転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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模擬戦とアキの覚醒

 夜になると家を抜け出して、メアリーと一緒に過ごす時間が増えていた。

 

 日中はどうしてもアキやシュネと一緒に過ごす時間が多かったので、彼女達に俺とメアリーが魔法を色々使えることは黙っていた方が都合が良かったので黙っているが、夜のメアリーとの時間は別である。

 

 俺とメアリーは森の中で魔法の鍛錬を続けていた。

 

 暗い森の中……周囲を警戒しながら俺は探知の魔法を全力で行使しているが、メアリーは妨害の魔法でメアリー自身を探知できないようにしている。

 

 何処にメアリーがいるか分からない。

 

 しかも消音の魔法をしているため、音も聞こえない。

 

 森の中から石の弾丸が発射される。

 

 奇襲であったが、僅かな殺気を感じ取ったことで弾丸が当たる前に防御姿勢を取ることができた。

 

「そこ!」

 

 弾丸が射出された場所にこちらも石の弾丸を発射する。

 

「ホーミング!」

 

 通常魔法というのは直線的な物である。

 

 勿論魔法の種類によっては曲射することも可能であるが、直角に曲がったりすることは無い。

 

 そもそもそれを必要としないのである。

 

 空中で軌道を変えると言うのはそれなりに魔力を必要とするし、魔法に軌道を事前に線引きする必要があるので脳に負荷がかかる。

 

 魔法使い同士での戦闘において脳の負荷と言うのは無視できない要素となり得るのである。

 

 そんな魔法使いにとっての常識を知らない俺とメアリーの場合弾丸はギュンギュン曲がる物である。

 

 俺の場合は更に空間魔法を組み合わせることにより障害物を避けながらロックオンした物を追尾する魔法を放つ事ができる。

 

 空間魔法の応用の1つである。

 

 ロックオンされたメアリーは土の壁を地面から生やすことで弾丸をガードするが、壁を作るということは視界が遮られるということである。

 

 俺はその隙に距離を詰めて近接戦に持ち込む。

 

 メアリーは俺が近づいていることを直感で感じ取ったのか、自らが生み出した土壁を石化させてから身体強化で強化した足で思いっきり石壁を蹴りつけて破壊する。

 

 すると石壁の破片が前方に飛び散り、散弾の様に飛来する。

 

 俺は風魔法で風の防護壁で身を纏うことで石壁の破片を体に当たらないようにしつつ、視界にメアリーを捕らえた。

 

 メアリーは電撃の魔法に切り替えて、足止めの為に電撃の矢を放ってくる。

 

 防御が難しい電撃による攻撃を俺は魔力を多く消費することになるが、魔法の防御壁を展開し、攻撃を防ぐ。

 

 防御壁に電気の矢が当たるたびにバチンバチンと音がするが、俺は気にせずに突進し、石で作った槍を突き出す。

 

 メアリーもそれに合わせて石の槍で対抗し、互いに槍を数度合わせる。

 

 すると俺の足下に魔力の反応を感じたので飛び跳ねて回避しようとすると、それに合わせてメアリーは石槍を投げてきた。

 

 緊急回避が間に合わず、身体強化の強度を上げる事で防御をしたが、衝撃で転んでしまう。

 

 そこに先ほど足下の魔力の原因と思われる植物の蔓が勢いよく成長して俺の下半身に巻き付いて、締め付ける。

 

 俺の首元に炎の剣を突き立てたメアリーが

 

「僕の勝ちだね」

 

 そう宣言して模擬戦は終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「全力で魔法を行使しても、僅かにラグがあるんだよな。精神体か肉体があるかの違いだと思うが……メアリーにもあるか?」

 

「そうだね。僕にもあるよ」

 

 模擬戦を終えて、メアリーの秘密の畑近くで休憩する。

 

「少しずつナツも魔力に慣れてきたかな?」

 

「いやぁ……まだまだ……大技使おうとすると体に負荷がかかって辛くなるから、低燃費の魔法で誤魔化しているけど……メアリーもそうでしょ」

 

「そうだね……僕もまだ出力を徐々に上げている段階。ナツが命名した神の間だっけ……あの空間にいた時に比べるとね」

 

「あそこにいた時は空中戦していたじゃん。この体だと飛行できても5分くらいがいいところだろ」

 

「まーね、でも慣れていくしかないよ。森を越えて山に行くってなったらそれこそ空を飛んでいくしかないからね」

 

