が魚を釣りに訪れることがあった。

 

 なんなら漁師に転職した者も居る。

 

 俺達が上空を飛んでいると、船から船員が手を振っている。

 

 気になったので降りてみると、見知った顔がそこに居た。

 

「漁師になったジェームズさん、釣れてるかい?」

 

「人聞きの悪い。ちゃんと家臣としての仕事はしているだろナーリッツ様」

 

 俺の冒険者予備校時代のクラスメイトで、うちの家臣になっていたジェームズである。

 

 ハーゲンシュタットに居た頃はデーニッツさんに魔法を教えてもらいながら、ミクの実家である娼館の妖精の止まり木で男を磨き、その後辺境伯様の紹介で結婚し、なんなら妖精の止まり木の娼婦のお姉さんを側室として身請けして、正妻と側室の2人の嫁を養っている。

 

 普段はラインハルトに鍛えられて政務を行なっているが、休みの日はこうして漁師みたいな事をしていた。

 

 アキやフレンとも仲が良いからか、漁に適した小型船を作って欲しいと頼み、結果ゴーレムエンジンを搭載した小型漁船の実験艦を格安で譲ってもらい、休みの日はこうしてヤマト村近くの湖に来て、魚釣りを楽しんでいたのである。

 

「見てくれよ、この大きなマスを。ヤマト村の人達もなかなか釣れないって言っていたけど、中央付近に行けば結構釣れるんだよな」

 

 と言って1メートル近くあるマスを見せてくれた。

 

 魚はやっぱり海に面していないので川魚が中心になってしまい、ヤマト村が発見されるまでは、その川魚も俺がハーゲンシュタットから空間魔法で運んでくる物だけであったが、ヤマト村近くの湖に豊富な魚が生息していたし、そこから流れる大きな川からも罠を仕掛けておけば魚が捕れることで、ここ1年で領民の食卓にも魚が出るようになっていた。

 

 旧ヤマト村の面々は川魚を使った料理を色々知っていたので、それも領民の食卓が豊かになるのに繋がっていた。

 

「へぇ……船の中に生け簀があるのか」

 

「そうそう。釣った魚をここに入れておいて、岸に近づいてから魔法を使って絞めれば鮮度が維持できるしな。最近はこのタイプの漁船を持つ領民も増えたよ」

 

 ただ魚は生き物なので釣りすぎると個体が減ってしまうため、個体数の維持の為に人工養殖についての研究も始まっていた。

 

「ちょっと待ってろ、ここで絞めて、新鮮な魚食わせるからな!」

 

「いいのか?」

 

「領主や奥方に家臣が貢物を渡すのは当たり前だろ?」

 

「確かに」

 

 そのまま船にお邪魔するのだった。

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