転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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アキの特性ナイトゴーレム

 ワイバーンを単独で狩れるようになった俺達はそれ以下の魔物しか出てこない森の中ではほぼ遅れを取らなくなった訳で……。

 

 ドスン

 

「ふう……うーんまだ出力の制御が難しいな」

 

 魔物の巨大猪を倒した俺はアキに作ってもらった魔剣……という名のワイバーンの鱗を溶かして剣の形に鋳造し直した物を使って魔物を狩っていた。

 

 ワイバーンの鱗を使っているだけあり、魔力の伝導率が結構良く、剣に魔法を纏わせることができる。

 

 風魔法を纏えば鋭利な剣と同じようにある程度硬い魔物でも高速で振動するナイフの様に、切り裂く事もできるし、炎を纏えば焼き切ることが、水を纏えばウォーターカッターの様に切ることもできる。

 

 電撃は切れ味は無いが魔物をスタンさせることもできるし、土は……うん、硬化させて鈍器代わりだな。

 

 俺の場合は空間魔法を応用することができるのもポイント。

 

 剣に沿って空間を纏わせればどんな相手も亜空切断することができる。

 

 まぁ空間魔弾の様に飛ばすことは現状技術不足でできないけどいつかやってみたいとは思っている。

 

 倒した猪の魔物を異空間に仕舞い、近くで戦闘をしているアキの加勢に向かう。

 

 アキは巨大熊モードで池から顔を出して攻撃してくる首長竜……恐竜の亜種……ネッシー擬きと戦っていた。

 

「どっせい!」

 

 おお、アキの良いパンチがネッシー擬きの顔面に入った。

 

 吹き飛ばされたネッシー擬きは対岸まで吹き飛び、木に叩きつけられて伸びている。

 

「ふう……」

 

 シュルシュルと人間形態に戻ったアキに声を掛ける。

 

「お疲れさん。トドメ刺して異空間に仕舞っておくぞ」

 

「ナツお願い!」

 

 バチンと電気魔法で高電圧を流し込み、感電死させたネッシー擬きを異空間に仕舞っていく。

 

「それよりどう? 私の作ったワイバーンの鱗の剣は」

 

「魔法が使えるんだったら十分強力な武器になるな。俺も空間魔法を纏わせて亜空切断できるから何でも切れるし」

 

「うーん、持ち手の技量に強く依存してしまう……か。武器としては二流かな?」

 

「そうか? 十分に強いと思うが」

 

「使い手を選ばない武器がやっぱり強いよ。地球で銃が主流になっているのも、持ち手によって威力が変わらないっていうのが大きいし」

 

「ふーん、鍛冶屋か錬金術師……いや、武器製作者としてのこだわりか?」

 

「まぁそんなところだね。さてと、魔物相手にいっぱい体を動かすことができたし、そろそろ帰ろうかな」

 

 小さくなったアキは俺の背中に飛び乗ると、おんぶの体勢になり、俺は仕方なく飛行の魔法で空を飛んで秘密基地へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

「んー、こんな感じかな~」

 

 アキは相変わらずゴーレム作りに熱中しているらしく、最近は造形にこだわり始めていた。

 

 粘土で形状を作り、それを石化させることで形状を固定化し、それに人間と同じ動きをさせる。

 

 別に前世でフィギュアにハマっていた訳では無いのだが、娯楽が少ない異世界だと、フィギュア作りの感覚でゴーレム作りに熱中しているっぽい。

 

 最近だと前世で有名なキャラクターのゴーレムを作ったり、ダビデ像の様な人間にどれだけ造形を近づけるかに挑戦したりもしていた。

 

 ただ作るイメージが女性は同性だからか色々裸をよく見ているので色々の姿を造形することができているが、男性は殆どが前世の俺がモチーフだろ……というのが殆どであった。

 

 特に首から下……特に男性器なんかは全作品前世の俺のそのまんまである。

 

 俺も突っ込んでしまったわ。

 

 これ俺じゃんって……。

 

 アキも意識しちゃったテヘって言っていたので別に悪気があった訳でも無いらしい。

 