「まぁ確かにそうだ……」

 

 そのまま今回の模擬戦の総評を行い、アキとシュネがいつ頃前世の人格に覚醒するかなと言う話になる。

 

「こんな辺境だと誕生日を祝うって文化がないからねぇ……あ、シュネの誕生日は知っているよ。去年祝ってもらうために言いふらしていたからあと2ヶ月後じゃなかったかな?」

 

「うぇ……2ヶ月も魔法の的になるの嫌だぞ」

 

「しょーがない、シュネのお気に入りなんだからナツは」

 

 シュネに魔法の的にされたあの日から毎日俺は的役を続けていた。

 

 弾速は遅いものの、年の割には結構な魔力量を保有していて、つららの精神に引っ張られて魔力が上がっているのか……それともシュネ自身の魔力量が凄いのか……。

 

「威力全振りとは言え火傷するほどの火球や大怪我するような氷の塊連射は普通に凄いと思うんだけどな」

 

「実際この村だとシュネほど魔法が使える人物は居ないからね……だから両親に持ち上げられて天狗になっているんだろうけど」

 

「つららの精神が覚醒したら楽しみだな……めっちゃいじったろ」

 

「こらこら……可哀想だよ」

 

「こちとら実害を受けているからね。少しぐらい反撃しても許されるだろ」

 

「まぁまぁ……」

 

 シュネは当分の間天狗のままでいさせるとして、早く実里ことアキも覚醒しないかなと思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 それから1週間ほど経過したある日、メアリーとは違う人物から念話が届いた。

 

『夏兄! おっと今はナツだったわね! 今日会える?』

 

『お、実里も覚醒したか、アキだろ?』

 

『そう! 思ったより人の姿していて安心したわ……獣人は熊だったけれど!』

 

『良かったじゃないか強い獣人で』

 

『まぁ可愛いし強いから良いけど……』

 

『メアリーとは喋ったか?』

 

『先に喋った。ナツが夏兄って確証無かったから』

 

『確かにそうか……じゃあシュネに今日も呼ばれると思うからそこで合流で』

 

『ん〜……ああ、あの高飛車な竜人ね。了解』

 

 

 

 

 

 

 

 

 アキと合流すると、いつもと雰囲気が違くなっていた。

 

「ヤッホー夏兄! いや、ナツ!」

 

 ムギュっと会って早々抱きついてきた。

 

 いつもオドオドしていた元のアキの人格とは大違いだな。

 

「ちょっとは擬態しろ。急に豹変すると色々不都合が起こるぞ」

 

「でもでも〜転生して無事会えたのが嬉しくてさ!」

 

 少し遅れてメアリーが合流し、俺達のやり取りを見て相変わらず仲がいいねと茶化してくる。

 

 そうこうしているとシュネの家の前に到着し、シュネを呼ぶ。

 

「シュネ様〜来ましたよ〜」

 

 メアリーがそう呼ぶがアキは

 

「ねぇ……没落しているんだから別に様付けしなくても良いんじゃない?」

 

「シー、それは言わないお約束なの」

 

 俺がアキに注意するが、時既に遅く、シュネがその言葉を聞いてしまっていた。

 

「アキ、貴女そんな事を考えていたのね!」

 

 怒ったシュネはアキに向けて炎のブレスを放つ。

 

 流石にこれは看過できず、俺が魔法の防御壁を展開しようとすると、アキは俺を片手で制し、もう一方の手でシュネのブレスを払い除けてしまった。

 

「は、はぁ!?」

 

 まさか防がれると思ってなかったシュネは動揺するが、ムキになって先ほどより巨大な火球を吐き出す。

 

 アキはそれすらも片手で掴むと火球の制御権を掌握して投げ返した。

 

「え! あ! ちょっと!?」

 

 跳ね返ってくることを考えてなかったシュネは火球に包まれて悲鳴を上げる。

 

 直ぐに火は収まり、炎への耐性が高い竜人のシュネには効いていない様に思えたが、酸欠か衝撃で失禁して気絶してしまった。

 

「アキやり過ぎ」

 

「ごめんごめん……あまりに生意気だったからつい……」

 

 俺はシュネに近づくと、回復魔法をかけてやって火傷していた部分は治す。

 

 俺達は悲鳴を効いて家から出てきたシュネの親御さんにシュネが魔法を失敗して気絶したと説明して家に帰した。

 

 そのまま俺達は別の場所に移動してアキにこの世界の事について説明をするのだった。

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