転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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最終調整

 8歳の冬の時期……俺達はいよいよ春になったら行商人のおっちゃんと町に行くため、それに向けての準備を行っていた。

 

 この頃になると俺の異空間も毎日拡張に勤しんでいたのと、魔力の循環が体に馴染んできて、出力が上がったおかげで、東京ドーム十数個分の許容量を誇っていた。

 

 ただそのうちの約3分の1はワイバーンの素材が入っていたが……。

 

 この頃になると皆魔法の出力がだいぶ上がっていたので、ワイバーンに負けることも無くなり、群れに挑むこともできるようになっていた。

 

 冬の巣ごもりしているワイバーンに襲撃を仕掛け、討ち取る事もしばしば……。

 

 なんならワイバーンの卵を奪取してアキが錬金術の素材にしていた。

 

 実力も十分付いたことだし、俺達は最後の仕上げとして山で模擬戦をすることに決めたのだった。

 

「さてじゃあ総当たり戦だけど、誰から行く?」

 

 メアリーが誰から行くか聞かれたので俺が手を挙げる。

 

「しょっぱなから全力で飛ばすわ」

 

「お、いいねぇ……誰も居なかったら僕が初戦行こうかな?」

 

 というわけで俺対メアリーで初戦戦うことに決まった。

 

 審判はアキとシュネが行う。

 

「じゃあ2人共……準備は良い? 致命傷になる攻撃は無しね」

 

「「了解」」

 

「それじゃあ始め!」

 

 俺は早速電撃を飛ばす。

 

 感電させて動きを止めることができればそれだけで俺は詰みに持っていくことができる。

 

 それを狙っての速攻だったが、メアリーもそこは読んでいて魔法障壁によって遮られる。

 

 バチンと電気が魔法障壁に当たり、音が響く。

 

 メアリーは直ぐ様反撃に移り、地面から植物の太い根っこが俺の足目掛けて生えてきたので、飛行することで回避するが、根っこは空宙でも容赦なく襲いかかってくる。

 

「メアリーの十八番の植物攻撃か。質量があるから厄介なんだよな」

 

 メアリーの植物攻撃……つるのムチだったり根っこを鋭利にして突き刺してきたり、種を弾丸の様に発射して攻撃したり……文字だけだと弱そうに思えるが、どれもワイバーンに有効打を与えられる強力な技へと成長している。

 

 そもそも高速で飛行している俺を捕まえようと根っこが追いかけてくる時点でおかしいが。

 

 俺は右手を前に出し、追ってくる根っこに火球をぶつける。

 

 根っこは燃え盛り、成長が阻害されたことで地面に倒れる。

 

 メアリーの方を見ると、空中に魔法陣が描かれており、俺は慌てて魔法障壁を展開する。

 

 バチン ジジジジジ

 

 魔法障壁にメアリーが放ったビームが直撃する。

 

 無属性攻撃魔法アクティーナ。

 

 某東方のマスタ◯スパークそっくりのビーム攻撃であり、対象物に込められた魔力分のダメージを与えるという至ってシンプルな魔法である。

 

 質量を伴わないので射程距離も長く、速度も調整可能、更に爆発性を付与したり、貫通力を上げたり、誘導したりと色々応用が効く魔法でもある。

 

 下手な土壁であると貫通するため、魔法障壁でないと危険な魔法である。

 

 ちなみに今の俺達だとこの魔法でワイバーンの鱗の魔法防御力を貫通して肉体にダメージを与えられるアクティーナを放つこともできる。

 

「アクティーナによる遠距離戦をお望みとは! それは俺の十八番だぞ」

 

 空間魔法が使える俺は三次元で広範囲を把握することができ、障害物があったとしてもアクティーナを誘導し、障害物を避けて対象に直撃させることが可能である。

 

「アクティーナ」

 

 俺は空中に複数の魔法陣を発生させてアクティーナを放つ。

 

 無数の光の線が四方八方からメアリーに向かって襲いかかる。

 

 メアリーは円形の魔法障壁を展開してこれを防ぐ。

 

 俺はゆっくりと地上に落下しながら、アクティーナを放ち続け、メアリーもアクティーナによる攻撃を続ける。

 

 アクティーナによる撃ち合い。

 