 というか隅々まで記憶しているのが俺の肉体くらいしか無いから……という理由らしく、顔の形だけはせめて変えてくれと頼んだ。

 

 ただ作りやすいというのはアキのゴーレム生成においてとても重要な意味を持つらしく、更に人型だと自身の動きをトレースして出力できるし、半自動にしても目標物を蹴る、殴る、剣で斬りつけるみたいな簡単な動作はできるので、作りやすければ量で補うことができるらしい。

 

 現状アキは100体分のゴーレムのコアを作ってプログラミングしているが、試しに100体と戦った時は最初は簡単に倒せていたのであるが、アキが改修を施して次に戦った時は少し手強くなり、更にアップデートを行うとどんどん強くなっていった。

 

 で、俺達が8歳になる頃にはアキのゴーレムの強さも中々な物になり、単体のゴーレムで熊を、複数体だったら弱めの魔物(チキンザウルスくらい)は倒せるようになっていた。

 

 更にアキはどんどんゴーレムを改造していき、魔石に魔法を施して、魔石の中に素材を錬金術で入れることで、魔石を地面に置くだけで、ゴーレムの形に自動的に生成したり、ゴーレムの材料にワイバーンの鱗を溶かした物を使って魔法がほぼ効かない強力なゴーレムを作り出したりもしていた。

 

 アキ曰くワイバーンの鱗を活用したゴーレムはナイトゴーレムと名付けて、全身に鎧を着込んだ様な造形で生成されるようになっていた。

 

 このナイトゴーレムは普通に強く、出現時にワイバーンの鱗製の剣……俺達も使っているのと同じ物を武器として持ち、魔石の魔力を吸い出して風魔法を剣に纏わせて攻撃してくるので、バッサバッサ対象を斬れるのである。

 

 ナイトゴーレムの強さはワイバーン相手に時間稼ぎができる程度……ホーンタイガーとは3体いれば完勝できるほど強く、アキは1人で森の奥に行くときはゴーレム達で軍団を作って魔物を倒す集団戦の様な戦いをしていた。

 

 1人だけなんか戦い方が違くなってきているが、壁役になるのでこちらとしてもありがたい。

 

 ワイバーン討伐の際に壁役が居るか居ないかで大きく難易度が変わってくるしな。

 

 そんなアキのゴーレム作りの為に俺達は度々ワイバーン狩りに行かされることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 兄貴が良くつるんでいた愚連隊の仲間の一部が行商人と一緒に町を目指してこの村から出ていった。

 

 冒険者になって一旗挙げてくるから期待していてくれよなと言って彼らは町に出ていく。

 

 気になったので行商人さんに冒険者になって成功するのはどれぐらいなのか聞いてみたところ、成功の定義を町で家庭を持って暮らしていけるくらいなら半分、一流冒険者と言われるシルバーランクまで上がれるのはこういう村からだと30人に1人だと言われた。

 

「冒険者となって上流貴族に取り立てられる……なんて者もいますが、そんな人は本当に1握り……多くの人はそれよりも前に淘汰されていきますよ。冒険者として大成せず、結局開拓村に向かうなんて者がほとんどですよ……夢を見れるのは若者の特権ですよ」

 

 と凄い実感が籠もっている言葉をいただいた。

 

 兄貴も外に行きたい気持ちはあったらしいが、俺がシバいたのがだいぶ効いたらしく、少しずつ現実が見えてきたのか、親父の農作業を徐々に手伝うようになってきていた。

 

 愚連隊のメンバーも徐々に年齢が上がってきたことによって家の戦力になったり、リーダーだった領主の息子が父親から領主としての仕事を引き継ぎ始めたことで集まれる時間も減ってきたらしい。

 

 両親の中では徐々に兄貴の評価は上がる……というか最低限に戻ってきてはいるが、居心地が悪いのは続いている。

 

 あと兄貴から

 

「なぁナツは村からいつ出るんだ……なるべく早く出て欲しいんだけど」

 

 と真正面から言われた。

 

 この時点で前から薄々感づいていたが、兄貴とはもう関係修復不可能だろうな……と感じるのであった。

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