転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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帝都散策 2

 店の中に入るとエルフの男性が席へと案内してくれた。

 

「リリス様の知り合いですか?」

 

「ナツ、様付けで呼ばんで良い、リリスと呼び捨てでも構わんぞ」

 

「じゃあリリスさんで」

 

「つれんのぉ……」

 

「僕は?」

 

「ジェルさんで……」

 

「むう!」

 

 機嫌を損ねてしまったかもしれないが、流石に宮廷魔導師の1位と2位を呼び捨てはまずい。

 

 俺は子爵にはなったが、宮廷魔導師は末席でも伯爵扱いとされ、筆頭や次席ともなれば公爵扱いである。

 

 流石にそれはお忍びとは言えまずい。

 

「別に気にせんのに……のぉマンシュタイン」

 

「いや……リリス様、俺は様付けでないとまずいので」

 

「それはそうじゃな……騙されんか」

 

 改めてこの店について聞くと、300年以上続く老舗であり、今の店主は5代目なのだとか。

 

「エルフですか?」

 

「前まではな、今の店主はハーフじゃ」

 

 すると店員さんがメニュー表を持ってきてくれた。

 

 南部とは料理の種類が違っておりリリスさんとジェルさんに聞きながら料理を選んでいく。

 

「マンシュタインは何にするか決めたか?」

 

「俺このファルシて料理にするわ……野菜をくり抜いて別の具材を入れるっていうのが面白そう」

 

 日本の料理とかで例えるとピーマンの肉詰めとかに近い。

 

 違いは具材を既に炒めてある事と、外側の野菜は焼いていても生でも良い点である。

 

 それにピーマンではなく、トマトやタマネギ等くり抜く野菜も様々である。

 

「リリスさん、この店のオススメは?」

 

「ガレットじゃな。そば粉を使った生地を折りたたんで器を作り、その中に具材を入れてオーブンで焼き上げる料理じゃな」

 

 確かフランス料理にそんなのがあったな〜と思い出し、それを注文する。

 

 リリスさんもガレットを注文し、ジェルさんはステーキを注文していた。

 

「ジェルはどこでも肉じゃな」

 

「だって肉食べないと力が出ないんだもん!」

 

 ジェルさんは肉を食べないと力が出ないらしい。

 

 そう言えば同じ竜人のシュネも肉が好きだったから、竜人の特徴なのかもしれない。

 

「さて、ナツ……お主本当のドラゴン倒した事あるじゃろ?」

 

 食事を待つ間に何かリリスさんかジェルさんの事を知ろうと思ったら、先に言われてしまった。

 

「さて、ワイバーンは倒してきましたが」

 

「いや、隠そうとせんでもよい。ナツの魔力量であればドラゴンを討伐可能じゃと思ってな。のぉジェル」

 

「うん、ナツならドラゴン倒せるんじゃないかな? というかアンデッドドラゴンは倒しているんだったら、普通のドラゴンも倒せるでしょ」

 

 俺はマンシュタインを睨みつける。

 

 マンシュタインもあっ、ヤベって顔をしていた。

 

 はぁ……と息を吐いてから

 

「ええ、赤いドラゴンを倒したことがあります」

 

「どうやって倒したか聞いても良いか?」

 

「それは勘弁してください。俺の切り札でもあるんで……」

 

 手の内をバラすのは魔法使いとして寿命を縮める行為と同じ。

 

 仲良くさせてもらっているが、敵対しないとも分からない。

 

「用心深いねぇ……僕らは別にナツと敵対する予定は無いよ」

 

「でも後継者次第では宮廷魔導師に南部領を潰すと命令される可能性もあるんじゃないか?」

 

「帝国に不利益を働くような奴に儂は仕えたいとは思えんからなぁ……そうなってしまったら儂は引退するじゃろうな」

 

「ええ! そうなると繰り上がりで僕が筆頭になるんだけど〜困るよリリス! 僕政治的な動きできないよ」

 

「アホ、儂が引退すると同時にジェルも引退じゃ。儂以外でお主を制御できんじゃろうて」

 

「ええ! 僕まだ23歳なんですけど!」

 

「それが嫌じゃったら、多少は政治を覚えるのじゃ!」

 

 ポンポンと頭を叩くリリス。

 

「逆にリリスさんとジェルさんの得意な魔法はなんなんですか」

 

 俺は一応聞いておく。

 

「なんじゃ、自分は言わないのに儂らの魔法は聞くのか」

 

「教える代りにナツの必殺技を教えてよ」

 

「まぁこうなるのがわかっていたので、さっきの発言は無しで」

 

 俺は発言を撤回しようとすると、リリスさんが別に調べればわかるからなとそれぞれの異名を教えてくれた。

 

「儂は突風のリリスと呼ばれておるのぉ……そしてジェルは」

 

「僕の異名は熱糸だね」

 

「熱糸?」

 

「おっと、サービスはここまで。それ以上聞くならそっちも対価を支払ってもらうよ」

 

 2人の異名を知れただけで収穫か。

 

 そうこうしていると料理が届き、俺の前にはガレットが置かれる。

 

「おお!」

 

 イメージする通りのガレットで、薄いそば粉を焼いた四角い器の中に卵やベーコン、ジャガイモをペーストした物が塩コショウで味付けされていた。

 

「では頂くとしようか」

 

 神に祈りを捧げ、俺とリリスはガレットをナイフできり分けて口に運ぶ。

 

 うん、想像した以上にそばの風味が強い。

 

 好き嫌いは出そうだが、俺は好きだ。

 

「また腕を上げたのぉ」

 

「恐縮です」

 

 リリスさんは1口食べると、店員にそう伝えた。

 

 どうやら、今食事を運んできてくれた人が店主でもあるのだろう。

 

 エルフの血が強いと年齢がわからなくなるからな……。

 

 リリスさんも100歳を超えているらしいが、見た目は10代半ばの女性にしか見えないし……。

 

 一方でジェルさんはステーキをナイフで大きめに切り分けると、齧り付いていた。

 

 マンシュタインのファルシと言う料理は皿に焼きトマト、焼きタマネギ、焼きピーマンの3種類の野菜の中にひき肉と野菜を混ぜた具を詰めてオーブンで焼いた物だった。

 

 一口の大きさに切り分けて舌を打っていた。

 

 あまりに美味しそうだったので、ガレットを食べ終えてからファルシを注文して食べてみると、焼かれた野菜の香ばしさ、野菜をペーストしたソースを絡めながら食べると、野菜の持つ甘さと詰められた具材の肉汁が絡み合い、旨味を舌に伝えてくる。

 

「こりゃ美味い」

 

 思わず口に出てしまい、慌てて口を押さえるが、リリスさんに笑われてしまった。

 

 そんな感じで食事を終えてから帝都を2人に教えてもらい、一通り巡ってから解散となるのだった。

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