 こうなると、どちらかの魔力が尽きるか、次の手を打たなければ千日手となってしまうのであるが、こうなった時の対処は勿論考えてあった。

 

 俺はアクティーナの中に低速の空間魔弾を混ぜ込み、空間魔弾がメアリーの魔法障壁に当たった瞬間に、魔法障壁に穴を開けてアクティーナが中に入り込むように仕向ける。

 

 魔法障壁が貫通されると思ってなかったメアリーは一瞬対処が遅れるが、腹部にアクティーナが直撃。

 

 しかし身体強化魔法で致命傷にはなってない。

 

 ただ、ダメージは大きかったようで四つん這いになってゲロを吐き出している。

 

「それまで!」

 

 アキがストップをかけて模擬戦は終了。

 

 俺の勝ちということになり、俺はメアリーに回復魔法をかけて治療する。

 

「悪かったな」

 

「いや、本気でナツと戦ってみたかったし、いい経験になったよ。いつつ……アクティーナ直撃ってこれほど衝撃が来るんだね。いい勉強になったよ……ケホケホ」

 

「治癒するから大人しくしていてくれ……内臓に傷は付いてないな」

 

 俺は空間魔法の応用で体内を覗いて大丈夫かを確認する。

 

 お腹は赤くなっていたが、みるみる色が引いてきて、健康な肌色に戻る。

 

「ふう、楽になった……これ総当たりは無理だ。1人1戦くらいにしないと事故起こるかも」

 

 メアリーのその発言で、結局総当たりではなく、1回戦うのみとなり、アキとシュネが戦うので終わりということになった。

 

 アキとシュネの戦いも壮絶で、アキはまず大熊になり身体強化にバフをかけて魔法への耐性を上げると前から作っていた火薬の爆弾を投げつけて攻撃してくる。

 

 シュネはそれを氷漬けにして爆発を防ぐものの、時限式にもなっているらしく、氷の中で爆発し、氷の欠片を周囲に飛び散らせる。

 

 だったらと火球をぶつけて先に爆発させてしまった方が良いと判断したシュネは、火球で爆弾を撃ち落としていくが、大量の黒煙で周囲が見えづらくなり、しかも爆発音で音も聞き取りづらくなっていた。

 

 そこに足音を消したアキが近づき、シュネに直接攻撃を仕掛ける。

 

 近接戦闘となり、シュネも身体強化で筋力を上げて対抗するが、熊の筋力勝負だと分が悪い。

 

 力で押し切られる前にシュネは自身の尻尾を鞭の様に使ってアキを吹き飛ばすと、距離を取り、火炎放射を放つ。

 

 シュネの炎の温度は3000度を超えており、普通なら焼け死んでしまうが、アキは錬金術で作った耐火のポーションを割って体にまぶすと、炎の攻撃に耐えきってしまった。

 

 シュネは氷漬けにしようと一気に温度を下げると、空気が一気に冷やされて、収縮を始める。

 

 そこにアキは爆弾を放り投げ、着火し、破裂すると冷やされた空気が熱で一気に膨張し、大爆発が発生する。

 

 アキはこれを予測していたためガードに成功するが、シュネは想定を超える爆発に驚いて吹き飛ばされてしまう。

 

 木々にぶつかって地面に倒れたところ、アキの爪を喉元に突きつけられて勝負あり。

 

 勝負はアキが勝ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「いい勝負だったね」

 

「いてて……正直火炎放射連発されて耐火ポーションの効果切れになっていたら負けていたわ」

 

「でもアキ、私が冷却するって読んでいたんでしょ……完全に私の負けだわ」

 

 俺とメアリーが2人の治療をしながら反省会。

 

 アキの場合錬金術の物質を使っているので長期戦になると戦力がダウンしてしまうので、短期決戦にしようとしたのは良かった。

 

 一方でシュネはそれに乗ってしまったのが敗因と言える。

 

 魔法の火力ではシュネが一番なのはここにいるメンバー全員が知っているので、それを覆す工夫をしたアキを褒めるべきか……。

 

「でもアキ、魔法の方は大丈夫なのか? 冒険者予備校の試験では錬金術は使えないぞ」

 

「勿論大丈夫。そっちもちゃんと鍛えているから!」

 

「それなら良いけど」

 

 こうして8歳の冬が過ぎていくのだった。

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