転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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さらば帝都

 ヘッケナー公爵とその息子のザンジバル元皇太子は帝都に連れて行かれると、貴族達の前で弁明の場が設けられた。

 

 まぁ実質事件解明の為に証言が欲しいだけなのであろうが、ヘッケナー公爵は知らぬ存ぜぬの一点張り。

 

 結局黒魔術師達が動員されて、読心術の様な魔法を使い、原因を解明していくと、共和国諜報員を名乗る人物と接触していた事が判明し、その人物から多額の賄賂を受け取っていたことまで判明した。

 

 ただ俺的には、この裁判めいた何かが規定通りの政治劇の一幕に過ぎないように思えてならない。

 

 賄賂を受け取っていた人物は東部貴族に多くおり、東部辺境伯とは接触していなかったが、家臣の一部は接触していた痕跡があることが他の貴族の尋問によって判明。

 

 東部の公爵家と辺境伯家が双方潰れると、東部貴族が制御できなくなるため辺境伯へのペナルティはだいぶ緩かったが、ヘッケナー公爵家は取り潰し、そのうえでヘッケナー公爵とザンジバル元皇太子は処刑というのが決められたが、ザンジバル元皇太子はあまりの恥辱に堪えられず、獄中で自らの舌を噛み切って自殺。

 

 ヘッケナー公爵は自殺する勇気はなかったのか、断頭台に消えていった。

 

 こうしてヘッケナー公爵の乱と呼ばれた内乱は終結し、後は他の貴族の改易処分を残すところ……となっていたが、ここで皇帝の寿命が尽きてしまい、眠るように没してしまった。

 

 享年149歳。

 

 その翌日には政治的な空白が少なくなるようにと皇帝からの遺言を聞いていた宰相により、次期皇帝が発表され、大方の予定通りヨシフ・ガーランドが選出された。

 

 ヨシフ皇帝は速やかに前皇帝の葬儀を執り行うと人事を整理していき、北部出身者や北部に近しい者、懇意にしている者達を次々に要職に就けていき、その人員整理の対象には宮廷魔導師達も入ってくるのであった。

 

「終いじゃな。儂は宮廷魔導師筆頭の座を降りて隠居するとしよう」

 

 リリスは配下の宮廷魔導師見習い達の前でそう宣言し、2番手だったジェルもリリスとの約束通り引退を発表したことで、3番手だったエジョフが宮廷魔導師筆頭へと昇進。

 

 リリスとジェル以外の宮廷魔導師は引退しなかった為、2枠空き、そこにはエジョフ配下の宮廷魔導師見習いだった者が宮廷魔導師に昇進して枠を埋めた。

 

「結局2人は私に付いていくので良いのか?」

 

「あぁ、構わん。前皇帝への義理も通した。後はお主の領地で楽隠居させてもらうぞ」

 

「僕はドラゴンと戦えるの楽しみだよ!」

 

 リリスはそれにと付け加え、宮廷魔導師見習いの中で付き従ってくれた2名の者も俺が雇う取り決めをしたことを感謝していた。

 

「悪いなナツ、配下の者まで面倒見てもらって」

 

「なに、多少人数が増えた所で変わらないですよ」

 

「敬語も辞めよ。儂らはもうナツより偉くないからのぉ」

 

「そうだよ! タメ口で良いんだよ!」

 

「……じゃあ遠慮なくさせてもらうよ……しっかし皇帝ヨシフは上手いこと纏め上げたな」

 

 俺は絶対裏で内乱を操っていたと思われるヨシフの手腕を称賛しつつも、それが次に共和国へ向くのか、それとも他の地域に向くのか気になった。

 

「流石に馬鹿じゃなかろうて、向かうとすれば共和国じゃな」

 

「だよな……でも共和国が倒れれば次は内部粛清に走るんじゃないか?」

 

「そうなるじゃろうな。まぁ短期間では終わらんと思うぞ」

 

「……それまでに戦力を高める必要があるか」

 

「なに、ナツが攻められるとなったら、儂とジェルも戦ってやるわ」

 

「うん! 暴れまわっちゃうから!」

 

「それは頼もしいな。よろしく頼むよ」

 

「僕に任せてよ!」

 

 こうして約3ヶ月近く拘束された帝都での一連の事件は幕を下ろすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空の旅は実に面白かったぞ」

 

「へぇ……ここがナツの領地か……僻地にあるって聞いていたから発展してないと思ったけど……良い領地じゃないか!」

 

 リリスとジェルを俺の領地に連れてくると、2人はグライダーで空の旅をしたことや、空から見た領地について口々に絶賛していた。

 

 2人なら飛行魔法もできるから、空飛べるのに……。

 

「ささ、俺の城に来てくれるか」

 

 俺は今住んでいる城へと2人を案内した。

 

「おお、立派な城だね」

 

「滅茶苦茶大きい城じゃないか」

 

 前の屋敷から転居し、旧ヤマト村近くの巨大な湖の近くに建てられた要塞を兼ねる城であり、外壁は魔法で作ったので真っ白。

 

 それが30メートル近くある洋風の城に仕上がっていた。

 

 ちなみに城の周りには堀や石垣、石壁などで囲われており、厳重な守りが備わっていた。

 

 万が一また魔物によるスタンピードが起きても領民が逃げ込める場所としても機能するようになっている。

 

 一応広がった各地の村にも砦を設置し、普段は倉庫として使われているが、緊急時には要塞として機能する施設が何箇所か作られていた。

 

 まぁ作るのにラインハルトに俺が酷使されたのであるが……。

 

「おかえりなさいませナーリッツ様」

 

「ご苦労さま、メアリー達は中にいる感じ?」

 

「はい、城の中でお子様方の面倒をみているはずです」

 

「うん、ささ、リリスとジェルも入って。マンシュタインはラインハルトを連れてきてくれ」

 

「了解」

 

 城の中に入り、2人を客間に通すのであった。

 

 

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