転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
リリスとジェルの2人とのお茶会が終わり、泊まっている宿に戻ると、マンシュタインから辺境伯様からお話があると言われ、辺境伯様が滞在しているヘス男爵の屋敷に向かった。
「ケッセルリンク子爵、おめでとうございます」
「ありがとうございます。ヘス男爵」
とりあえずお世辞の言い合いをしてから辺境伯様に会うと、リリス達に言われていた通り、宮廷魔導師との模擬戦のお誘いを言われた。
「宮廷魔導師と模擬戦ですか」
「おや? その顔は知っていたか? サプライズだと思ったのに」
「謁見後に宮廷魔導師のリリス様とジェル様にお会いして模擬戦について教えてもらいましたので」
「ふむ、あの2人の下の名前で呼ぶとは……気に入られたな。流石はケッセルリンク子爵と言うべきか」
「模擬戦は何時になる予定でしょうか?」
「それは私の家督継承が終わってからになります」
バイパー様が言うには家督継承が終わって、新しい辺境伯就任に際し、中央の力を見せつける意味で宮廷魔導師達の誰かとの模擬戦が行われることになるらしい。
だからお抱え魔法使いの誰かを連れてくることになるのだとか。
「まぁ本来であれば俺が出るんだが、ナーリッツの方が強いから、ナーリッツ出てくれ」
横で帝都で売られている酒を飲みながらデーニッツさんが答える。
一応俺が辺境伯家次期筆頭魔法使いになるから、模擬戦に出ても問題無いらしい。
「ナーリッツ、派手に勝つことはできるか?」
「ん? バイパー様、どうしましたか?」
バイパー様は模擬戦で俺が圧勝することを望んでいるらしい。
理由を聞くと、後継者争いで台頭してきているヨシフ様への牽制だとか。
南部地域はどうしても地域経済力や軍事力で他地域に比べて遅れを取っているため、ここで抱えている魔法使いだけでも油断できない人物が居るとなれば、南部への扱いも多少は良くなるだろう……という考えらしい。
「若作りのババア見てきたろ? あれに勝てると判断できたんなら、他の宮廷魔導師達は問題無い。ただ空間魔法は使うな。切り札は実戦で使うから意味がある」
「了解しました。バイパー様の家督継承を祝う意味も込めて、派手に立ち回らせてもらいます」
「ふふ、楽しみにしているよ」
数日間は暇なので、マンシュタインを連れて帝都の散策をしようと思っていたら……
「あ! いたいた!」
「よぉ、昨日ぶりじゃなナーリッツ!」
宿を出るタイミングでリリスとジェルの2人がそこに居た。
「誰なんだ? ナツ」
「宮廷魔導師の1位と2位だ。なんか凄い気に入られたらしい」
「うへぇ!」
マンシュタインと小声で喋っているとジェルがデカい乳を揺らしながらマンシュタインに近づき、ペタペタと肌を触る。
「うん、よく鍛えられているし、魔力量も結構あるね。宮廷魔導師には成れないけども、宮廷魔導師の従者なら務められる実力が君にはあるよ。いやぁ流石ナーリッツ! 家臣も良いのを揃えているねぇ!」
「ちょいちょい、ジェル。いきなり男性をベタベタ触るなどはしたないぞ」
「いいじゃんリリス。良い男は近くにいるだけで気分が良くなるんだから」
「じゃからお主は淫乱だの男漁りだの言われるのじゃぞ!」
「そんな事を言うやつはぶん殴る! 陰口なんて女々しいからね!」
マンシュタインは呆気に取られてしまい、俺は若干呆れてしまうが、これがこの2人の日常なのだろう。
「よく私の泊まっている場所を見つけましたね?」
「そりゃ匂いを辿れば見つけられるよ」
ジェルさん、あんたは犬かなんかか?
「ジェルは身体強化の魔法が凄くてな、五感に関しても鋭くできる。それに匂いと言っているが、恐らくお主の魔力の質を辿ったのもあると思うぞ」
「魔力の質ですか?」
「うむ、1人1人魔力の質は違っておるからな。それを覚えておけば自ずと目的の魔法使いにたどり着くことになる。それができるのは宮廷魔導師でも儂とジェルだけじゃがな」
「僕の場合それを匂いとして覚えているの。リリスは色や大きさで分かるらしいけど」
「なるほど……」
空間魔法を使わなくてもそんな事が……。
恐らくデーニッツさんから言われなかったってことは、デーニッツさんでもできない技術なのだろう。
「さて、ナーリッツ。お主帝都に来たばかりでよくわかっておらんじゃろ! そこで儂らが案内してやろうと思ってな」
「と、言いつつ好感度を稼ぎたいっていうのが本音ね!」
「ちょ! おま!」
「まぁ僕ら従者鍛えるくらいしかやること無いからねー。雑務系は宮廷魔導師でも順位が低い人に押し付けられるから、僕達くらいになると暇なんだよね」
「儂は一応皇帝の護衛任務があるのじゃが……政争の結果で外されておるからな……もう皇帝はいつ亡くなっても大丈夫という判断なのじゃろうが……」
うおぉ、貴族の闇が垣間見える……。
「だからデートしよう! デート!」
「そうじゃ! 少し付き合え」
「両手に花ですね」
俺はマンシュタインも連れて帝都巡りをリリス様とジェル様と一緒に巡るのだった。
「へぇ……ナツの奥方との出会いは同じ村出身と」
「俺もナツとはハーゲンシュタットの町で、冒険者予備校の入試で出会って……その時既に凄かったですよ!」
「ほぉほぉ、そんな幼い時からか! 今ナツは19歳じゃろ? 凄いのぉ10年前からアンデッドドラゴンを討伐とな!」
リリス様とジェル様はいつの間にか俺をナツ呼びになっているし、マンシュタインから色々聞いて、俺の過去が丸裸になっていく。
まぁマンシュタインも使える魔法についてとか、嫁の魔力量についてやゴーレムに関してとか言っちゃまずい事は言ってないけど、俺との出会いや冒険者予備校での出来事、その後の領地開拓について喋れる範囲で教えていく。
「良いなぁ〜ナツの奥さん良いなぁ〜! 僕も立場がなければ求婚しているんだけどなぁ……」
「でも凄い性豪じゃな。嫁14人も侍らせるのは地方貴族というのを加味しても中々じゃな」
「貴族でも上流の我が儘貴族の娘が居ないから、金遣いも荒くないと思うし、というか開拓地だから金を使う場所がないのか!」
そんな話をしながら帝都を巡るが、やはり見たことが無い作物だったり、魚や肉が冷凍保存されて販売されている。
ちょっと金はかかるが、日本のスーパーとかの品揃えに近い商品が並べられていた。
ただ、安い品はそれ相応の品になっていて、庶民の為に作られるパンだったりは色は白だが、硬いパンになっていたり、野菜とかも形が不揃いだったりしていた。
まぁ混ぜものがされてないだけマシだと思うが……。
「ここで食事にしよう! 儂の行きつけじゃ」
そう言って年季の入っているが、綺麗な外観の老舗っぽい店に案内されるのだった。