転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
皇帝との謁見自体はスムーズに終わったのだが、エルフの血が強い皇帝は死が近くならないと老けないというエルフの種族的特徴を思うと、だいぶ死が近いというのが嫌でもわかってしまう。
シワシワでヨボヨボだからな……。
特に問題は無く子爵へと爵位を上げ、謁見の間から退室してから事件は起こった。
「お主……凄まじく強いのぉ」
「良い男じゃん! 良いねぇ! 下腹部がキュンキュンしてくるよ!」
老人の様な喋り方をする銀髪童顔のエルフの女性と燃えるような真っ赤な髪と尻尾をした胸のデカい竜人の女性であった。
「えっと……」
「おっと、そうじゃな。他所から来たのであれば儂らの事も知らんか……儂はリリス・フォン・マザーロット」
「僕はジェル・フォン・キーパーよろしくね! ケッセルリンク子爵」
「……あぁ! 宮廷魔導師の方ですか! 失礼しました。ナーリッツ・フォン・ケッセルリンクと申します。お見知りおきを」
「うむ……濃厚な魔力……惚れ惚れするのぉ」
「素晴らしい魔力量だね! ドラゴンスレイヤーって聞いていたから、てっきりワイバーンを倒せる程度だと思っていたけど……これなら本当にドラゴン倒しているんじゃないかな?」
「はは、まさか」
流石宮廷魔導師……確かデーニッツさんから聞いていた限り、エルフのリリスさんは序列1位の魔導師だったはず……。
「少し私の部屋に来ないか? 茶でも出すぞ」
「良いのですか?」
「よいよい、ジェルもせっかくだから来い」
「わーい! リリスのお茶美味しいからね!」
というわけでリリスさんの部屋へ招待されることになるのだった。
流石宮廷魔導師筆頭というべきか……いや、エルフだからかもしれないが、木目調の壁紙に、シックなフローリングとなっており、家具に関しても多すぎず少なすぎずで、アンティークな品が並べられていた。
こういう部屋って少し埃っぽいイメージがあるのだが、一切埃は落ちておらず部屋の掃除が行き届いているのが、彼女の性格を表しているようである。
まぁ掃除をするのは専属のメイドがいるのだろうけど。
椅子に座らせてもらい、メイドが茶菓子を用意すると、リリスさんが紅茶を魔法で淹れ、乳白色のコップで出してくれた。
「んん、美味しいです……南部では飲んだことの無い種類の茶葉です」
「そうじゃな、この茶葉は共和国から輸入された品なのじゃ」
「へぇ……共和国から」
南部に住んでいると隣国と接していないため、他国の品が入ってくることがほぼ無い。
辺境伯様でも少量入手するのがやっとだろうから、帝国の中央近くにある帝都だから手に入れられる品なのであろう。
「隣国について詳しくはないのですが、北部の候補者が皇帝になればこの茶も飲めなくなるのでしょうか?」
「そうじゃな。武闘派じゃからな。儂としては国内の開発ができる場所がまだまだ多いのに、他国に手を出すのは悪手じゃと思うがな」
「そう? あるところから奪うは利に適っていると思うけど?」
そう言うのはお菓子を頬張っているジェルさん。
一見クール系の顔をしているが、お菓子を食べたりする動作が可愛らしい。
「あんまり考えずに物を言うでないジェルよ。じゃから周りから馬鹿にされるのじゃぞ」
「うぇ~僕あんまり考えるの嫌いなんだけど!」
「本当よく宮廷魔導師第二位までなれたのぉ……こんなポンコツなのに」
「なにおう! リリス以外弱いのが悪い!」
なんか2人で言い合いを始めたが、多分これが彼女達の日常なのであろう。
「宮廷魔導師の方とは縁を得たかったので、茶会に誘っていただいてありがたいのですが、流石宮廷魔導師ですね……魔力量が段違いだ」
「よく言うのぉ……儂やジェルの数倍の魔力量があるじゃろ。こんな逸材が南部に眠っていたとは……中央にもう少し近い場所で産まれていれば宮廷魔導師じゃったろうに……しかもお主、成上り者なのじゃろ?」
「やっぱり噂になっています?」
「ドラゴンスレイヤーになって爵位を得るのはままある話じゃが、フォーグライン辺境伯が推して子爵になるのは珍しいからのぉ……まぁ実際見れば納得ではあるが」
「ねぇねぇ! ナーリッツは奥さん何人居るの? いや、子供とかいっぱいいる?」
「ちょ! 儂が喋っておろうが!」
「いいじゃん僕聞きたくなったんだから!」
「全く……」
俺は奥さんが15人、子供は64人いる事を言う。
……改めて数えてみると子供多すぎるな。
「良いねぇ良いねぇ! それだけ奥さんと子供が沢山いるっていうのはとても素晴らしいことだよ!」
「ちと多すぎるのではないか? ドラゴンスレイヤーとは言え子爵の経済力では、子供に十分な領地や財産を分けられるのか?」
「あ、それはなんとかなりそうで……私の領地、南西部の未開拓地の殆どなので」
「おお、あの土地をもらっているのか……いや、それなら尚更開拓もせねばならぬから厳しいのではないか?」
「まぁ現段階でも町1つと村3つ分くらい開拓できているのと、私の才能を引き継いで魔法の才能がある子が殆どなので、最悪冒険者としても自分で稼ぐことができるかと」
「んん! 冒険者! 良いね! 僕も少しだけやっていたけど、あの頃は自由にできて楽しかったなぁ」
「おや? キーパーさんも冒険者を?」
「ジェルで良いよ! 気に入った人にはジェルって呼んでもらっているし……あ、そっか。ナーリッツも元々は冒険者か! 良いよね冒険者! 自由で!」
あっはっはっは……と笑っているが、言動は馬鹿なのに、顔は知的なクール系と真逆なので頭がバグる。
属性盛りすぎだろ……。
「そうそう、ナーリッツよ。お主次期フォーグライン辺境伯の筆頭魔法使いになるのであろう? であれば、宮廷魔導師の1人と模擬戦をすることになるであろう」
「模擬戦ですか?」
「おや? 知らんのか? 一応宮廷魔導師の力を地方の貴族に見せるためのパフォーマンスであるのじゃが、勝ってしまっても問題は無い。というか今の宮廷魔導師達は宮廷魔導師という立場に胡座をかいて向上心を失いつつある。派手にぶっ倒してしまえ」
そう言われるのであった。