転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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シュネの親父さんにバレた!

 戦闘訓練している様子をシュネの親父さんに見られた俺は、腰が抜けて動けない親父さんを背負って、錬金釜の置いてある小屋の休憩スペースに運んで、座らせた。

 

 そのまま麦茶を用意して落ち着いてもらう。

 

「大丈夫ですか? 落ち着きましたか?」

 

「あ、あぁ。大丈夫だ……落ち着いた」

 

 シュネの親父さんはシュネを追いかけてここに来たらしく、意識が覚醒したばっかりで気が抜けていたシュネことつららの失態と言える。

 

「ごめん皆……私のせいで……」

 

「仕方がないよ。森の浅い場所だもん。バレても仕方がないよ」

 

「まぁいつかはこうなるかもと思っていたし……しゃーないバレちゃった物は」

 

 シュネの親父さんはシュネの言動が何時もと違う事に驚いたのか、シュネの事を心配している。

 

 シュネことつららも記憶の整理が付いているので普通に今世の父親に接するが、どうしてもベースがつららかつ、擬態の精度が微妙で、高飛車だった元の人格と比べると違和感が凄い。

 

「しゃーない、バレてしまったからにはシュネの親父さんにも逆に少しは知ってもらった方が良いでしょう」

 

「まぁ確かに……地主の親父さんに協力してもらった方が僕達的にもありがたいし」

 

「な、なんの話だ」

 

 シュネの親父さんは警戒しているが、とりあえず話を聞いてもらう。

 

 俺達4人は魔法の才能にたまたま恵まれていて、ここ最近になって急激に魔法が使えるようになってきた。

 

 ただこの村で魔法を色々使えるのがバレると領主様に側室だったり家臣として無理矢理働かされるのは目に見えているから、人目のつかない時間に魔法のトレーニングをしていた。

 

 将来はこの4人で冒険者予備校の特待生として入学し、冒険者予備校で1年間勉強してから冒険者としてデビューして活躍し、大貴族の陪臣だったり貴族籍を入手できればと考えていること、ここの女性陣3人は俺ことナーリッツと重婚したいと考えていることを説明した。

 

「色々驚くべきことはあるが……冒険者になりたいのは理解した。シュネー並みの実力があれば冒険者予備校の特待生にはなれるだろう……と言うかさっきの戦いを観ていたらメアリーちゃんとアキーニャちゃんも十分特待生になれる実力はあると思う。ただナーリッツ君はどうなんだ?」

 

「実力を見せればいい感じですか?」

 

 俺がそう問いかけるとシュネがギロリと父親を睨む。

 

 シュネの顔を見た親父さんは冷や汗をかきながら

 

「い、いや……普通に実力はあるんだろうね……で、でも何か実力の分かる魔法を見せてくれると嬉しいのだけど」

 

 そう言われ、俺は指を動かすと地面から土が抉られ、それが空中でこねくり回され、壺の形になり、空中にバーナーの様な青い炎が無数に現れ、壺を焼いていく。

 

 数分後、真っ赤に熱せられた壺に水の塊で冷やし、出来上がった物をシュネの親父さんの前に置く。

 

「色々な魔法の複合技ですけどこれでなんとなく実力がわかるんじゃないですかね」

 

 シュネの親父さんは壺を手にとって見た後に

 

「こう……シュネの火球の様な攻撃魔法は見せてくれないか……凄いのは分かるんだが……いまいちピンと来なくてな」

 

 そう言われてしまったので、仕方なしに外に出て俺は手で火の玉を作っていく。

 

 どんどん巨大化していって気球くらい火球がデカくなると、流石にシュネの親父さんもわかったから消してくれと俺に懇願し、火球を消した。

 

 再び部屋に戻り、全員床に座りもうこの際だからシュネの親父さんにも協力してもらうことにする。

 

「シュネの家……ケッセルリンク家の悲願である貴族籍への復権。俺達が頑張って成し遂げるので、どうか俺達の行動を見守ってはくれませんか」

 

「……」

 

 シュネの親父さんは少し考えた後に

 

「君達が凄い魔法を使えるのはわかった。そして魔法をこの村では秘匿したいことも理解した。だが協力できることはあまり無いと思うぞ」

 

「行商人が来た時に仲介役をやってはくれませんか。町に行くのにある程度の金が必要になってくるのですが、俺の家やメアリーの家はそんなに余裕があるわけでもないので、路銀くらいは持っておきたいのです」

 

「何か売れる物はあるのかい?」

 

 俺は異空間から動物の毛皮を取り出す。

 

「空間魔法をナーリッツ君は使えるのか!」

 

「……まだ初歩的ですが……ここらの野生動物程度であれば俺達は負けることはまずありません。ご覧のように既に何匹も狩ってます」

 

 床に置いた毛皮をシュネの親父さんは手に取り、よく確認する。

 

「ずいぶんと質が良い……魔法を使って鞣したのか?」

 

「はい……と言いたいですが、少々特殊な方法を使ってまして……」

 

「……深くは詮索しないでおこう」

 

 実際はアキの錬金術を使って毛皮を鞣しているので魔法では無い。

 

 もちろん魔法を使っても出来るのであるが、錬金術の方が時間効率が良かったりする。

 

「ちなみにシュネの親父さん的にはどれぐらいでこれらは売れますか?」

 

「そうだな……狼の毛皮が1匹当たり大銅貨5枚から9枚、熊の毛皮が銀貨2枚ってところか……しかし行商人も手持ちはそれほど多くはないだろう」

 

「路銀も稼げませんかね」

 

「うーむ……数ヶ月に1度やってくる行商人に先に現物を売っておいて、次に行商で来てもらった際にお金を支払ってもらうというのもできるかな。毎回来る行商人は決まっているし、逃げられるということはないだろう」

 

「とりあえず町に行くまでの路銀が持てばいいのですが」

 

「ふむ……それならば私がその毛皮を買い取ろう」

 

「良いのですか?」

 

「あぁ構わない。多少の蓄えは家にあるからね。それに私が持っておけば行商人との交渉も私がすれば良い。そうすれば町までの路銀くらいは出せるだろう」

 

「ありがとうございます」

 

「いやいや、色々衝撃的だったが、君達がそれほどの魔法を使えるのであればシュネと共に冒険者としてやっていくことも出来るだろう……今回の件は黙っておくけれど、夜に出ていくのは危ないからなるべく止めてほしい」

 

「わかりました。昼間にするようにします……皆も良いよね」

 

 メアリー、アキ、シュネの3人も頷く。

 

「今夜は皆もう帰りなさい」

 

 シュネの親父さんに言われて俺達はその日は帰ることにするのだった。

 

 

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