転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
〜リリス視点〜
「やはり、魔力量が多いだけでは説明がつかんのぉ」
儂は今ナツの子供達相手に魔法について教えている。
魔力量の多い子は早熟傾向があるとされ、精神性が育っているとされているが……
「いやはや、6歳児でもあそこまでハキハキ喋られるとのぉ」
ナツは子沢山であるが、正妻のシュネの息子のアポローン達がちょうど6歳で、一番上の子達が8歳であり、魔力量を増やすトレーニングをしていない子供達はまだ幼さが目立つが、ナツが言うポーションを用いた魔力量を増やすトレーニングをしている子達の早熟性には目を見開くものがある。
「あ、でもアキが成長促進剤なる物を使っていると言っていたが、それも関係あるのかのぉ」
そんな事も考えるが、にしたって子供達の魔力保有量はだいぶおかしい量をしている。
「特に8歳組は既に儂の魔力量を超えておるからのぉ」
五つ子の娘達は既に魔力量を確認すると超えていたし、既に単独でワイバーンを倒せる実力を有していた。
「五つ子の母親は魔力量が殆ど無い女性だったらしいが、ナツの種が優秀すぎるのかのぉ。貴族でもワイバーンを倒せるほどの魔力量を有しているのはごく僅かというのに……儂の目利きは正しかったのじゃな!」
100年生きてようやく自身に釣り合う男が見つかった故に、儂の興奮は収まらない。
それにちゃんと抱かれて、今儂の腹の中には赤ん坊がちゃんといる故にな。
「しっかし教え甲斐があって実に楽しいのじゃ」
儂がそんな事を考えながら次の授業に向けた準備をしていると、部屋の扉がノックされた。
『失礼しますリリス様。少しお話をしてもよろしいでしょうか』
「うむ、入れ」
入ってきたのは元宮廷魔導師見習いのニーニャであった。
儂が宮廷魔導師を辞めてナツの領地に行くと決めた際、自身に付いてきてくれた信頼している弟子じゃ。
「ニーニャどうした?」
「いや、私もワイバーン狩りに連れて行かれたのですが……魔力量の差に打ちのめされて」
「仕方がなかろう。ここだとお主並みの魔力量の奴らはゴロゴロいる魔境じゃからな」
「あと……ホムンクルスやゴーレムの高性能っぷりに……衝撃を受けまして」
「ああ、あれには儂も驚いた」
ワイバーンやドラゴンの魔石と魔物の素材を錬金術を使って生み出すゴーレム。
ドラゴン種の卵を使い自立思考させ、なんなら会話すら可能なホムンクルス。
魔法でも空想と言われた人体錬成にまで至っていたアキの錬金術には脱帽であり、更にそれが素材に使った魔石から魔力を生み出して魔法を扱えるというのはまさに神の領域である。
「儂よりもアキの方が魔法についての理解度が高いかもしれんな」
そんなことを口に出してしまう。
「さて、ワイバーン狩りはどうじゃった? ニーニャは単独では無理じゃが、複数人でのワイバーン討伐経験はあったじゃろ?」
「領主様の奥方の皆さんとワイバーン狩りをしたのですが……なんというか凄まじく強かったです」
一緒に行ったのはライラックとスターの2人だったらしいが、ライラックは一撃でワイバーンの首を切断するし、スターも膨大な魔力でワイバーンに巨石を当てて撃墜するなど、実力差を目の当たりにしたらしい。
「他所の領地だったら確実にお抱え魔法使い筆頭クラスですよ……正直あの2人なら宮廷魔導師にもなれそうです」
「まあ奴らも魔力量は抜けておるからのぉ」
まったく、魔力量は才覚によるが、一定量を超えると成長が鈍化するはずなのに、ケッセルリンク家の家臣や奥方の一部は止まるどころか突き抜けてしまっておるからのぉ……。
「でもここにいればニーニャも鍛錬には困らんじゃろう。ワイバーンやそれに匹敵する魔物がゴロゴロいることじゃしな」
「はい、魔力量の成長は止まりましたけど、魔法の練度では負けていないつもりです」
「そうじゃろそうじゃろ」
「それにもう宮廷魔導師見習いではないので、狩った獲物は冒険者ギルドで換金することもできますし……滞在費稼ぐためにも積極的に狩りには参加しようかと」
「そこまでせんでもナツが滞在費くらいは出してくれるじゃろうが」
「ケッセルリンク子爵様に迷惑は掛けたくないので……師匠が宮廷魔導師を辞めてでも嫁ぎたいとした男性なのでね」
「言うではないか」
その後ニーニャと話をしながら、子供達に教える授業内容を相談するのであった。
〜ナツ視点〜
「いやぁ凄いね。ジェルもリリスも。やっぱり宮廷魔導師は強いよね〜」
「メアリー視点からでもそうか?」
「うん、魔力量では圧倒しているけど、魔法の熟練度が段違い。シュネも今ジェルに教わって部分変化を習得しようとしているからね」
今日はメアリーと一緒に領内の道の整備をしていた。
俺が空間魔法で道を舗装する石材を運べるので駆り出されている。
俺が石材工房からブロック状に加工された石材を運んで、事前に掘られた道にブロックをはめ込んでいく。
それを後ろからメアリーが石化の魔法をかけると、綺麗な舗装路が完成する。
最初の頃は整地した地面に石化魔法を直接かけて舗装路にしていたが、水はけが悪いとか、強度にムラができてひび割れやすいなんかが言われてから、今のやり方で統一された。
綺麗な道があれば、ゴーレム馬車の移動がスムーズになるし、領民も移動しやすいから道は大切である。
というか魔物狩りをしない日はこんな土木作業ばっかりである。
未開拓地を領地にいただいてから5年以上経過しているが、いまだに全体の2割開拓したくらいであり、まだまだ全体の開拓までは至ってない。
というかドラゴンの生息地に住む、通常種より強力なドラゴンを討伐しない限り、未開拓地の完全開拓は不可能だろう。
「魔導砲の開発が進めばいけるか?」
なんてことを考えながら道を整備していく。
「でもここ数年で領地もだいぶ賑わっているよね」
「ああ、特に商工業が発達してきているよな!」
最初の頃は農業頼りで食事とかも大衆食堂で皆まとめて取る形式だったが、今では各所に食事処ができたり、質のよい魔物の素材を使った魔導具の製造をする工房が立ち上がっていた。
その労働力としてアキ達のゴーレムがいるのだが……。
「俺が居ない間も順調に発展してそうで何より」
「これで子ども達世代が魔法使いとして活躍できるように成れば、もっと開発が進むよね」
「子ども達に頼るのもアレだが、魔法使いが足りてないのは事実だからなぁ……」
そんなことをメアリーと話すのであった。